「徐々に明らかになる世界の思惑と仕組み」劇場版 Gのレコンギスタ II ベルリ撃進 Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
徐々に明らかになる世界の思惑と仕組み
Gのレコンギスタ5部作の2作目
物語は 主人公ベルリとGセルフやアイーダ
他国勢力との遭遇から更なる運命に引き込まれていきます
Ⅰのレビューでも言ってますが
TV版から比較して世界観や人間関係の描写が追加され
続きで観る劇場版である点も物語を理解しやすい方向になっています
加えて作画は更に描き直されて別物に感じるほどです
ベルリはキャピタルガード候補生のままアメリア軍の
兵器テストを偽装する海賊と行動を共にしますが
急進派のキャピタルアーミィがベルリを救出すべく
戦いを仕掛けてきますその中でベルリは
それと知らず元ガード教官のデレンセン乗る
エルフ・ブルを撃墜しデレンセンは死亡してしまいます
劇場版ではここ後悔の念に苛まれるベルリの描写が
掘り下げられていました
アーミィはベルリ救出とかこつけて
タブーを破って製造したMSで戦いたいだけの
好戦的な連中の集まりとなっていましたが
デレンセンは本気で教え子を海賊から助けるために
戦っていたわけで戦場で相まみえるGセルフに
乗っているのがベルリだったと気が付いたのはコックピットを
ビームが貫いた瞬間でした
富野さん作品の悲劇的な展開としてよくありますが
気が付いたときには遅かったというものです
このエピソードによってベルリは身近な親しい人を失う悲しさ
カーヒルを失ったアイーダの感情を理解し
しいてはアイーダを守らなければいけないという動機を
恋心と共に持つことになっていくわけです
Ⅱではそのほかに
キャピタルタワー運行長官ウィルミット・ゼナム
キャピタルガード上官クンバ・ルシータ
アメリアの大統領ズッキーニ・ニッキーニ
アメリア軍総監グシオン・スルガン
など地球側の各勢力のトップが登場し今起ころうとしている
戦いの構図とその戦いの道具の元となっている
「薔薇の設計図」の謎からそもそもフォトンバッテリーの
仕組みに迫っていく事になります
MS戦闘の描写もTV版からかなり直され迫力のあるものに
なっていました
主人公機のGセルフは様々なバックパックを取り替えることで
状況に応じリフレクター・トリッキー・高トルクなど
様々な形態に変化します
これらは薔薇の設計図を元にして製造されたものの
使い方がハッキリとはわからない影響もあり
ベルリのアイデアでムチャクチャな使われ方もするところが
また戦闘で面白かったりします
敵MSもユニークで簡易的な変形で一見奇妙な
エルフブルック・マックナイフ等のMSも動くと
まあ個性的で面白い物です
戦闘シーンは大スクリーンで観る価値は高いと思います
また今作DREAMS COME TRUEが主題歌を提供して
いますがよくあるイメージ程度の曲ではなく
歌詞を見ているとアイーダへのベルリの複雑な感情を
そのまま歌っているような入り込んだ歌でした
モビルスーツといった単語も出てきます
この曲も良かったです
Ⅲは秋
主演の声優さんの去就も気になりますが…
この完成度でいってくれるなら
続きも期待できると思います