劇場公開日 2020年12月25日

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「80プペル」映画 えんとつ町のプペル kossyさんの映画レビュー(感想・評価)

3.080プペル

2021年1月22日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

 ネットで話題となっている“80プペル”という言葉。行われている(ファンの自発的な)マルチ商法が話題となっている。西野サロンU25というサロングループがありキングコングの西野氏が若者を対象にチケットと台本をセットにして、1セット3000円で買ってもらい3500円(任意価格)で他人に売って利益を与えようというもの。そのセットを失業保険24万円で80セットを購入した若者が全く売れずに困っているということから、この80プペルという言葉が生まれたようだ。

 別に法には触れてないようなので、それを非難することはできないが、このコロナ禍で借金をしてまで購入した者もいるらしいので、道義的にどうなんだ?ということで炎上しているサイトもあるようだ。チケット売るのに必死な若者たち、作品そのものよりもどこかの宗教法人のようなチケットの売り方という手法が気になり、スルーのつもりでいたのに興味が出てきました。

 で、実際見てみると、2Dアニメの特徴を生かしたスチームパンクの世界観。ただし、服装が日本風で産業革命を起こしてる雰囲気のアニメ作品でした。ディズニーやスピルバーグ風に味付けした活劇シーンもあり、全体主義的、魔女狩り的なディストピアでもあります。“ゴミ人間”を捕らえよという異端審問会の存在によって恐怖に晒されながら、ルビッチとプペルの友情、そして家族愛みたいな感じでせめてきます。

 結局のところ、ゴミ人間が異端なのではなく、閉ざされた町で希望を持つことや夢を見ることが異端とされ、それは為政者による情報隠蔽によるものだったということか。住民に恐怖を覚えさせて統治するなんてのは今の世の中も同じ。何事も自分の目で確かめないといけないといったメッセージさえ感じさせられました。

 いかんせん2Dアニメの疾走感には限界があり、建物がひしめきあう“えんとつ町”に立体感がないのが難点か。まぁ、『鉄コン筋クリート』を手がけたSTUDIO 4℃なので、かなり浮遊感も感じられましたが、情報量の多い背景画はファンタジーを感じるには至りませんでした。さすがにラストの宇宙空間のような星空だけはとても良かったです。うっとり。

 そして芦田愛菜は天才!伊藤沙莉も最高!藤森慎吾もなかなかやるな~と、声優陣もよかったと思います。これならチケット販売の裏技を使わなくても堂々と勝負できるやん・・・と、変なところからケチがつかないように頑張ってもらいたい。

kossy
よく太る良太さんのコメント
2021年1月24日

80プペルかぁ
ゴミ人間を売るんだぁ
映画同様、最後は無くなるとも知らず…
知らんけど

よく太る良太
アンディぴっとさんのコメント
2021年1月23日

kossyさん、おはよ〜ございます☂️80プペル、知りませんでした💦拍手👏やサクラ以外にもそんな事になってたのか、、、何も知らない状態で観て良かった〜、知っちゃってたらきっと楽しめなかったと思います。ここのレビュー、というか、共感が多い割に、その人たちが他の映画のレビューを書いてないのも、そういう事なんですかね。
別の映画「新感染〜」も何か不思議な現象が、、、私の勘違いかな

アンディぴっと
kazzさんのコメント
2021年1月23日

kossyさん、
相変わらず見事な評論、感服しきりです。
サロン…って、そんなネットワークセールスを展開してたんですか。西野氏の発案なんですかね。映画にそんな商法持ち込んで欲しくないです。
私は、平面を重ねた奥行のない立体感みたいなところが、絵的に気に入りました。
メッセージはあるんでしょうけれど、それを伝えたいというより、こんな台詞だったら泣けるでしょ…みたいな胡散臭さを感じました。
芦田愛菜は本当に天才的ですね。

kazz