「バカにしようと観に行ったが、、、正直良かった」映画 えんとつ町のプペル やまだ山さんの映画レビュー(感想・評価)
バカにしようと観に行ったが、、、正直良かった
キングコング西野さんの映画と聞いて、どうせ押し付けがましく「夢は叶う!」と訴える啓発映画だろと馬鹿にして見に行ったのですが、、、正直に申し上げてかなり良かった。
脚本がかなり良い。わかりやすいストーリーに迷わせることのないシンプルな筋書き。大人でも子供でも満足できる良作だと思った。キャラクターも、善悪それぞれしっかり背景が作られていて深みがある。親子関連のネタでは不覚にも感動してしまった。
「夢は叶う」の押し付けかと思っていたが、案外そんなことなく素直に受け止められた。ここらへんのさじ加減は、西野さんのエンターテイメント感覚のなせる技なのかなと思った。
悪かった点を1つ挙げるとすれば、前半の「間」が悪かったこと。セリフとセリフの間や、シーンとシーンの間がかなり詰められていて、ちゃんと見る人のことを考えているのかな?と疑ってしまう。
おそらく全体的に描きたいことを詰め込みすぎて尺が長くなり、結果前半を駆け足にすることで収めたのであろうけども、あれじゃ見てる側は混乱してしまう。もう少し世界観に浸るための時間を作らないといけないのではないか。
特に動きのあるシーンでは、登場人物や対象物を「寄り」で見せて「寄り」で見せて、一段落したら初めて「引き」を見せるといった映像演出が多く、何が起きているのか、どこで起きているのか、なぜ起きているのかを理解できないままシーンが終わるということが続いてしまっている。ここはStudio 4℃側の問題なのかな?
おそらく脚本のト書きを読めば理解できるのかもしれないが、客は完成された映像と音でしか判断出来ない。もう少し映像で理解させる努力というか工夫をしなければ大ヒットは難しいと思う。
とはいえ、その部分以外はかなり良かった。
平日の昼だったが、それなりに席が埋まっていた。年齢層は20〜40代。年配の方は一人も居なかった。高齢層にもウケる内容ではあると思うので、もっとヒットして欲しい。