「期待を上回る満足度と正義とは?」映画 えんとつ町のプペル kuma1980さんの映画レビュー(感想・評価)
期待を上回る満足度と正義とは?
公開初日を楽しみに待った映画は初めてでした!
西野さんの絵本が好きで、サロンメンバーで制作過程もずっと見守っていて、勝手にドキドキしていましたが、映画が始まるとそうした前触れは関係なく、一気に世界に引き込まれました!
まず、明るく可愛いルビッチと純粋なプペルのやり取りに癒されました。
ルビッチのお父さんブルーノ、鉱山泥棒のスコップも見逃せない!
物語はもちろん、キャラクターの人間味や、映像美も音楽もすべて素晴らしくて、テンポよく、1時間40分は最後まで一瞬でした。
子どもの頃にみた懐かしい物語のような、大人だからこそ胸にジンと染み込むような、不思議な映画でした。一言で言うのなら「グッとくる」映画です!おしまいのあと、拍手が鳴り止みませんでした。
一人ひとりが丁寧に描かれており、鑑賞後に人物の背景やストーリーをもっと知りたくなって、既に2回観に行きました。
2回目は上映後に西野さんトークショーもあり、そちらも映画への熱量を肌で感じて、面白かったです!1日4本、30分ずつトークショーとの事でスゴイなぁ…と思ったら、お正月は1日6本くらい。。(お身体に気をつけてほしいなと思います)
西野さんがずっとオンラインサロンで語られてきた制作陣の本気度が作品から伝わってきて、制作過程から毎日一緒に過ごしたような気持ちもあいまり、これまでの映画とは全然違う新しい楽しみ方ができました。
一点、えんとつ町の由来となったレターお父さんの思想ですが、『L』という腐る通貨については2回目観たあとにずっと考えていました。今の格差社会を産んだひとつの要因は、行き過ぎた資本主義社会や競争社会でもあるなと思うと、Lの仕組みは良いですよね。
でも、外の世界を知らないことを良しとすることへの違和感が、最終的に自由を奪われて希望を持つことを諦めることになった。
では、開かれた社会になって中央銀行に見つかって、Lが廃止されたら、えんとつ町はどうなるのだろうか、新しい問題が生まれないかな、、などと、延々と考えています。
レター一族の正義と、ブルーノの信じ抜く正義とがぶつかりますが、どちらが正しい悪いという事ではないのだろうと思います。
西野さん、制作陣の皆様、丁寧に素敵な作品を本当にありがとうございました!
2020年はみんな大変な1年になりましたが、そんな年に出来たこの映画は、未来への希望を感じて観たあとにも心に残ります。
子どもとも大人とも、大切な人と一緒にまた観たいです。