劇場公開日 2020年12月25日

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「芸人の域は超えても、プロの域は超えられない」映画 えんとつ町のプペル とまさんさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0芸人の域は超えても、プロの域は超えられない

2020年12月27日
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知的

西野さんのことは普段から拝見していて、YouTubeや著書数冊、原作も読んだことがありました。
その中でもとても力が入っているようで、気になったので観劇しました。

そんなにわかファンとしての第一印象は、芸人の域は超えている、ということです。
作品のイラストやアニメーション、音楽一つ一つの完成度は、素晴らしいものでした。

しかし、残念ながら映画全体での間の取り方と展開は退屈に感じてしまうものでした。
特に前半のHYDEさんの曲に合わせたダンスシーン、途中何回かあるミュージカル的な演出は、何か事情があるのか?と感じるくらい尺が長く、映画の世界観と合っていないのが残念でした。

また、同じ台詞が何度も使われていて、演出が一辺倒なように思いました。
一つのメッセージを、ストレートな言葉にするのではなく、色々なカットや表情などの演出から人に伝えるというのが映画の醍醐味です。
そうした面白味は感じられなかったです。

この映画のメッセージ的なことは、西野さんのYouTubeやWinWinWiiinを見ていれば理解できている人が多いはずです。わざわざお金をかけてまで映画館に行く必要はないとおもいます。

それでも西野さんが映画化したのは、この映画の先にある美術館を建てるために資金が必要で、だから映画に合っていない音楽でも使う、といったところかと想像してしまいました。

皮肉っぽくなってしまいましたが、最初にも述べたように一芸人の方がこのような大規模な映画を制作したことは素晴らしいことですし、人脈がなければできないことです。
とても勉強になる映画でした。

ポー