劇場公開日 2020年12月25日

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「美しい描写と温かなストーリー」映画 えんとつ町のプペル bunmei21さんの映画レビュー(感想・評価)

4.5美しい描写と温かなストーリー

2020年12月26日
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鑑賞方法:映画館

この絵本を知ったのは、2年前くらいかな…。キンコンの西野亮廣が描いたと知って驚きました。水性絵の具の淡い色彩が、とても美しく、絵本としてのストーリー性も高く、ひと目見て気に入りました。本作では、脚本や製作総指揮も担当し、すっかり文化人の仲間入り。

映画化して、あの色彩が描けるのか疑問でしたが、えんとつ町の風景は絵本同様のクオリティーの高さでした。プペルやルビッチの描写はアニメ化され、絵本の細部に渡る描き方には敵わなかった。しかし、全体的には、期待を裏切ることない美しい仕上がり。

ストーリーも、映画化用に絵本とは違う結末。起承転結をハッキリさせ、劇的なフィナーレへと結びつく新たな仕掛けと涙を誘う感動的なエンディングが用意されており、アニメらしい盛り上がりのある展開となっていた。

鬼滅が大ヒットしているが、正直、この作品こそ、子供から大人まで観て欲しい作品と言える。全ての心の声を感動的に言葉にする鬼滅に対して、本作は台詞のタメがあり、間があり、観る者に行間のイメージを膨らませるゆとりを感じた。ハロウィンがテーマにはなっているが、この年末年始にファミリーで観るには相応しい内容。

プペルの窪田正孝くん、ルビッチの芦田愛菜さん、大変上手で、ホントの声優さんのようで、それぞれのキャラにピッタリで素晴らしかった。

bunmei21