今宵、212号室でのレビュー・感想・評価
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浮気をめぐる珍奇なファンタジーと思いきや。
夫に浮気がバレた妻。しかも問い詰めてみたら、浮気の数が尋常じゃない超常習犯だった! 冒頭のツカミに思わず笑ってしまう。やがて物語は夢うつつの世界に迷い込み、会いたい人、会いたくない人がのべつまくなしに乱入してくる。演劇的といえば演劇的だし、空間と時間の広がりは映画的でもある。
形としては古典的なドタバタ喜劇だと思うのだが、妻も夫も、最初の印象以上に「夫婦」という関係を信じていることがわかってくる。世間一般的な「いい夫婦」ではないが、明らかに他人には伺い知れない結びつきがあるのだ。
「理想の夫婦」「夫婦があるべき姿」なんてものが幻想なのはわかっているつもりだが、この夫婦のあり方にしみじみと共感するのは難しい。しかし、人生の点描を交えて語られることで、この二人にはアリなのだろうと納得させられるものがあった。大きなことを学んで改心するのではなく、やはり不器用なまま言葉を交わすラストシーンの夫婦の姿がとてもよかった。
伝統的な男女の会話劇を興味深い見せ方と空間性で紡ぐ
妻が夫に内緒で長らく続けてきた情事。それを今改めてつまびらかにしたとしても、私たち夫婦には長年の信頼があるんだから別に問題ないでしょ?と言われても、夫は夫で易々と納得できないわけで、結局彼らは一晩の熟慮期間へ突入するのだが・・・。かくもフランス映画らしいといえば非常に「らしい」本作。よくありがちな男女の会話劇として形作ることも可能だったろうが、しかしオノレ監督は二人が暮らした部屋と、それを向かい側から客観的に覗きみることができるホテルの一室を用いることで、そこに不可思議な空間性を出現させる。さらに時間や空間を超えてゆかりある人々が部屋を訪ねてくることによって、人間関係がファンタジックに可視化され、物語が「横へ」の広がりを持って、ユニークに紡ぎあげられていく。二部屋に挟まれた通りにはなぜか映画館が。この国では、人と人が愛を育む媒介として映画が欠かせないのだと暗に示しているようにも感じられた。
【夫が居ても、色んな人とジュ・テーム・・。時を越えて、ジュ・テーム・・。おフランス映画の、ぶっ飛んだ珍作だけれども、面白かったよ!。】
ー マリア(キアラ・マストロヤンニ:今作でカンヌ国際映画祭ある視点部門最優秀賞受賞!父は、マルチェロ・マストロヤンニ。母は、カトリーヌ・ドヌーブ。凄いなあ・・。)と、 リシェール(パンジャマン・ビオレ:フレンチ・ポップスの名プロデューサー)は結婚20年。子供はいない。 教授である、マリアは教え子と浮気・・。それが夫にバレて・・。ー ◆感想 ・ぶっ飛んだ、凄い映画である・・。 だって、マリアが浮気がバレて逃げ込んだ家の向かいのホテルの212号室にいきなり現れた若きリシェール(期待のヴァンサン・ラコスト)と関係を持っちゃうし・・、マリアの過去の浮気相手がゾロゾロ出てくるし・・。 ー 何人と不倫しているんだ!マリア!ー ・リシェールが且つて恋心を抱き、関係を持っていたピアノ教師イレーヌ(カミーユ・コッタン)が、若い姿のまま現れて、独り悶々とする現在のリシェールの部屋に現れるは・・。 ・25歳と50歳のリシェールが、お互いにイロイロと結婚とはについて、話すは・・。 ・そして、何故か全然似ていない、”シャルル・アズナブール”まで現れるし・・。 <昔の恋の思い出たちが、ホテルの212号室に大集合!エロティックで、幻想的で、クスクス笑える狂騒の夜が始まった・・。 翌朝、マリアとリシェールが、お互いの”部屋”から出て来て、普通に”今夜は帰って来るのかい?””ええ、予定はないから・・”と言って別れる姿も、うーん・・、おフランス・・、と思ってしまった作品。いやあ、イロイロと凄かったなあ・・>
妻が浮気をして怒る旦那に対し、「長く夫婦関係を続けるための秘訣だし...
妻が浮気をして怒る旦那に対し、「長く夫婦関係を続けるための秘訣だし、昨日で終わったことだからいいでしょ」と平然と言い放つ妻にとてつもない違和感がある。 気分転換にホテルに泊まった妻だが、昔の男が10人くらい現れたり、旦那の元カノが登場したり、若かりし頃の旦那が現れたりと何とも荒唐無稽。 最終的に夫婦仲はかろうじてつながったようなエンディングだが、心温まるような感じでもなく、もやもやした気分になった。
キアラ・マストロヤンニ
教員をしている主人公(キアラ・マストロヤンニ)は浮気を繰り返してきたが、夫にバレてしまう。 喧嘩をした主人公は自宅アパートの向かいのホテルに部屋を取る。 部屋にやってきたのが20年前の夫、更には夫の初恋の女性や、浮気の遍歴相手など部屋はてんやわんや。 キアラ・マストロヤンニの魅力全開に加え、キャロル・ブーケも登場する。
不可思議なファンタジーに便乗したコメディ
どうでも良さそうな作品でしたが、 若返った自分や旦那が出てきて、なんとも言えない不可思議なファンタジー展開と、 それに便乗したコメディに釣られてラストまで。
倦怠期の夫婦のへんてこなドタバタ喜劇
劇場で観ようかな、と思って見逃がしていた作品。 キアラ・マストロヤンニ演じるモテモテの妻と、ちょっとだけホリエモン似のいちずな夫。キアラ・マストロヤンニはお父様と瓜二つの男前な顔立ちですね。 カメラワークや演出が演劇チックで、演劇にして見たらおもしろそうだと思いました。また、「昔の女」役で出ていたとうがらし鼻の女優さん、ざんぎりボブヘアが似合っていて、最後の弾き語りもアンニュイで素敵でした。 また、60~70年代のアパートやホテルのインテリアがおしゃれで観察してしまいます。いつも思うのですが、イタリア人の家の室内は、生活臭があるものを隠し、まるで美術館のように美しく整えられているけれど、フランス人のアパートの室内は、ちょっと雑然としていて生活感があって、でもそれがリラックス感や住んでいる人の個性を映し出しています。 長年連れ添った50代~60代のご夫婦が、週末の夜、お酒でも飲みながらゆっくり鑑賞するのにぴったりの映画ではないでしょうか。
守備一貫して香るラテンのエスプリが効いた明け透けな痴話喧嘩を巡るいかにもフレンチテイストのビターなドラマ
パリのアパルトマンに暮らすマリアとリシャールは結婚20年を迎えた夫婦。ある日マリアが若い男と浮気していることがリシャールにバレてしまいたちまち修羅場に。とりあえずお互い距離を置こうとマリアはアパルトマンの向かいにある古いホテルの一室、212号室に宿を取るが、その部屋に突然訪ねてきたのは20年前の姿で現れたリシャールだった・・・からのいかにもフレンチテイストのビターなドラマ。 過去と現在が渾然となり奇妙な来客が次々に現れて引っ掻き回す不思議なドラマの中で自由奔放に人生を楽しむマリアが密かに重ねていた情事の数々が暴かれていくにつれて、マリアとリシャールが胸に抱えていた苦悩や後悔も露わになっていき、しっとりしたトーンを伴って訪れず静かな結末まで延々と持続するしっとりとしたラテンが香るエスプリが印象的でした。
浮気し放題の妻
結婚20年、その間10数人とセックスしまくりの妻。それがわかっても離婚したくないという夫。子供も居ないのに、何という夫婦なんだろう?これがフランスなのかな?勉強にはなったが共感は出来なかった。
こんなビッチ、イヤだよ俺。
それで終わるかも。フランス人が作る愛とセックスもの。やっぱり俺、「あの一帯の人々の高尚なコメディ」は苦手です。 設定の面白さと、映画としての質には文句ないけれど。一ミリも共感出来ないお話と、逝ってる人が描いた舞台演劇調の展開は、正直辛かった。
男女が逆転
ひと昔前だったら、マリアとリシャールは逆の立場で設定されていましたよね。浮気しまくりな大学教授の男性と若い時に年上の男と付き合っていた女性として。この男女の設定が逆転したところと、現在のイレーヌが女性パートナーと幸せに暮らしていたところがとても今っぽくてナイスでした。あと、イレーヌの海辺のシーンも良かった。仮に今が不幸だとしても未来は明るいのよと励まされた気がしたので。
近くからではなく遠くからだと、キアラ・マストロヤンニはカトリーヌ・ドヌーブに似てますね。
なんという大人の映画!
最初から最後までフランスのお洒落な雰囲気が出ているのが印象的な作品。 オープニングの曲が流れてくるところは往年のセントラルアーツ作品を思わせるかっこ良さがあった。 男と女、夫婦関係というある意味普遍的なテーマと、独自の演出の融合により、個性的なのに観やすくて私は楽しめた。 でも日本人が作ったら世にも奇妙な物語になったかもねー。
愛と性生活のドタバタ喜劇が楽しめる
食生活ほどではないが、性生活も人生の大きな部分を占めている。食欲がまったくないと個体の生命維持が危うくなるし、性欲がまったくないと自己複製をするシステムとしての生命の種の保存が危うくなる。食欲が差し迫った自己の生命維持に不可欠なものであるのに対して、性欲は次の世代の生命を誕生させるために不可欠なものなので、食欲ほど逼迫しておらず、禁欲しても命に別条はない。仏教やキリスト教の一部の宗派で性交を禁ずるのは禁じても死なないからである。 フランスは性欲に寛容な国である。浮気が日本みたいに責められたり断罪されたりすることはない。そもそも浮気はモラル(倫理)に反する行為ではないとしているから、日本みたいに不倫という言葉を当てることさえ間違いとなっている。日本での使い分けは、結婚している人の場合を不倫、していない人については浮気としているように思われる。 食欲についてはイスラム教徒以外はかなり自由であり、何を食べても責められることはない。自分は和食しか食べないと決めてずっと和食ばかり食べている人もいるかもしれないが、たまには中華や洋食やジャンクフードなんかを食べたくなる。中には昆虫を食べる人もいる。性欲についてもあまり変わりはない。ときには違う相手としてみたいと思うのは万人に共通だと思う。 フランスは女性の性欲が社会的にちゃんと認められていて、男女ともに快楽を追求する権利を有している。フランス料理で美味しいものを追求するとともに、より快楽の深いセックスも追求するのだ。その点、日本の女性は不幸である。ごく一部の女性を除いて、たくさんの相手と性交する機会に巡り逢えない。一度もオルガスムスを知らないままの女性もかなりいるのではないかと推測される。 姦通罪は封建主義的な世界観が生んだ悪法である。日本で女性だけに適用されたことについても、男女不平等の封建主義の悪しき世界観が見える。いまは一部の地域や国を除いて、姦通罪はない。浮気に刑法は適用されないのである。それは人権の尊重という考え方の広まりと同時に、人間の性生活の本質についての理解が進んだためである。人は浮気をする動物なのだ。浮気をした相手に暴力を振るうと、暴行罪や傷害罪で裁かれることになる。この点については法律のほうが進んでいる。 本作品はマルチェロ・マストロヤンニとカトリーヌ・ドヌーヴの娘であるキアラ・マストロヤンニが主演した、性生活と愛についての考察ともいうべき映画である。浮気をする妻としない夫。快楽を旺盛に追求する妻とEDの夫。互いを解り合い、許し合ってともに年老いていくためには、どんな努力をすればいいのか。 212号室には自身の過去と夫の過去が人の形をして押し寄せる。過去は過去だが、現在から見れば過去には後悔があり、諦めがある。しかし夫は、愛とは過去の記憶の集まりだと言う。哲学的な言葉なので簡単に理解するのは困難だが、フランスらしく愛の定義も人さまざまに許される。日本では「これも愛、あれも愛 ♪」という歌があった(ドラマ「水中花」より主題歌「愛の水中花」作詞:五木寛之、作曲:小松原まさし、歌唱:松坂慶子)。 ドラマとしてはスラップスティック(ドタバタ喜劇)だが、哲学の国らしい人生観があり、世界観がある。ドアが勝手に動いたり、天井からの視点になったり、突然海辺を歩いていたりと、時間と空間を自由に飛び越えて、愛と性生活の真実を見せようとするところは、なかなか面白い演出だ。とても楽しめる作品である。
夢オチってこと?
良いように言えば大人向けのファンタジー?誰も自分が予想したような人生を送るわけではないけど、それは決して失望するものでもない、ということかな。ヌードが多いのも大人向けか。 次々と過去の人物がホテルのワンフロアに集合し、観客は置いてけぼり?一つには、個人の主観だが25年前の夫を演じる俳優が今ひとつ魅力に欠けるという点が話に入り込めない原因になっているかも。キャスティングは重要。プラス何より、主人公の女性の奔放さに共感出来ずに終わってしまった。 キアラ・マストロヤンニを、父親と母親の顔が上手くブレンドされているもんだと思いながら見ていた。
#41 大人の男女の物語
若い男と沢山浮気をしてきたのに、ダンナにバレたら開き直る女。
こうなってしまった自分の気持ちを人間や火事で比喩的に表現しているのが面白い。
私が1番好きな場面は、ダンナの昔の恋人が彼の気持ちを知って去って行く場面。
外は白い雪が降っているのに、部屋には黒い燃えかすが降るのがなんとも言えない。
大人に見てほしい一本。
フランスを味わえる作品
語り口も、街並みも、フランスを楽しめる作品だと思います。 内容は何とも、自分の失態を言いくるめるような、結局のところなに?っていうストーリーですが、すべてがフランス人らしいおシャな映像。 何かが心に残ったわけではないけれど、早くホントのフランスに行きたいな〜と思わせてくれました。
Could it be magic のピアノの弾き語りがグッと来ちゃいました
男はつらいよ全編夢落ちみたいなフランス映画でしたが、ちょっと前衛的な演劇の映像化みたいなノスタルジアに溢れて、実にフランスらしい。日本人にはちょっと作れないだろうと思った。 実際にはあり得ない独白の応酬が途中までは実に良かった。母親、祖母まで出して来て、マリアのビッチぶりをあからさまにするあたりはコメディ。 結婚は仕事と同じように忍耐が必要だという予告編のくだりはあまりおもしろくはありませんでしたが、リュシャールのマリアへの執着は肉体至上主義的な欧州人の哲学を感じずにはいられませんでした。マリアは場数を踏んでるし、カラダを維持しているし、床上手なんですかね~。私はマリア役のキアラさんはちょっとごめんなさいでした。 あなたは主役は誰だと思いますか? 血統証付きの大女優のマリア(キアラ・マストロヤンニ)ですか? キアラの元夫でもあるミュージシャンのバンジャマン・ビオレですか?アマンダと僕のバンサン・ラコストですか? 私はイレーヌだと思いました。終盤、バーのピアノの弾き語りで Could it be Magic を歌うイレーヌは声は良くないし、声量もないけど、やるせない感じがスゴくて、セクシーでした。周りの男どものはみんな骨を抜かれていました。もちろん、私も骨抜きになりました。 さて、R15+のこの映画、一番R15+なのはどの場面でしたか?アマンダの僕のお尻のよく見える対面側位の場面でしたか? 私はいたいけな中学生を自宅に迎え入れ、シャワーを浴びさせたあと、腰タオル一丁でピアノを弾かせるシーンだと思います。大人の女のヤラしさ全開でした。イレーヌ役のカミーユ・コッタンいいおんなだなぁ❗ オイラもピアノが弾ける神童に生まれ変わって、綺麗な先生にアタックして、22、3歳になるまでレッスンされたい。イレーヌは本気だったけど、自分から身を引いて、レスビアンになっちゃって、とうとう結婚もせず、しかし、子供は欲しかっただと思いますね。大人だなぁ。年取った設定の役の女優さん(キャロル・ブーケ)も綺麗な人でしたね。なかなか面白い映画でした。楽曲も全体におしゃれでした。リュシャールが若い頃の自分と連弾して楽しそうな場面は男の本質的なところを良く描いていたと思いました。ちょっと甘いかもしれないけど、独創的で、役者さんも素晴らしいので、4.5点あげてもバチは当たらないでしょう。
グダグダなストーリー
最初は期待できる展開と思ってたら徐々にグダグダ。 いろいろ深読みも出来そうですが入り込めませんでした。 主役女優さんは魅力的でしたがそれだけ。 ウディアレン好きな方は大丈夫かも。 私は微妙でした。
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