「父の時計」ストレイ 悲しみの化身 KinAさんの映画レビュー(感想・評価)
父の時計
愛する息子を失った夫婦が手に入れた、謎の問題児。
その子は天使か悪魔か…なんて考える間もなく、完全にただの鬼畜だけどね!!!
喪失感につけ入る所業と果てしない不気味さに恐れ慄きつつも、その子の存在意義をたしかに実感してしまった。
側から見れば異常な状況。
しかし冷静になれないその気持ち、縋ってしまう気持ちもわかるじゃない。
夫婦の間でその子に対するスタンスがだんだん逆転していくのが面白い。
身篭って満たされていく母親、どんどん「息子」に依存していく父親。
エスカレートする「息子」のイタズラがスリリングで堪らない。家族って良いねえ。
全体的にダラッとしたテンポ感は否めないけれど、常に危うくギリギリの空気が気持ち良く、飽きずに観られた。
サイコスリラーとダークファンタジーを掛け合わせたようなストーリーも興味深い。
そしてまた至高のラストカットに出会えた。
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