恐竜が教えてくれたことのレビュー・感想・評価
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好奇心の塊みたいなコックローチボーイ
家族でひと夏のヴァカンスを過ごす間に、こんなにも多くの経験ができるなんて!
一週間のはじめから、帰るまでの毎日がとても丁寧に描かれていて、死とか、家族とか、友情とか、孤独とか、愛とか…テーマは盛りださんだけれども、少年の目を通して、きちんと描かれていています。
何より好感が持てたのが、この少年がいろんな人との出会いを繋げていくところ。
子どものピュアな気持ちは、人を素直にさせるのかな。
邦題、残念(笑)
サムとテスの思い出とか(陳腐だね)ほかになかったかな。
孤島に一人とか、地球脱出とかじゃなくて、最後の恐竜に思いを馳せるあたり、ニクイなあ〜と思いました。
人を思いやるセリフが、ホンワカした気持ちにさせてくれます。
ヒレおじいさんの言葉に涙
映像が美しく、海や空のコントラスト、描写が絵画を観ているようだった。
そして、主人公が過ごしたSummer vacationは驚くほど濃く、長く、彼の今後の人生に深く影響を与えたに違いない。
11歳って思春期に入るか入らないかの微妙なライン、女の子との甘酸っぱい恋、人生ってなんだろうと考えたり、自分を確立しようとする時期で、そんな彼が過ごした7日間は宝石のようにキラキラしていた。
個人的にこの作品の一番大事な部分はヒレおじいさんとの対話のシーン。この言葉を聞き、思わず涙が流れた。
映像美、詩的な言葉、音楽、映画は総合芸術。だからやめられない。
恐竜の声を探して
自分も主人公と同じ勘違いをしていました。
なので、騙されたぁ〜って楽しくなりました。
1人になることしか考えてなかった主人公がみんなと楽しむことを大事にするように成長して行く物語。
stay homeを終えて第1段の映画。
幸せな映画でした。
84分に凝縮された思い出の共有
バカンスで島に来た少年がそこに住む人たちとの交流から生きるという喜びを知るお話。
84分という映画としては短いなかで、話の展開が早いわけでもないのにとても濃く、良い意味でお腹いっぱいになる映画です。
タイトルにある恐竜は、「地球上の最後の恐竜は自分が最後って分かっていたのかな?」という主人公の疑問からのもので、恐竜が出てくるわけではありません。
子どもの頃、僕も主人公のように死んだらどうなるんだろう、とか考えて勝手に悲しくなってました。そんなことを一度は考えたことのある人は主人公に共感できるかもしれません。
主人公が出会う女の子テスが可愛らしい。少し破天荒な感じですが、思春期だし納得できる理由もあるし、フランス映画によく出てくるような高慢な女性とは違い、感情移入もできます。
ラストは一体どうなるの?と不安でしたが、予想以上に良いオチでした。ひと夏の恋なのか、今後も続く恋なのかは分かりませんが、人と人は短い時間でも思い出を共有することに意味があると教えてくれます。
誰もが幸せになるような素敵な映画を、是非この機会に劇場でご覧ください。
一歩手前
71本目。
夏休みに子供に見てもらいたい作品なのかなと思ってたたら、こりゃ見せられない所がある。
火口のふたりを観た後だから、路地に入っていた時、ドキドキしてしまう。
でも子供時分を思い出すと、俺にもあったか、なかったか。
甘酸っぱさの一歩手前かな。
楽しくも大人だからこそ、胸にキュンと来る良質な作品です。
昨今のコロナの影響で平日のレイトショーは規制、週末の映画館は軒並み休館と観る機会と作品数がかなり限られる中、以前から気にはなっていた作品で観賞可能だったので観賞しました。
で、感想はと言うと、良いっスね♪
良質なボーイ・ミーツ・ガールな作品。
ファンタスティコ!
子供が思う素朴な疑問は真理であり、それを哲学や文学の香りを漂わせつつも小難しくせず、一夏の淡い思い出の様な青春作品に仕上げてます。
タイトルにもなってる恐竜は全く出てきませんがw、児童文学らしいタイトル。
加えて、本来ならデリケートかつ重くなりがちな事を子供目線で純粋かつ正面からストレートに取り組んでいるのが心地好い。
「スタンド・バイ・ミー」の様な感じもするし、なんとなく個人的には今から30年近く前作品でジョディ・フォスター主演の「君がいた夏」を思い出しました。
主人公のトムがいろんな事を知識として蓄えながらも、素朴に疑問として思う事が清々しい。
変と言えば変だけど、分かってないのに分かった様に振る舞う頭でっかちな大人には無い素直さが良いんですよね。
ヒロインのテスはちょっとこしゃくれて、おませな感じでちょっとワガママ。でも根は良い子。
そんなサムとテスの一夏の物語ですが、出てくる人物達も良い奴ばっかり。それがまた良いんですよね。
少しくらい悪い奴がいて、嫌な事件が起こる事で起伏が生まれて、物語が進展すると言う事もあるけど、それをやらないのも良い。
心地好さが染み入ります。
個人的には海辺の近くに一人で暮らしているヒレが良いアクセントになってます。
家族との夏の旅行先で出会ったに起こった、たった1週間の出来事ですが、サムにはキラキラとしたずっと忘れる事のない体験でこんな素敵な事に出会えるなんてちょっと羨ましい。
少年時代の思い出は尊くも淡く甘酸っぱい感じですが、それをスクリーンを通して感じさせてくれます。
子供が観てもとても良い作品かと思いますが、大人だからこそ、胸に来る物があるんではないかとも思います。
良質のお茶をゆっくりと時間をかけて飲み、その一時を楽しむ様な作品です。
コロナの影響で観る機会が少ないのが残念ですが、機会がありましたら是非♪
みずみずしい。
恐竜はつかみ程度だけど、少年のひと夏のみずみずしい体験が心地よい。子供の気持ちや大人の立場とかいろいろあるけれど子供は子供でいろいろ考えなやんでんだな、と。皆、それぞれで幸せなら最高。
思い出の数だけ人は大きくなる
とてもハートフルな作品だった。児童文学作品なだけあって子供から大人まで幅広い年齢の人の心を掴む作品ではないかと感じた。
主人公の少年サムは家族とバカンスでオランダの島で過ごす事になった。
そこでサムは島に住むテスに恋をする。テスは生き別れた父を、自分の存在を隠し島に迎える。そこでテスは父との関係修復の為に動き出す。サムもまた彼女のために協力する。
サムもテスも家庭環境は違えど日頃は人との関わりから離れて孤立した生活を送っていた。
その事もあってか中々テスと父との修復にうまくいかない。深く関わろうと積極的に働きかければ返って自分が傷ついてしまう結果となってしまう。
サムもテスも一人で過ごす事こそが幸せなんだと諦めかけた時サムは海で命を落とす事故に遭遇しかけるも、島に住む老人に助けて貰う。
そしてサムは彼から大切な思い出こそ一生の幸せなんだと学ぶ。
最後はテスも父との関係が修復し、サムもまた家族との愛を理解し、みんなの思い出が一つとなる形で終わった。
シンプルな描写が続くがシンプルだからこそ見やすく心打たれる作品は過去にたくさんある。この作品もまたそのような作品の一つだったと思う。
現代社会は便利が故に人と関わりがなく孤立した生活を送っていても欲求を満たされることは大いにあると思う。
誰もが人との関わりは幸せな事だと分かっていても誤った人や誤った関わり方をすれば相手を傷つけ、それ以上に自分が傷つく事もある。
またこの先、形とならない関係は無駄と決め付け関わりを絶ってしまう選択をする事もあるのではないか。
この作品を見ていると、傷つくことを恐れて幸福を逃すのはとても不幸な事なんだ。
たとえこの先、交じり合う相手じゃなかったにしても、その時の思い出は頭に、心に一生残り人を大きくしてくれる大切なアイテムなんだと改めて感じさせてくれる。
サムもテスも父との関係を修復した事によって大きく成長し、一生の思い出となりこれからの彼らの人生を豊かにする一つの要素となったに違いない。
同時にもしも彼らが最後テスの父との関係修復から逃げた選択をすれば、逆にこれからの彼らの人生のトラウマとなり、大事な選択を迫られた際に臆病となり貧しい人生を送る悪い要素になりかねていたかもしれない。
一つの出来事が選択によって真逆の結果になりかねない。だからこそ失敗を恐れるのではなく幸せを掴みにいくことが大切なんだと強いメッセージを受け取ることができた。
自分に置き換えても孤独を感じる事はまだそこまで多くはないが、年々人との交友関係は狭くなってはいる。
そこにはなるべく有益な、そしてこの先形に残る相手としか関わろうとしなくなってきてるのであろう。
上にも書いた通り目先の事に捉われず、今を、そして一瞬一瞬を大切にし、沢山の大切な思い出を残す事が人を成長させてくれるんだと。その思い出の数だけ人は大きくなっていくんだ。そんな事を感じながら温かい気持ちで劇場を後にする事ができた。
ファンタスティコ!
オランダ北部のテルスヘリング島に家族と共に1週間のバカンスでやって来た11歳の少年サムが島で母親と2人で暮らす12歳の少女テス出会い巻き起こる話。
ゴキブリの蘊蓄を語ったり、最後の恐竜がどうとか語ったりする変わり者と呼ばれるサム君が、気まぐれお天気ガールのテスちゃんに振り回される話?かと思ったら、テスは秘密を抱えていて…というストーリーで、それを中心に展開していく。
ただの友情か恋愛感情からなのか!?シミをつけるなよとかチャチャを入れられつつも、子供なりにガンバルサム君。
といってもサムもテスも感情は子供でもかなり賢いし空気読めちゃうけど。
母ちゃんは見せ場がなかったものの、脇を固める父ちゃんも結構男前な性格だし、ヒューホも勿論、何よりエリーセも格好良い!
ちょっとみんないい人過ぎる中で、結構ヘビーな内容をさらっとみせる青春物語で、ムズ痒さと爽やかが心地良かった。
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