「楽しくも大人だからこそ、胸にキュンと来る良質な作品です。」恐竜が教えてくれたこと マツマルさんの映画レビュー(感想・評価)
楽しくも大人だからこそ、胸にキュンと来る良質な作品です。
昨今のコロナの影響で平日のレイトショーは規制、週末の映画館は軒並み休館と観る機会と作品数がかなり限られる中、以前から気にはなっていた作品で観賞可能だったので観賞しました。
で、感想はと言うと、良いっスね♪
良質なボーイ・ミーツ・ガールな作品。
ファンタスティコ!
子供が思う素朴な疑問は真理であり、それを哲学や文学の香りを漂わせつつも小難しくせず、一夏の淡い思い出の様な青春作品に仕上げてます。
タイトルにもなってる恐竜は全く出てきませんがw、児童文学らしいタイトル。
加えて、本来ならデリケートかつ重くなりがちな事を子供目線で純粋かつ正面からストレートに取り組んでいるのが心地好い。
「スタンド・バイ・ミー」の様な感じもするし、なんとなく個人的には今から30年近く前作品でジョディ・フォスター主演の「君がいた夏」を思い出しました。
主人公のトムがいろんな事を知識として蓄えながらも、素朴に疑問として思う事が清々しい。
変と言えば変だけど、分かってないのに分かった様に振る舞う頭でっかちな大人には無い素直さが良いんですよね。
ヒロインのテスはちょっとこしゃくれて、おませな感じでちょっとワガママ。でも根は良い子。
そんなサムとテスの一夏の物語ですが、出てくる人物達も良い奴ばっかり。それがまた良いんですよね。
少しくらい悪い奴がいて、嫌な事件が起こる事で起伏が生まれて、物語が進展すると言う事もあるけど、それをやらないのも良い。
心地好さが染み入ります。
個人的には海辺の近くに一人で暮らしているヒレが良いアクセントになってます。
家族との夏の旅行先で出会ったに起こった、たった1週間の出来事ですが、サムにはキラキラとしたずっと忘れる事のない体験でこんな素敵な事に出会えるなんてちょっと羨ましい。
少年時代の思い出は尊くも淡く甘酸っぱい感じですが、それをスクリーンを通して感じさせてくれます。
子供が観てもとても良い作品かと思いますが、大人だからこそ、胸に来る物があるんではないかとも思います。
良質のお茶をゆっくりと時間をかけて飲み、その一時を楽しむ様な作品です。
コロナの影響で観る機会が少ないのが残念ですが、機会がありましたら是非♪