「魅力あふれる小品だが、邦題が惜しい」恐竜が教えてくれたこと AuVisさんの映画レビュー(感想・評価)
魅力あふれる小品だが、邦題が惜しい
ボーイ・ミーツ・ガール、少年少女の成長譚、生き別れの親に会いたい子の思い、といった共感しやすい主題や要素が詰まった佳作。主人公のサムが大人びた多感な少年で、最後の恐竜の死や孤独を想像するとのエピソードから邦題の「恐竜」が選ばれたのだろうが、正直、作品の魅力を伝えているとは言いがたい。原作小説の邦題は「ぼくとテスの秘密の七日間」で、こちらの方がまだ内容に近い。
サム役とテス役の子役2人はともに愛らしくキュートで、状況は大きく違えど「ジョジョ・ラビット」の主人公ジョジョとユダヤ人少女の関係性と似ている。初めて恋を知る10歳前から10代前半の頃は、少し年上の女子に振り回される男子に淡い恋心が芽生えるという流れが自然なのかも。
ロケ地になったオランダの小さな島はおとぎ話のように美しく、2人を取り巻く大人たちも個性はそれぞれあれど一様に優しい。シンプルではあるが、心が温まり癒される一本。
コメントする