「ダークヒーロー…いや本物のヒーローだ」ひとくず きのこさんの映画レビュー(感想・評価)
ダークヒーロー…いや本物のヒーローだ
凄い映画だった
この物語は空巣カネマサが〝仕事先〟で育児放棄された少女マリと出会うところから始まる
この映画には児童虐待が描かれている
序盤から子供の甲高い叫び声が続くのが不快でさらに登場人物はほとんど口汚く罵り合う。
幸せに育てられた(と思っている)私はとんでもない映画に入ってしまったと思った
だけどカネマサは一貫してマリだけには優しい
なんの縁もなく偶然出会っただけなのに
カネマサはマリを救うことで過去の自分を救いたいのだと思った。よくある話だ
だけど途中からカネマサは本当にマリの幸せを考えているように感じた。
虐待は連鎖すると聞く
マリの母親も虐待を受けていたような描写があった
だからどうやって子供に接していいのかわからないと
だけどカネマサは自らも虐待を受けていたはずなのに連鎖を止めてマリを救おうとする
強い人間だ
今の世の中アニメや映画にはかっちょいいヒーローが溢れているがそれらに負けないくらいカネマサはかっこよくみえた
犯罪者なんだからダーク系なんだろうけどマリには本物のヒーローに見えたことだろう
自分が苦しい時に他人に優しくなれる人間は強い
ラストでもカネマサはマリを思いやった
罰を受けるのは当たり前なんだけど
『そんなのってないよ』と思った
こんなにもせつない『誕生日おめでとう』はない
あの場面では不覚にも涙が溢れしゃくりあげるのを堪えるのがやっとだった
凄い映画だった
最近の映画じゃないけど先日から近所で公開されました
観てよかったです
最後に一言
エンドロールが始まっても席は立たないで!
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