「ずっと心の中で反芻している」ひとくず 白波さんの映画レビュー(感想・評価)
ずっと心の中で反芻している
児童虐待がテーマのとても重い作品。
虐待に繋がる負の連鎖を、じっくりと見せつけられるのが本当に苦しかった。
しかしその連鎖を断ち切ろうと、どうしたら?ともがいていく様に心を奪われます。
愛された事がないから愛し方がわからない。誕生日を祝ってあげたいエピソードなど、なんて寂しいのだろうか。
この作品は虐待される子どもだけでなく、虐待をする大人側にもアプローチしている所に深みを感じました。
メイン三人の演技が実に生々しく、特に子役の小南希良梨は本当に素晴らしかった。
歌やメイクにギラっとした色味等、どこか昭和の匂いがする世界も物語にマッチしていたと思う。
演出や小物などもリアリティがあり、音が荒かったのも狙っているのだろう。
物語の締めくくりは最初予想していたものと違い、それが何だかとても嬉しかった。
正直子を持つ親が観るとかなり辛いです、でも絶対観てほしいとも思うんですね。
私は終始震えるように涙しながら、絶対目をそらすまいと観ていました。
上映館が少ないのが残念ですが、できるだけ多くの人の目に触れる事を願ってます。
今でもずっと心の中で反芻している、本当に素晴らしい作品でした。
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