劇場公開日 2020年2月29日

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「重過ぎる紛争のリアル。一本の映画としては…?」娘は戦場で生まれた 克晴さんの映画レビュー(感想・評価)

3.0重過ぎる紛争のリアル。一本の映画としては…?

2020年3月6日
iPhoneアプリから投稿

内戦の只中で何が起き、何が生まれ何が消えていくのか。
爆撃音の中でもジョークを飛ばす住人たちは、強いのか麻痺してしまってるだけなのか。
苛烈な内戦のど真ん中が舞台なだけに、数ある戦争ドキュメンタリーの中でも衝撃度は凄まじいです。作中いくつも出る悲痛な叫びを、果たしてどう受け止め活かすべきか、先進国とされる我々の重い課題です。
本質とズレますがグロがダメな人は要注意!

ただ、これを一本の映画として観ると手放しには褒められないのも事実。
シリア内戦はただでさえ関係勢力や国が多くてややこしいのですが、本作はその中でもほとんどロシアとアサド政権にしか触れていないので、前知識が中途半端だと変に混乱します。
また、これはおそらく共同監督の案なんでしょうが、時系列をちょいちょいいじくってるのでこれも混乱の元です。
あと、やはり撮り手が撮り手だけに撮影技術が拙いので、映像のクオリティは残念ながらかなり低め。そこがリアルなので一概にダメとは言いにくいのですが、やはり「他人のホームビデオ」感は拭いがたかったです。

克晴