「いつからコナンは超人バトルアニメになったんだろう」名探偵コナン 緋色の弾丸 といぼさんの映画レビュー(感想・評価)
いつからコナンは超人バトルアニメになったんだろう
割と昔からコナン映画を観て感じていたんですけど、爆発シーンや銃撃戦や水没シーンなどが多すぎて「普通死ぬだろ」って思う場面が非常に多いんですよね。
本作は過去作と比べても頭一つ抜きん出て、爆破シーンや事故シーンや銃撃シーンなどなど、「コナンじゃなければ死んでた」ってシーンが多いですね。俺がコナン君なら10回死んでます。
また、シリーズが続いている作品なので仕方ないことではありますが、キャラクターに関する事前知識が必須になるストーリーでした。映画冒頭に超人一家である「赤井家」について簡単な説明はありますが、本当に触り程度の解説だったので、アニメシリーズを観ていない方は事前に赤井家について軽くでもいいので調べていくことをお勧めします。本作の公開に合わせてYouTubeで赤井家の解説を行っているチャンネルも多くありますので、ぜひそちらを先にご覧になってください。
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4年に1度開催される世界的なスポーツの祭典「WSG ワールド・スポーツ・ゲームス」。日本での開催に合わせ、最高時速1000キロで名古屋・東京間をわずか25分で結ぶ「真空超電導リニアモーターカー」が開発された。そんな世界的スポーツ大会のスポンサーが集うパーティー会場にて、大企業の社長を標的とした拉致事件が次々と発生する。15年前のWSGボストン大会でも同様の事件が発生していたことが発覚し、事件の裏では赤井秀一とFBIが動いていた……。
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正直、コナン映画って本格ミステリを求めて観に行けば後悔しますよ。昔は割とミステリ寄りの映画でしたけど、最近は完全にアクションやバトルに振り切っています。原作でも大人気キャラクターであるFBIの面々や赤井家が登場するため既存の登場人物がほとんどで、映画オリジナルキャラクターは片手で数えられるくらいしか出てきません。その中でも犯人っぽい人はさらに限られてきますので、推理パートに入る前に消去法でだいたい犯人が分かります。ミステリ映画最大の楽しみである「誰が犯人なんだ」というハラハラドキドキは皆無です。
しかしながら、ファン向けの映画だと割り切って鑑賞するのであれば非常に面白い作品だったと思います。コナンと共に犯人を追うFBIの面々や、個性豊かな赤井家のキャラクター達には一人一人きっちり見せ場が用意されていますし、今後の展開を期待させる内容になっていたと思います。アクションシーンも迫力があって面白く、「真空超電導リニア」というシチュエーションをしっかり活かした作品になっていました。
良くも悪くも「ファン向け映画」ですね。『劇場版鬼滅の刃』をレビューした時も書いたんですけど、事前知識があること前提のストーリーですし、続きを思わせるような綺麗に完結しているとは言い難い内容になっていましたので、コナンについて何の知識もない映画ファンとコナン大好きでキャラクター同士の相関関係を理解している原作ファンとで評価が真っ二つに分かれそうな印象でした。
私の個人的にはコナンについて正直全然詳しくないので分かりづらかったり不満点も無いわけじゃないので、若干評価は低めになっていますね。
でも面白かったですよ。コナンファンなら観ておいて損はない映画だったと思います。オススメです。