「あまりにも群像劇が雑すぎる」名探偵コナン 緋色の弾丸 岡部 竜弥さんの映画レビュー(感想・評価)
あまりにも群像劇が雑すぎる
およそ6年振りくらいにコナンの映画を見ました。
以前のコナン映画アクション+サスペンス+ミステリーだったのに対して、今回ののコナンはアクション+群像劇だった。
アクションは素晴らしかった。特に赤井秀一VSメアリー世良のバトルは最高だったし。リニアモーターカー激突後のサッカーボールシュートは思わず拍手しそうになった。ここだけを見に行ってもいいくらいに。
ただ群像劇部分は全くもって上手くなかったと思う。恐らく今回の映画は赤井ファミリーがそれぞれの思惑で行動していくうちに事件の解決のために物語が収束していき、その部分にカタルシスをもって行くことを目的としていたと思う。しかし、この映画においてそれが上手くいっているかと言うと、明らかにそうはなっていないと言わざるを得ない。
それぞれの行動の描写が少ないせいで、点と点が線として収束していくと言うよりは後出しジャンケンで「実はこういう風になってます」というようになっていた。
ミステリー部分は皆無。
これこそまさに後出しジャンケンで観覧者が回答を予想するに足る証拠が全くなく、コナン達探偵が犯人を特定するための「過程」を見せていくだけになっている。
その「過程」にしたって、「それが証拠か?」ってものをドヤ顔で出しているのみでて違和感しか無かった。
赤井秀一の狙撃についてもかなり無理やりだったと思う。
「その距離でその速度で打つのならお前何かしら台に乗ってないとトンネルの天井に当たるるだろ」とか、「お前そこに行くまでにずっと素顔やったんかい」とか。
1番腹が立ったのはFBIの立ち位置の描き方だった。
結局それってお前らの制度不備によって生まれた軋轢のせいじゃね?
その結論はジョディ先生に言わせたらただの言い訳にみえね?
お前らが組織的に仲悪いって理由で事件の解決がめんどくさくなってんだからそこら辺の反省はどうなの?
言い出せばキリがない。
ただ冒頭シーンのハーモニカの演奏と逃亡劇を絡めるシーンは結構好きだった。
なんというか、作品のトーンがリアルサスペンス寄りになったように見えた。
実際は違うけど。
アクションシーンだけを見に行くのがオススメです
追記: オープニングCGどうした