「赤井ファンだけど疑問。原作の赤井家を見て欲しい」名探偵コナン 緋色の弾丸 kikoさんの映画レビュー(感想・評価)
赤井ファンだけど疑問。原作の赤井家を見て欲しい
原作全て読んで毎週サンデー買って読んでる勢ですがこの作品はあまり楽しめませんでした。
一応批評する前に5回は見て自分なりに理解を深めたつもりですが、やっぱり要所要所で気になるところがでてきてもやもやしてしまう。全く面白くないわけではないがどこか不完全燃焼で、「あー面白かった!」とならない。。
今回一番引っかかっているのが赤井秀一の狙撃。異次元では日本警察との合同捜査、純黒では対組織という構図だったのでわかるのだが、今回の事件ではFBIが過去に担当した事件の模倣犯だからという理由だけで狙撃に踏み切っている。日本警察に許可を得た描写もない。この状況ではあの狙撃が「これがFBIのやり方」と言われても、ただ他国で無茶苦茶やっているように見えてしまう。
コナン君との正義の違いを見せたかったなら、「FBIのやり方」にもっと説得力を持たせて欲しかった。FBIの信念がちょっと伝わりづらかったので、あの狙撃の持つ意味が霞んでしまった。だからシルバーブレットの作戦も赤井秀一の狙撃も正義の話も、今ひとつぐっとこなかった。(原作のFBIも好き勝手やっていると言われたらそうなのだが、劇場版のテーマの一つとしてコナンとの正義の違いを描くならちゃんとこちらに響くよう見せて欲しかった)
前日譚では白いRX7が登場したことで公安の関与が示唆されていたが、映画内でもどうにか出来なかったのだろうか。。
他にもこの作品内ではもやもやする点が多すぎる。
例えば純黒のように「なんで死んだことになっているのに赤井秀一の姿で動いているんだ」というような無茶な設定でも演出やストーリーが面白ければ気にならないが、今作は面白さがもやもやを上回らず、心から楽しむことができなかった。
特に赤井秀一、シルバーブレットの活躍は期待していただけにがっかりが大きかったです。
また個人的には劇場版名探偵コナンのクライマックスでコナンのテーマが流れないのはやっぱり寂しい気持ちになります。
ゼロの執行人とか30回以上見ているのでメインテーマを聴くだけで曲に合わせて映画のクライマックスのシーンが映像で思い浮かぶのですが、今回はそれがない。残念です。
先日の金ローで久しぶりに天国へのカウントダウンを見て改めて感動しました。大人から子供まで誰もが楽しめる作品って、こういうこと。
今作を比べてしまうとストーリーも人物描写も中途半端で、とても雑に感じてしまう。
もう少し設定や人物を絞って、それぞれのキャラクターを丁寧に描いた作品作りが出来ないものでしょうか。
これだけ多くの人に「赤井が格好良く見えなかった」「赤井家いなくてもよかった」と言われてしまったことが悲しいです。
来年もとても楽しみにしているので、どうか少しでもキャラクターの魅力が活かされる作品にして欲しいです。
この映画の中で赤井家が気になった方は、最近の原作も是非読んでみて欲しいです。青山先生の描く赤井秀一・赤井家はとても格好良いです。
現在進行中のラム編では赤井秀一(沖矢)の活躍はもちろん、秀吉の恋愛模様、真純とコナン君の攻防、メアリーの秘密など赤井家や組織に関する話が盛り上がっていて楽しいです。ラム編は85巻〜ですが、その前の緋色シリーズが最高に面白いので是非84巻から読んで見て下さい。
(本当は1から読んで欲しいですが長い作品なので…組織編は全て外せないので是非ともこの機会に!)
製作陣の方、願わくばまたいつの日か映画館の大きなスクリーンで心底格好良い赤井秀一が見たいです。よろしくお願いします。