劇場公開日 2021年4月16日

「あまりにも酷い内容で絶句…」名探偵コナン 緋色の弾丸 みりぽんさんの映画レビュー(感想・評価)

1.0あまりにも酷い内容で絶句…

2021年4月17日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

東京オリンピックとリニアというタイムリーな題材で作られた作品。その割には封切り前にそれらのスポンサーとコラボがなく、代わりにJRの競合相手の名鉄がその役を買って出たところでなんとなく察するところがあったのだが、まぁ…
登場する新幹線もいつもは実車と同じなのに今回は全体が濃いブルーという、いかにも公式から許可が得られなかったと言わんばかりの代物。公式から許可を得られたとしても未来のミライのようになるのでそれが面白いかと言われれば微妙だが、これは論外だろう。
基本的に鉄道事故のような大量に人が死ぬことを連想させるものは鉄道会社から嫌われるのは当然で、映像業界でもご法度とされるくらいの常識だが、それを何も気にすることもなく昭和の怪獣映画のようなノリで世に出してしまう時点で相当配慮に欠けている。
それならと子どもたちを避難させ無人で走らせている時点で結末が用意に想像できるし、パニック映画としても全く危機感が伝わって来ない。ヒロインのランですら今回は安全なところで見守っているだけなので、一体何と戦っているのか全く分からない。せめてリニアを題材として取り上げるなら、名古屋で何か病気か怪我を負いランをいち早く東京の病院まで移送しなくては、というような瞬時に移動できる時間のロジックを使うとか他にもやりようがあったと思うが。
オリンピックも簡単に中止になるし、ただ日本を滅茶苦茶にしたいだけとしか感じない。
いくら架空のものとは言え、犯人に簡単にテロ行為を完遂させてしまうというおざなりな警備体制に呆れるばかりで、それを阻止するのがコナンの役割なのに今回はただやられっぱなし。300km/h以上のスピードでつっこんで無傷で済んだというのもさすがに都合が良すぎる。
前作のマリーナ・ベイ・サンズと言い、とりあえず破壊しておけばいいという安直な思考にうんざり。
赤井の狙撃シーンもさすがに無理があるし、早速探偵モノではなくただの超人バトルモノ、いやギャグ映画と化している。さすがに子供だましにも限界があるだろう。
見せ場は冒頭の銃撃シーンで、ここが一番の盛り上がり。後はただただキャラクターの紹介と言った感じで場面が飛び飛び。まるで総集編を見せられているかのようなぶつ切り。
キャスティングありきという日本映画のダメなところを凝縮したかのような作品で、アニメ映画も結局ここに行き着くのか、とがっかりした。これでは唯一の希望と言われるアニメ映画も先は長くないだろう。
山口勝平なんて一瞬しか出てこなかったし、神谷明が粛清されて以来この作品はグダグダ。
コナンの映画は好きだったが、劇場で見るのはこれが最後だろう。もういい加減作品も終わるべきで、著作権ビジネスにあぐらをかく小学館も集英社のように新人を開拓すべきだ。

みりぽん