一度も撃ってませんのレビュー・感想・評価
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ハードボイルドな装い中に滲む哀愁とユーモア
昨年は「半世界」に激しく感動した阪本順治監督の新作。まさに映画に愛をこめてといった趣の作品。
石橋蓮司、大楠道代、岸部一徳、桃井かおりという四人のレジェンドたちをメインに据え、佐藤浩一、豊川悦司、江口洋介、妻夫木聡などが脇を固めるフォーメーション。肩の力を抜きながらも面白い作品を作ろうという『熱』が十二分に伝わった。
蓮司さんが裏の顔を持つ売れない小説家を演じた。ヤクザな弁護士の依頼を受けてメキシコの麻薬カルテルにいたという男に殺しの仲介をしていたが、ヒットマンと対決せざるを得ないを状況に。
そう、彼は一度も撃ったことがなかった。
ハードボイルドな装い中に哀愁とユーモアが滲み出す逸品。何しろ蓮司さん、御年78歳であります。
渋すぎる世界
原田!!!
「ザ・映画」
なにこれ
極上の味わい
観て損のない佳作
贅沢な役者陣を惜しげもなく各シーンに鏤めて、それぞれが大真面目に馬鹿を演じる。邦画のコメディはこうでなくてはいけない。どのシーンをとってもドラマがあり、登場人物の思惑や見栄や恐怖や、ときには優しさが見える。
主人公の作家市川進のハードボイルド趣味に合わせて、銃器の店があったり、その店の閉店の挨拶が「The long good by」(多分レイモンド・チャンドラー著「長いお別れ」より?)だったりする。わかる人だけわかればいいという粋な演出である。
石橋蓮司の存在感がいい。重々しくなく、軽すぎず、女子高生からカワイイ!と言われそうなおじさんである。役としては74歳、石橋自身は78歳だが、まだ微妙に現役感がある。バランスが取れていそうでいないところに人間としての位置エネルギーがあるのだ。それがそのまま物語を牽引する力となっている。
同じようなことが他の登場人物についても言えるので、本作品は不完全な人間たちの群像劇として見事に成立している。佐藤浩市親子の直接のやり取りや柄本明親子の共演など、ほんの僅かなシーンもやたらにケッサクで、観ていて兎に角飽きない。
ノリが完全に昭和だから、中には受け入れがたい人もいるかもしれないが、通信が発達したこの時代にあっても、技術が進んだだけで人間の本質に変わりはない。小賢しくて悪辣で剽軽で人情に厚いという複雑怪奇で面白い人間は確かにいる。そういう人々の情けない喜劇だと思えば腹も立たないだろう。観て損のない佳作である。
最後
あの世から悔しがる松田優作w
引きずるものを何時か整理したいが…。
総じて笑わせてもらった
女優に乾杯🍷
大楠道代(75)、桃井かおり(68)を楽しみました。セリフや歌など、一番出番も多かった気がします。
大楠道代の安田道代時代の映画では緒形拳との「セックスチェック・第二の性」がすごく印象に残っています。今も変わらぬ美貌で、色っぽくて、さすがですね。
桃井かおりは「幸せの黄色いハンカチ」「ええじゃないか」が印象に残っていますが、歌も旨いし、今のほうが素敵ですね。化粧品のコマーシャルも出てるし。さすがでした。
新崎人生(ポパイ)はこの話しの大事なコアでした。店は舞台でもありました。あの体重でバーカウンターを簡単に乗り越えるのはさすがプロレスラ―、まだ引退してないのかも。役者歴ほとんどないのに、旨かったですよね。存在感ありました。合唱捻りでしたっけ?得意技。
親子共演も二組楽しめました。佐藤浩市と寛一郎の「これってパワハラ?」なシーンはNG結構出てたのでは?と思いました。
トリカブトは強心剤?毒殺用?よく加熱すれば大丈夫?ホント?
妻夫木聡はこのメンツだと一番若いのか? スナイパーシーンは誰?
冷蔵庫の中の真空パックの大量のGUNは何かの映画のオマージュですか?
井上真央のシングルマザーの看護婦さん良かったなぁ。居酒屋のシーンが好き。すごく普通で。
朝まで飲んで、しじみの味噌汁が〆ですか?パワフル老人恐るべし。オレも真似しよう。
入っている具材(役者)が信じられない程の超豪華さによってそのハーモニーによって味わい強くなった鍋
スタンドオフ
石橋蓮司
大好きな俳優さん。
ちょっと滑舌は悪くなったけど、渋い声はあのNHKの人形劇「三国志」当時と変わらない。
近年、演じる役は間抜けなキャラクターが多いけど、立ち姿は年齢を感じさせずスッとしていてカッコいい。
物語自体は全編通じて流れるユル〜い空気感がいい。
豊川悦司のハンパ具合もうまくハマっていた。
桃井かおりも地のままで役に入り込んでて本当に楽しそう。
大楠道代が不審な行動を続ける夫を詰問するシーンもアドリブのようで過去にも夫婦役をやっている2人ならでは。
一応、殺しのシーンを何度か入れてハードボイルドの体を保っているのも、良い意味で想定外で悪くない構成だと思う。
「どうせ、セリフなど無いのだろう」と思っていた寡黙なバーのマスター・新崎人生のクライマックスシーンでの絡みにも意表をつかれた。
出演者はベテランばかりであり、おじさんとおばさんの戯れ言といった感じの作品だから、若い人にとっては食指が動きにくいかも知れないが、時間潰し程度に肩の力を抜いて見るには丁度いいと思う。
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