WAVES ウェイブスのレビュー・感想・評価
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一生に一度の・・・・・は過剰JARO
これはアメリカの裕福な黒人家族のお話。 前半はお題を付けるとすれば、「タイラーのバカ」一番バカな点は彼女に妊娠を打ち明けられてからの態度。なにがなんでも堕胎を迫り、親に相談したことさえ責める。恐ろしいほどだった。その次はすぐ手術が必要な重症の左肩関節唇損傷 SLAP lesion を親に報告しないところ。担当医は継母が医者であることを知っていたのか、じゃあ母親には自分から話せるよなと念を押すのだが。おまけは父親の鎮痛剤を黙って飲み、水筒に容れたウオッカで流しこみ、車運転するし、マリファナも吸う。彼女はパーティー会場で突き飛ばされて床に頭を打ち、頭から血を流してあっさり死んでしまう。パーティー会場に乗り込むシーンも酔っており、なんかスリラー調。やな予感しかしない。救急車も呼ばず、自宅に逃げ帰る。背景にはスパルタな父親からのプレッシャー。スポーツ推薦で有名大学に進めと呪文のように繰り返し言われていたのか。とにかく自分の保身が一番なのだ。優しさの微塵もない。筋肉💪バカ。それにしても、まだ1時間あるし、この先どう展開させるのよ。スクいようないしと不安になった。飲んではトイレや風呂場でゲロする場面も多すぎ。こっちもヘドがでそうなくらいダメダメ。なのに夜中に甲斐甲斐しく兄をバスルームで介抱する妹のエイミー。優し過ぎでしょ。禁断の近親相姦モノになってしまうのかとチラッと思ってしまうほどでした。
さて、後半はと言いますと、妹エイミーの物語。眼がとてもかわいらしい。右眼の横から頬の皮膚が白っぽい。生まれつきの白斑症なんだと思う。メイクで少し隠している感じ。そんなところもいじらしい。決してすごい美人ではないが、人からは美人だねと言われる。心の美しさと謙虚さが出ているのだと思う。兄の殺人罪が確定したあとの家族の変化と学校でも人を避け、心を塞いでしまっているエイミーに好意を寄せて、ゆっくりと近づいてくる白人の男性生徒ルークとの恋とルークの何年も会っていない父親の最後がからむ青春ロードムービー。ミズリー州まで丸2日。立ち寄ったモーテルでの合体シーンも優しく実に初々しい。エイミーの父親がエイミーを釣りに誘い、懺悔し、謝罪するシーンもあり、すっかり関係が悪化した母親との橋渡しをエイミーに託すシーンあり。思い遣りに溢れる彼女の行動や言葉にあわせて、かかる曲の歌詞がその場の状況や気持ちとリンクするので、セリフや説明は少なくても、感情に訴えかける構成。
映画の冒頭と最後は短パンのエイミーが自転車で並木道を晴れ晴れとした感じで走り抜けるシーン。前進あるのみと。最後は青春映画ですね。要するに、人には愛情と思い遣りを持って接することが一番大事なんだということです。余裕がないとついおろそかにしてしまうんですけどねえ。人生ついてないと、擦れっ枯らしになっちゃうし。
後半はメインのエイミー主役の映画だったわけです。タイラー役はもちろん熱演でした。レスリング試合のシーンもリアルでした。しかし、みんなこの際、エイミーの映画なんだと割りきりましょう。
アメリカ映画なのになんか説教くさいお金のかかってない邦画みたいな感じでした。一生に一度の・・・・・は過剰JARO。
エイミー役の彼女の次回映画出演を楽しみにしてます。また、ルーク役のルーカス・ヘッジズ君は近日公開のハニー・ボーイでの主演あるので、楽しみです。
内容が薄い。。。
登場人物の心境に合わせてスクリーンサイズが変わっていくという仕組みは面白いと思いました。
今のご時世に家族のありがたみ、他者の存在こそ自分を支えるし、自分も他者を支えることができる(妹は被害者として打ちのめされていたが、自分が他者を支えることが出来ると気付いた時に、同時に自分も救われていく)ようなテーマかなと思い、さすがA24スタジオ、良い映画つくるなぁと思いました。
ただ、それにしては家族のエピソードが少ないので家族が崩壊していくことに対する登場人物達の悲しみに私の気持ちがついて行かなかったのと、兄の腕はやばい状態だったのに結局どうなったの?とか、父親はモラハラ完璧主義者だけど兄妹の夜遊びは比較的緩いのなんで?とか(過保護な人なのかそうじゃないのかよくわからなかった。)、こういった細かいところが気になってしまった。
後半の妹のボーイフレンドの父親との確執も、そのエピソードが言葉だけでさらっと説明されるだけ。
こういった家族の繋がりの重要そうな部分が言葉で軽く流されるだけなので、内容がとても薄く感じた。
後は前半から後半に至るパトカー内での主人公のドアップ映像は、赤青の光がチカチカととても眩しく、例の「ポケットモンスター」の事件(詳しくはwiki等で)を思い出して、これは部屋を明るくして画面から離れてみるやつでは?!と心配になってしまった笑
妹がかわいい
兄貴は超短気で全く共感出来ず。彼女を殴って倒れたら逃げずにすぐ救急車呼べよ。兄が殺人で刑務所に入ってから妹が主人公になるけど、この黒人の子がかわいい。救われる気がした。
催眠術のような映画
鮮やかな色使いと抽象的な撮り方が印象に残る作品です。
前半のタイラーの転落ぶりはあまりにも辛く、絶望的でした。
彼の父親が息子に厳しく接する理由は「黒人だから」です。彼は自分たちは他者より何倍も努力しないと欲しいものは手に入らないということを知っています。だからこそ我が子に辛い思いをさせないように厳しく接するのです。
しかし結果的にはその抑圧が裏目に出て、タイラーは薬物中毒に近い状態となり、肩に負担をかけ、誰にも相談できずに精神的に不安定になり、彼女を受け止める余裕をなくし、積もりに積もった苦しみと瞬間的な怒りで彼女を殺してしまいます。
この前半が淡々と描かれていたら、それなりに受け止められたと思いますが、この映画ならではの抽象的な表現や音楽、色使いやカメラワークのせいでまるで催眠術にかかったような状態になり、物凄い絶望感に襲われました。
後半は妹の強い、希望を想起させるストーリーになっています。
兄が犯罪者となり、孤独になった彼女の前に現れる白人の彼と共に成長し、命との向き合い方や家族の大切さ、他者と、自分自身と向き合うということはどのようなことかを教えてくれます。
しかし自分は前半の絶望感を拭うことはできませんでした。まだ自分が10代と、若いからかもしれませんが、争いようのない理不尽が世の中には存在するという事実と、人間が転落した時の恐怖を再度突きつけられただけでした。
20年後に観たら違うことを感じるかもしれません。
しかしスクリーンの使い方やテンポよく変わる音楽、酔そうになるカメラワークや鮮やかな色が客観的に、冷静に映画を観ることを許しませんでした。
あまりにもタイラーに入り込んでしまったのか、黒人というだけで生じる不正義に打ちのめされたのかは分かりません。
単純に、今の自分にはWAVESを飲み込む力はありませんでした。
映画自体には様々な社会問題や問題意識を提起する点が散りばめられており、良質なものだったと思います。キャストの方々の演技も素晴らしかったです。
骨太なずっしりした映画
前半3分の2くらいがスター的存在の兄と女神と呼ばれる彼女の話であるのに対して、残り3分の1がその目立たない平凡な妹と兄が犯罪者だと知って彼女に惹かれる同級生、つまり日陰にいる人達の話になっている。悲劇を引き起こしてしまった主人公タイラーは、本当は優等生の良いヤツなのだとして描きたかったのではないかと思うが、まだ十代という年齢を考えれば当然のこととしても、頭が良い割にかなり激情的な性格で、共感はできなかった。父親の厳しさが話のポイントになっているが、その父親も徐々に変化し、親だからといって完璧な人間ではなく、成長途中でもあるのだと言っている。後半の妹パートに出てくる白人のBFルーカス・ヘッジスの存在も意味があり、祖父母の話の時に「母方の」と言ったのは、父親と絶縁関係だったからだった(その父親がハーモニー・コリン)。
大音量の音楽と、場面によって変わるスクリーンサイズ、監督はテレンス・マリックに師事していたのだった。
観る人を選ぶ作品
順風満帆だった日々から破滅に向かっていく描写は先のことを考えると辛すぎて何度も目を逸らしそうになりました。
後半のエイミーのお話があってようやく救われたかな。
音楽や映像の演出で人物の内面等の描写をしていましたが、私はあまり好みではありませんでした。
兄の精神構造があまり理解できず、感情移入できなかったです。
ただ、兄と父の思考回路が似ていて、この親にしてこの子ありというところはとても共感できました。
ウォーターパークのデート場面がいい!
「このクソ野郎💢」と自身の怒りの導火線をMAXまでに上げてくれた
ケルビン・ハリソンJrの圧巻の演技力に逆に大拍手!
その彼に、毒の気持ちのまま劇場を出るのかと・・思わせられた「兄編」
兄は選べなくとも彼氏は選べる!
愛し合い、支え合える相手を見つけ
毒の日々から少しずつ穏やかな心を取り戻し
前向きに生き始めた「妹編」のお陰で平常心を取り戻し劇場を後に出来ました🍀
自転車で手放し運転が出来ても両親と恋人の手は決して離さぬ様にと祈りながら・・
・・ちょいちょい入る斬新なカメラワークに軽い船酔い状態になってしまった中年は私だけでしょうか?・・😅
前後半のスイッチは見事。
プレイリストありきの映画という事で音楽好きの私は楽しみにして観た。
映画前半を観ていた印象は、
『音楽だけ聴いていたら良いな』
『ストーリーだけ追っていたら良いな』
ストーリーの展開は凄くわかりやすく
主人公が一気に落ちていく姿は痛々しかった。
しかし、音楽がケンドリック・ラマーの曲以外は
ポストエレクトニカよりで、若干ストーリーの深刻さと
違うかなと思いながら観ていた。
しかし、後半になって妹が主役になった時、
一気にアンビエント風の音楽になって、
妹視点でストーリーが繰り広げられたとき、
この作品凄く心地よいなと思った。
ストーリーの主軸をブれさせず、
作品の前後半で展開を変化するのって凄いなと思った。
そしてラストのRADIOHEADの『True Love Waits』には
感動した。
個人的にRADIOHEADは昔から聴いていたし、
この曲がこんな風に使われるのか、と感嘆。
最後はちょっと泣いた。
新しい映像表現への挑戦
画像的な新しさはすごい!
画角・面積と、色、音楽で主人公の精神状況を表していて、前半は段々画面が小さくなって&暗くなって。
後半は段々広がって、明るくなっていく。
プレイリスト・ムービーって宣伝は、全然嘘で詐欺に近い。
無駄なセリフがないくらい、セリフを最小限に削っているのですが、心境を説明するのに歌の詞を利用してるので逆に言及しすぎてうるさいという。
傍目では上手くいっている家庭の、崩壊と再生を描いていて、一見すると感動的に思える。
だけど……
前半と後半で主人公が変わるのですが、前半の主人公、兄タイラーと父親にはかなり苛つき、お前らまとめて人生台無しになればいいのに、としか思えない不愉快なキャラ設定とシナリオ。
ことあるごとに、アルコールやドラッグありのパーティーやっていて、酔って車を運転する高校生なんて、日本じゃまったく縁がないので、どうにも「あーそう」と冷めてしまう自分を止められず。
エンディング・キャストのリストを見ても、トップ(主役)が後半の主人公・妹エミリー。
なので、前半のタイラーは完全に当て馬というか、エミリーの引き立て役。
たぶん、タイラーや父親のような、少し前にアメリカに多かった、人の話を聞かずに「自分のために女を利用する男」「全ての判断基準は自分可愛さ」な独善的男像を否定したかったのだろうと。
ただ、男性がフェミニズムやポリコレ視点を意識して、男性の嫌な部分を強調して作ったような計算的いやらしさも感じたんですよね。
「アカデミー賞欲しい病」な臭い。
映像体験としてはいいけれど、中身は好きじゃない。
自尊心と尊厳
フロリダに住む比較的裕福な家庭の男子高校生に降り懸かると問題の数々と、兄の顛末を受けての妹の話。
左肩に痛みを感じながら、日々トレーニングに励むレスリング・フリースタイル選手の主人公タイラー。
「お前の為」と、理想や思想を押し付けてきて、まっすぐに向き合わない父親や、話は聞いてくれるけれど血の繋がらない母親等の状況から、追い詰められていったのか、自分で自分を追い込んでしまったのか…。
トラブルを抱え、暴飲暴食に走り、熱くなると父親と同じ様な言い分を述べるタイラー。
君の為、お前の為は、実は自分の為というね。
自業自得とはいえ、彼のおかれた環境がしっかり描かれていて、タイラーのパートは悲しく哀しく、痛々しい。
タイラーの顛末を受けてのエミリーのパートは、それでも娘をケアしない、その必要性を感じない父親に苛つきをおぼえるとともに、エミリー目線でいうと哀しいところから始まるが、そこから約30分間積み上げていく恋愛物語がちょっと怠く、正直けっこう長く感じた。
しかしながらその先にある展開は、あなたの為が自分の為、自分達の為にとなっていく対比的な展開で、ベタだけどそうであって欲しい結末が、温かく響いた。
私は最新鋭のマシンだ…
・斬新なカメラワーク、少ないセリフで、映像や音楽で魅せられる演者さんやスタッフの方々の技術は素晴らしいと思う。
でも、ちょっと私には合わなかったです。
目が回りそうだし、タイラーのアップで、サイレン反射のシーンも長すぎて、少し気持ち悪くなった。
・ストーリーは前半のシーンはちょっと苦痛でした。タイラーに感情移入出来なかった。
・後半は家族が苦しみを越えて再生しようとしている過程等は素敵だと思った。
つ、疲れた…
最初の1時間、主人公が転落していく様がみっちり描かれる。辛いし長い。とにかくしんどい。
クラブのシーンが多く、そのような場所と縁のない私はああゆう薄暗い雰囲気とか心臓に響くようなサウンドを映画館で感じるだけで疲弊。笑
お父ちゃんの厳格さがちょうどいい
やりすぎてない絶妙なラインで、自身のなんらかの経験と重ねられる人も多いと思う。
こんな事態を招くとわかっていたら息子にあれほど多くのことは求めなかっただろう。でも、もしあの息子がレスリングでスーパースターになってたら。お父ちゃんに叩き込まれた建築の知識を生かして順風満帆に暮らせてたら。その厳格さは後に感謝されるべきものだったわけで。子育てってほんまむずいよな…(経験なし)
主人公が妹ちゃんに変わってからは割と平和。
こういう視点の切り替えみたいなの、最近流行ってるの?よく見かける気がする。
あー見てよかった!とは思わないけど、鑑賞後の疲労感は俳優陣の演技が素晴らしかった証拠だと思う。
とても良い作品だが、くるくる回るカメラワークに感情移入できずw
冒頭からの片足を出しながらの運転等を見て「ないわーw」と心の中で拒絶反応を示してしまったw
その後はやはりアメリカの楽しそうなパーティーにも気持ちの悪い感じが、、、。文化があるのもわかっているし、中高生がその様に過ごす事も理解はできているが、やはり一線を超えてしまいやすい環境が水面下で形成されているのではないかと思ってしまう。(この後、案の定、、、w)
ストーリーは2部に分かれている様で、途中からスポットが当たる役者がガラリと変わる。
劇中で次々と流れる音楽はR&B、ヒップホップ等が主で、聞いていて心地は良いがやはり一つも曲を知らないのでしっかりと気持ちが入っていかず置いてけぼりw
またラップの汚い言葉遣い(当たり前ではあるが、、、)が見ていて、聞いていて心穏やかではないw
おじいさんの様な感想ではあるが、ギリ30代の自分でも合わないし、他にもそんな人はいると思う。
主人公のタイラーはまだ18歳、レスリングでも実力があり、学校生活でも順風満帆な様子、彼女もイケていて本当にパーフェクトな感じではあるが、歯車が少しずつズレていきまた心の弱さも相まってしまい選択がダメな方へ、ダメな方へ。
人生では毎日が選択の連続ではあるが、本当に現実にも起こりうるテーマだけに非常に見ていて重く、また子供がいる親としてもどうやって今後子供の内包する気持ちに向き合っていくのか?気付いてあげられるのか?が焦燥感と共にモヤモヤとしながら見ていた。
しかしながら、またそれを救えるのも「家族」と言う提示を後半でも見せてくれる。
妹のエミリーのシーンでは初々しい感じを応援しながらも生きていく強さや美しさを噛みしめながら見る事が出来た。
また親の視点からも楽しむことができ、釣りをしながらエミリーと会話するシーンは非常に心にくる点ではあった。
日本人の比較的落ち着いた人間から見れば、感情移入しにくい点(特に「そこでそんなに怒る?w」)は多々あるが、人間ドラマという点では色々と考えさせてくれる作品でした。
音楽はもう少し楽しめる様に洋楽も聞く必要があるかなー、と思いました。
あとカメラワークは冒頭のくるくる回るシーン等は斬新で良いのだが、大きいスクリーンで見ていると結構しんどいw
表紙のシーンにもなっているが、タイラーとアレクシスが海辺でキスをするシーンは非常に幻想的で絵画の様な美しさであった。
あの美しい2人が永遠に続いていってほしかった、、、。
フロリダ物語
監督は「It Comes at Night」のトレイ・エドワード・シュルツ。タッチが確かに同じです。場面場面でのリアリティを大切にし、時間をたっぷりと掛けて描写する。日本っぽささえ感じさせる時間感覚と、フロリダの高校生のリア充生活のギャップが、奇妙な印象を残します。ナチュラルに不穏。結果として、現代アメリカ映画の中では冗長な印象は拭えず。前半は、もっと短縮できんかったんかなぁ、と見終わってから思いました。
物語は、兄 (ルースエドガーのケルビン・ハリソン・Jr)と、妹 (エスケープ・ルームのテイラー・ラッセル)の各々のカップルのエピソードを紡ぎ、恋人・家族との関係を絡めながら、家族とは何かをを問いかけて来る、内省的で重いテーマに収束します。ミュージカルでも無いし、「プレイリスト・ムービー」なんていうコピーに至っては「何、訳の分からん事言ってんの?」。
兄妹のパートナー役は、アレクサ・デミーとルーカス・ヘッジス(ベン・イズ・バック他)で、ぬかり無し。手っ取り早く言うと、無茶苦茶に若手実力派を揃えてます。
厳格にあろうとした父。継母であるだけに、子供たちへ人一倍の愛情を注ごうとした母(あくまでも気持ちの上では)。親子鷹でレスリングに打ち込む兄は幼稚な人格に育ち。聖母の様な優しい心を持つ妹。フロリダに住む4人家族は瓦解しそうになりながらも、踏みとどまり、再生への道を歩み始める。そんな映画。
にしても地味。これは好き嫌いが別れそうだと思いましたが、個人的には「いい映画だと思うけど、135分は長いよ」でした。
朝から「ホット・ファズ」見て、「ダークナイト」見て、三本目がこれだったんです。見る順番が悪かったってのは、確実にあると思う。
想像力が無い恐ろしさ
ようやく見れました。前評判が高く特に映像の美しさと音楽セレクトの素晴らしいとのこと。個人的には映像はまあまあで、光に淡いブルーと赤を滲ませた絵はそれなりに綺麗です。音楽はヒップホップに詳しくないので、そういうものかなという感じでした。ストーリーや役者陣はよかったです。
想像力が欠落している者は後悔することになるという事。前半でレスリングを続けること、一旦止めることの将来を想像できない。でカースト上位にいるのに相談する相手もいない。そして怒りは何も生み出さない。とても勉強になりました。しかし息子との確執はどうしようもなかったのか?ちゃんと会話もあったし、彼の幼い性格のせいなのか。にしても妹がいい奴と付き合ってよかった。ルークの悲しみを理解することで負のスパイラルから抜け出すキッカケをつかんだ!よくできたヒューマンドラマって本当におもしろい!!
にしてもちょっと長すぎる。
若者にも大人にも人生は寄せては(与え)返す(奪う)波。その波間で揺れる私達はjust human beings。evilでもmonsterでもない。妹の幸せな人生を切に願う。
①全く前知識無しだったので最初はいま流行りの音楽に乗せたチャラそうな若者映画だろうと思っていたら、人間を良く描いた優れた映画であった。②妹役の子が可愛い。しかし、前半と後半で視点がゴロッと入れ替わる点が斬新。兄の視点から描く前半では単なる脇役の一人と思っていたのが、後半は一転妹の視点から描かれる。後半はどうか妹には幸せになって欲しいと願わずにはいられなかった。③子供にベッタリし過ぎの日本の親も良いとは思わないが、USAの親は少しよそよそし過ぎる(子供の自立に頼り過ぎな)のではないか。アレクシスが結局親に頼ったところを見ると、やはりタイラーとエミリーの家族は問題があったのか。継母でもあっても母親は愛情を持って二人を育てたし、父親も厳しすぎるところはあるが彼なりに一生懸命生きているように見えるのに。③ルーカス・ヘッジはやはりいまUSAの白人のやや屈折しているが好ましい青年を演じさせては一番の俳優であろう。今回はストレートの高校生で(だってゲイ役が多いもの)妹を優しく包み込むボーイフレンドを控えめながら好演して存在感を示している。「マンチェスター・バイ・ザ・シー」の頃から比べると随分大人ぽっくなってきた。④「wave」にはお想いや感情の高ぶりという意味もある。その意味ではタイラーは一時の感情の高ぶりによって寄せる波が砂の城を壊してしまうように、彼の人生やそるまでかろうじて保っていた彼の家族、アレクシスの人生、アレクシスの家族まで壊してしまった。波が引いた後は何も残っていない。でも人は次の波が来るまでにまた砂浜に新たなものを築いてゆく。次の波に壊されない確固としたものを、そして観ている私達も次は壊されないように祈ろう。
wavesの意味がわかった
広告でフランクオーシャンのゴッドスピードが使われているのを聞いて見に行ったんですが、劇中でこの曲は使われていませんでした。 この曲好きだったからちょっと残念。映画では登場人物の感情が鮮やかにかつどす黒く表現されてて、それを曲がさらに盛り上げているという感じでした。2人の愛の描写もあれば、焦りや不安、怒りなどの描写もあって、タイトルのWAVESは波のようにいろんな感情がどんどん押し寄せてくるっていうことかなと映画を見ながら勝手に解釈していました。 そんな中で複雑な気持ちを整理できないままイライラを爆発させてしまった主人公がとても切ないなと思いながら見ていました。その後のエミリーの話もすごいよかったです。最初はあえてセリフを使わずに喋る人もいない孤独感がうまく表現されていました。それからルークが登場してからの彼女の変化も感動しました。 パッとしないなと感じる方が多いかもしれませんが私はとてもいい映画だと思いました。
心を揺さぶる音楽の威力
Apple Musicでサントラだけは聴いていた本作。でもストーリーはほとんど知らない状態で鑑賞。
比較的裕福な黒人家庭で育った高校生を描いた青春物語と思っていたが、話が進むにしたがって徐々に重くなり、こちらの違和感も増すばかり。結局兄貴は付き合っていた彼女を殺めてしまい物語のメインからは退場。マジか!と驚いた。結局その後は妹がメイン。兄貴の話じゃなくて妹を中心とした家族再生の物語なんだね。聴いていたサントラも流行りの音楽よりもダイナ・ワシントンの「What A Diff'rence A Day Makes」の方が印象的。それも意外と言えば意外だった。
正直、兄貴の話には全然共感できないし、全く救われない。なんだよこれって戸惑っていたら、最後の方で急に感動してしまった。たぶん、RadioheadとAlabama Shakesの曲のせい。この2曲を連続であんな使い方されたら泣いちゃう!
でも、たぶんだけど全然感動できずになんだこれ?って感想の人も多い気がする。その気持ちも結構わかってしまう。
"Love Is A Losing Game"な映画
映像が美しく、そのまばゆさが強烈な印象を残す作品でした。
使用された楽曲も各場面への感情移入を助けてくれ、ウルウルするシーンもちらほら…(笑)
物語もサスペンス要素があって、最後まで惹きつけられ、なかなかドキドキさせてくれました。2時間強を飽きずに観ることが出来ましたね。
テーマは、"家族の崩壊と再生"…ただ、この作品、裏テーマとしてDV、ドラッグ、中絶、人種差別、信仰、ホスピスなどなど、ちょっと詰め込み過ぎ感も(笑)…さすがに警官の暴行シーンはありませんでしたが、もしかしたらカットしたのかも知れません(笑)
脚本がよく出来ており、心理描写も秀逸で、物語も重厚で面白いです(あと、ロードムービーな要素もあったりして)…
…でも、なんか最後は、意外とあっさりと家族が"再生"しちゃったね…という印象でした(笑)
結局のところ、恋愛や家族愛よりも"痴話喧嘩"と「Fuck You !!!」のセリフが印象に残った作品でした(笑)
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