WAVES ウェイブスのレビュー・感想・評価
全44件中、1~20件目を表示
美しい映像と考え尽くされた演出に心揺さぶられます
今更ながら配信で初めて鑑賞。ざっくりとした感想になりますが、人間の傲慢さや家族の崩壊、許し、再生、思春期の若者の経験不足からくる儚さ、などなど美しい映像と音楽により表現されており、A24のホラー作品以外の映画の面白みを感じることができる作品と思います。この前に「ミッド・ナインティーズ」を観てこの作品を観ました。大変勉強になり刺激になります。
感想
幸せな前半。
たくさん彼の充実した生活が描かれる。
その中に不安が着実に積み上げられていく。
キャラクターに説得力があり、だんだん不穏になるのが絶妙。
タイラーの爆発や暴力シーンはすごかった。
映像が上手くて怖かった。怖くて息が止まる。
人って武器なくても簡単に死ぬことがある。
彼は筋肉があるので、なおさら力の使い方には気をつけないといけなかった。
物にあたっても人に対してはほんと…だめ。
悪い方に向かってるのはわかってるけど、お酒飲んで車でパーティに行くシーンでは、
どうか、最悪の事態にはならないようにって思ってた。
親はどうすればよかったとか責任感からもう余裕がなくて疲れてる。
妹も学校で居場所がなく、大変でも言える状況じゃない。誰か助けになってほしいなと思ってると、男の子が現れる。まあ、よかった。
事件の身近な人は、この場合は家族が、自分はどうすればよかったか考えてしまう。
でも、どこまで行ってもタイラーのせいで、責任はタイラーにしか取れない。
父親のせいと思うことが多いけど、タイラーの彼女への行動はタイラーのせいだった。
でも、どうにかもっと前に何か出来たらと思うと父親との関係が浮かぶ。
父親は若い頃の苦労があって今の考え方になってるのが垣間見られる。ただの悪いキャラクターじゃなくて、手を抜かず考えられてるのいい。
精神的に落ち込むことを許さなかった父親も参っていて、妹がケア役に回らないといけなくて、それは仕方ないんだけどつらくなる。
溜め込まないか心配したけど、すぐ後に妹エミリーも父親に話せててよかった。
事件のとき、妹のエミリーに止めてほしいと見ていて思ったけど、止められなくても彼女は悪くない。
もっと悪くないと言ってあげたいと思った。
彼氏の方は、父親との関係が修復するのあっさりで拍子抜けが少し…。
でも、そのおかげで家族の再構築に前向きになれて、素直なメッセージを送ってて、いい方向に行く終わりでよかった。
ニュースでみたら、ヤバイやつ、最悪の事件、で終わることを、幸せな頃から描いて、日々の我慢からネガティヴな出来事がありだんだん不安定になるとこ、そして事件を起こし家族がバラバラになりどう前を向くかまでわかりやすく全部ある。
こういう事件にもニュースの見出しではわからないバックグラウンドがあり、身近で社会にも関係あることを考えてほしい映画なのかも。
ストーリーはわかりやすくて、映像も上手い。でも映像の上手さがポップな感じ(おしゃれで大衆向け?)で、好みじゃなかった。
この内容はもっと落ち着いた感じでみたかった。それだと暗すぎかな。
音楽はおしゃれだが
主人公は最低なクズ野郎だし、殺されたガールフレンドが気の毒だし、加害者家族にされた妹は可哀想だし、死期が近いDV父親を見舞うボーイフレンドの話も言ってしまえばありきたりだ。
それだけの話を格好いいBGMを付けておしゃれにパッケージして売り出すA24の手腕に恐れ入る。
苦し過ぎる青春映画
ジャケットの印象とは全然違う内容に、終始戸惑いっぱなし。特に前半は辛過ぎる。登場人物それぞれが苦悩を抱える訳だが、よくよく考えるとどれも結構身近と言うか真っ直ぐな想いが招いた苦悩であることに、やるせなくすごく複雑な気持ちになった。
私的には決して後味が良い作品とは言えないが、未来が開けそうな開放感あるラストシーンに少し救われたかな。
総論としては、重いテーマでズーンときたが、光の使い方がとても印象的でスタイリッシュさもある作品だった、というところか。
長い…
光と音の演出っていうのかな?
それが多くて多くて。
それを短くすれば3分の2くらいになりそう(笑)
ちょっと過剰に感じてしまったな。
アートといえばそうなのだろうけど。
すいません、アートが理解出来なくて。
あと運転シーン。
怖いんですけど〜
ちゃんと前見てよ〜
顔出すな〜
しかし、犯した罪は重過ぎた。
最後は笑顔でハッピーハッピー。
なんてことにはどう考えてもならんし。
それぞれ、これからを生きていく。
生きるって結構しんどいことも多い。
それでも生きていく。
そういうことかな。
落ちるところまで落ちた、というところ。
最悪までいったらあとは少しずつ良くなるだけ。と思いたい。
タイラーの彼女は本当に妊娠していて、産もうとしていたのか?
あんなにパリピな人たちと騒いでたけどさ〜
そこがちょっと気になったな。
安定のルーカス、いつ出てくるのかと思いきや、後半の主役だったか。
この人はやはりいいな。
ずっと気になっていた。
この金髪チリチリ頭。
やっと観られてよかったっと。
「憎しみよりも愛が大切」
作品の質の良さで定評のあるA24の映画
低予算ながら、チープさを全く感じさせない
テーマはシンプル
「憎しみよりも愛が大切」
憎しみは破滅に繋がる愛こそすべて
と、目新しいものではないが
全編を通して痛々しいほどのリアルな
演技や演出の説得力に圧倒される
前半兄タイラー、後半エミリーのパート
タイラーのパートはハラハラ感とやるせなさが
たまらなかった
エミリーパートは、
家族やルークと上手くいってほしいと
願わずにはいられない別の意味でのハラハラ感が
マナティーと泳いだり
ルークの父親を看取るエミリーとルーク、
エミリーと父親との本音の語り合いを見ていて
この家族は、恋人たちは大丈夫、と思えた
愛って・・・どういうものか
考えさせられる映画だった
話し合うことの大切さ…
家族だと中々折り入ってできないかもしれない。物語は2つの構成に分かれる。前半は兄の転落人生。レスリング部で活躍する高校生タイラーは綺麗な彼女もおり、厳格な父親に育てられながらも、継母の愛も深く、正にリア充。しかし、肩の怪我でレスリングの夢が絶たれる、恋人の妊娠発覚、中絶拒否→酒、ドラッグ服用→恋人を殺してしまう→終身刑、と人生を転げ落ちてしまう。後半は残された家族、特に妹のエミリーを中心に描かれる。殺人犯の妹ということで学校でも誰とも話さない生活。しかし、全てを知った上で理解するルークという恋人ができる。一方、母親は息子を厳しく躾け、追いやった父親を受け入れずにいた。ルークを虐待し、生き別れたルークの父が癌となり、二人で看取るうちに、家族の絆の大切さ、今いる家族の大切さをエミリーは改めて感じる。エミリーから連絡を受けた母親も父親を受け入れようと努力する。人生は一寸先は闇、そこからの家族の再生を描いている。全体的に映像、色彩がとても鮮やかで、夕焼け、テイラーの部屋窓、パトカーのサイレンの赤、青が印象的。
繰り返し寄せては返す波
今まさにミナリが話題になってますが話題のA24
本作は若き才能トレイ・エドワード・シュルツ監督が脚本を手がけた青春ドラマということで期待大だった。
溢れ出す色彩と音楽。
そして青春の光と影をたくみに描き出すストーリーに心揺さぶられた135分間。
美しいフロリダで暮らす主人公タイラー…成績優秀でレスリングのスター。美しい恋人もいて何不自由のない毎日を送る高校生。
やがて人生の歯車が狂い始めた時に彼の苦悩する姿が痛々しかった。
激しく揺れる主人公の心情を象徴するような赤と青の光を使った映像が斬新。
車内をクルクル回るカメラワークも斬新。
タイラーの視点から挫折と崩壊を描いた前半と妹エミリーの視点から再生への希望を描いた後半。
台詞が少ない登場人物の代わりに豪華アーティストの31曲を流すプレイリストムービーという新しい試み。
英語の歌詞が分かる人はもっと楽しめるかもしれないね。
青春の挫折、親子の在り方、恋愛、家族の絆。
そして愛し赦すこととは?
…普遍的な課題について観ている側へも問いかけてくる。
どんなに挫折してもきっと未来への希望はあると信じたい映画。
…繰り返し寄せては返す波のような愛さえあれば。
フィル◯からの試写会で鑑賞。
監督登壇の予定が中継だった。
色鮮やかな映像と音楽
たくさんの音楽と色鮮やかな映像を使って表現される
今どきの若者の日常(少しセレブだが)
ある一家の兄妹の物語
お兄さんは周りが見えてなくてイライラさせられる
妹はそんな兄の犯した事件の影響で家族と共にどん底に落ちる
犯罪に関わってしまうのはありそうな話
そこら辺の描き方はいいと思った
しかし音楽を活かそうとしすぎてるのか
ちょっと物語がピンとこない感じだった
もっと不幸に陥った家族描いてても良かったのかもなぁ
公開した時から観たかったんだけど
いつの間にか終わってた作品
まぁ終わるのわかるかな
トゥルーラブウェイツとか使ってて音楽はいいがMV見せられてるような感じ
内容がちと薄く感じた
A24ってそんな所あるよね
着眼点はいいけどあと一歩何かが足りない感じ
今作もそんな感じかなぁ
苦しい波、穏やかな波
インディペンデント系ながら近年良質作を次々送り出し、映画賞の常連や新たな才能をも発掘している注目のスタジオ、“A24”。
本作も批評家筋から高い評価を獲得。
開幕のフロリダの青い空、赤い夕焼け、夜のハイウェイ…印象的な色彩、映像美。
作品を彩り、時には登場人物の心情とリンクする、多彩な有名アーティストによる31曲の楽曲。
『イット・カムズ・アット・ナイト』で注目を浴びたトレイ・エドワード・シュルツ監督のセンスを感じる。
しかし、話の方は…。人によっては賛否両論。ある兄妹を主人公に、痛々しいまでの物語が描かれる。
兄、タイラー。
成績優秀、高校のレスリング部のスター選手、美人の恋人も居る。
何も言う事は無い。
唯一の悩みの種は、厳格な父との関係。
タイラーは肩を悪くしており、ドクターストップも聞かず出場し…。
歯車はさらに狂い始め、恋人が妊娠し、それがきっかけで大喧嘩。
誰にも悩みや苦しみを打ち明ける事が出来ないタイラーは自暴自棄になり、起こしてしまう。“悲劇”ではなく、“事件”を…。
妹、エミリー。
一年後。“事件”以来、家族にも心を閉ざし、ひっそり暮らしていた。
そんなある日、全ての事情を知る同級生ルークと出会い、恋に落ちる…。
前半は兄視点。
衝撃的ではあるが、タイラーの言動がかなり自己チューで、あまり感情移入は出来ない。
監督のセンスはいいが、話はちと薄く、MTV的でもある。
何だかいまいち乗り切れないと思ったら、エミリーに救われた。
後半は妹視点。
ルークとの出会いに心を開きながらも、兄が犯した罪を呪うエミリー。
兄は悪魔、怪物、モンスター。
それをなだめる父。同じなのは自分も。息子を見てやれなかった。
ルークも父と確執が。死期が近い父と再会する。
それを見て、エミリーは…。
例え法や世界や世間が憎んでも。
まだ自分の心の何処かが憎んででも。
赦し。
クライマックスの穏やかな青空がそれを物語る。
回るカメラ、青、赤、紫、緑。
前半の主人公、タイラーは『ルース・エドガー』の真意が読めない主人公ルース役だった人です。ケルビン・ハリソンJrさん。
タイラーとエミリーの(継)母役の人は、ドラマ『グッドワイフ』でケイリーの同僚だった検事さんだと思います。役名忘れたけど。かの有名なミュージカル『ハミルトン』のオリジナルキャストでもあらしゃるそうな。レネー・エリス・ゴールズベリイさん。なんとアリーマイラブにも結構出てるとネットにありまして、うそうそどこよーと思ってます。どうやらアリー達が良くいくバーのシンガー役みたいです。DVDでさがそ。
お兄ちゃんが歩んだ破壊の道は、古臭い男らしさの呪いだと思いました。弱くても逃げてもいいのに、それを自他共に認めない思想が、脆さを生んだと思います。
加えてアメリカにおけるアフリカ系アメリカ人の置かれている立場が、より現実を厳しくしたのだと思いました。
妹ちゃんのパートはお兄ちゃんの事件の後の再生を描いていきます。妹ちゃんと、ルーカスヘッジスのシーンはどれもぐっときました。
全体を通して、バリージェンキンス的な色彩を感じる映像が綺麗でした。
お話は、苦しくて切ないエモーショナルな、いいお話でした。
立ち直れる方法がある??
高校生活をレスリングに打ち込むタイラー。彼の高校生活はバラ色のように思えるが、ふっと気づくとオピオイド(Oxycdone)を飲んでいるようだ、父親のキャビネットからそれを取り出している。これは衝撃!バラ色の人生は問題だらけになるのが目に見えているからだ。常習性のある痛み止めで、この常習で、マイケルジャクソン(?)やプリンスが死んでいる。それから、ガールフレンドが妊娠したようだし、タイラーはレスリングを休み肩の手術を医者に勧められる。シーズン中でスカラーシップをもらって大学に行きたいようでレスリングを休みたくないので、親にも誰にも言わず、一人でなやむタイラー ウィリアムズ。
下記のような問題点のなかで生きている高校生。
酒のみ運転、
ドラッグ(エクスタシーなどのカジュアルな)の常用
アルコールの常習、
富裕層に手に入りやすいもの
スポーツを動物のように扱うコーチ、
スポーツ優先ででスカラーシップをとって大学に入る
10代の妊娠
プロチョイス/プロライフ、ー生き方
家族の会話の希薄さ
暴力
SNSいじめ
司法の盲点(個人的見解ー18歳以下が刑務所で大人と一緒に扱われる。ガールフレンドが妊婦でもあり、三十年求刑)殺そうと思って殺してない(事故)が48歳まで務所暮らしをする。ータイラーの務所生活は描かれていないが、大人の受刑者と混じって、悲惨だと(暴力、恐喝、レイプなど?)思う。これで、タイラーはたちなおれるだろうか??立ち直らなければいけないのに。
2部のような続きがあって救われた。エミリーと父親が釣りに行って、二人が自分たちを曝け出すことにより、心の負担が軽くなって、次のステップができるるシーンが良かった。タイラーが起こした事故により、家族がバラバラになり、それぞれで悩むより、お互いが懺悔する方が、心の浄化になるし、今を考えて生きていかなきゃならない。この三人が団結する時なのだ。そうは簡単に問屋は卸さないが、父親の『だいじょうぶじゃない』という本心を告白するシーンが好きだ。エミリーの助言によって、エミリーのボーイフレンド、ルークは暴力をふるわれ、死期が近い父親にミズリー州まで2日かけて会いにいく。末期癌で喀血している父親はルークの胸元で泣く。『今までのことを許してくれ』とは言わないが、その意味をわかって抱きしめて赦すルーク。お互いに許し合い、癒される。それをみて、エミリーも次のステップにすすんでいけると。
Shazam映画
でもシリアスなトーンになると急にピアノがポロローンみたいなステレオタイプ劇伴になるのね…っていう。そこまで音楽にこだわるならドローンとかでも良いのではと思った。
以下はほんのりネタバレの寝言です。
エンドロールのクレジットは妹のエミリー役が先だったので、ひょっとして主人公は妹だったのかな? と思った。
ストーリーの切り取り方とカメラワークが独特な浸る系作品。
日頃あけすけでタイトな映画ばかり観ているのでこのゆったりムードに慣れるまでに少し時間がかかった。あとグルグルカメラと激しい明滅があるので人によっては酔うかもです。
アマレスなら「フォックスキャッチャー」、家族の地獄なら「アメリカン ビューティ」、プレイリスト映画なら「ベイビードライバー」、そして叙情的な黒人映画としては「ムーンライト」の方が、などと無粋なことを思う。
妹がかわいいかった。
兄貴は金髪ポーズのマッチョなのでちょっと松本人志に空目。むしろ松っちゃんがマッチョな黒人男性に寄せて行ってると言うべき?
パパも辛かったんだろうけど、あの転向ぶりはちょっと都合が良すぎる気もする。
それが主眼ではないにせよ、マチズモの暴発の結果を女性が後始末するというのは古式ゆかしいいつもの構図だし、私には根本的な解決になってない気がしました。
キラキラした若いカップルの場面で同時にパパとママにもきっとこんな時代があったんだろうなと考えたりしたけど、だからって彼らに解決策があるわけじゃなく、タイラーはもう戻れない。彼の肩関節のように。まだたったの18歳なのに。これからも波のように繰り返されるだろう、ありふれたアメリカ家庭の悲劇。
途中、もしや妹が兄貴のやったことをループするのか?と思ったけど、そこまでは鬼じゃなかった。
タイラーは結果的にこの一家にとってキリストのような存在だったのかなあ。「俺は神」だし…
水の場面が多い作品で、観終わって外に出ると偶然にも雨が降りだしていた。それで水は神(の慈愛)の象徴ってことだったのかなと気づくなど。
wavesは、もちろん人生の波と音楽のダブルミーニングなんでしょうけど、正直あんまり音楽の使い方がピンと来なかった。
それにしても、頭にA24のロゴが出て、走る車の窓から人が顔を出すとつい余計なこと考えて緊張する。アリ・アスター監督のせい。。
インスタ映画。
彼女もいて部活も好調な主人公タイラーが、肩の不調でレスリングを続けられなくなり、彼女が妊娠して、、どんどん追い詰められていく話とその妹のエミリーの話。
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この映画、前半はタイラーの話で後半がエミリーの話っていう2章立てになってる。私は前半がめちゃくちゃ好きで、後半はちょっとダレちゃったなぁ。
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でも構造はよくできてて、画面のサイズが前半までに徐々に狭くなるにつれてタイラーも追い込まれていく、それが後半、エミリーの心が回復していくと共に狭くなったサイズが広がっていくっていうミラー構造になってる。
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画面のサイズだけじゃなくて、同じような場面が前半と後半でいくつか出てくる(ドライブシーンとか、ドラッグやった後に車のドアから顔出すシーンとか)。ウェイブス(波)っていう題名と同じように上がって下がって上がってるんだねぇ、よくできてるわ。
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あと何よりオシャレな音楽と映像がまさにインスタ。見てると酔うってレビュー見かけたんだけど、これって普段からGoProで撮った映像とか、インスタ、TikTokを見慣れてるかで変わる気がする。私は大丈夫だった。
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そう考えると、10代20代に受ける映画かな。元カノのインスタ見てもう新しい人できたのか?って1人で先走ちゃうこととか、気になる人のインスタを見てポテト食べてるだけの映像が投稿されててこいつまじかって思ったり、今の世代の人が見たら共感できることが映像だけじゃなくて沢山あると思う。
対比
初めて書くレビューなので駄文ですが悪しからず。
この映画はまさにwave"s"だった。
まず、360°回転するカメラ、兄が元カノを殺した後から狭くなるスクリーン、妹に彼氏ができてから元のサイズに戻るスクリーン、そして最後はまた車の中で360°回転する。360°映すことでスクリーンに映せる最大のサイズにしたのではないだろうか。最大から最小へそしてまた最大へと波打つかのように。画面が普通のサイズから回転するシーンに移る直前、音楽の鳴る方向が回転していき、"お、回るか"と期待させてくるようでとても心地が良かった。このようにこの兄妹の心情とリンクして画面のサイズが大小と変化していった。
次にホームパーティーの光とパトカーの光も印象的であった。兄が殺人を犯す直前、家の中は赤と青の光に包まれておりパトカーのサイレンを連想させた。その後、案の定パトカーの光が画面いっぱいに映る。"妹編"の時も最後にパトカーの光が一瞬映ったがそこは無理やりだと感じてしまった、、
そして最後のエンドロールが終わった後の息づかい。これは兄が殺人を犯す直前の荒々しいものとは違い、安心したかのような妹の息づかいであった。このエンドロール後を聴かなければこの映画を観たとは言えないのではないか。
この他にも対比するシーンは多かったが、このように対比を繰り返しまるでたくさんの波を打っているかのようだった。であるからwave"s"なのではないだろうか。
映像的にとても綺麗で満足のできる映画でした。最後まで読んでいただいた方はありがとうございます。
‥ ‥ 高校生の限界っ❗️
(千代の富士関の引退会見風)
近所の中でもちょっと古くて人の集まらなさそうな映画館でこの作品をチョイス。
実際の鑑賞者は👤他1名でした👤
(後日談: その後、閉館しました。)
常に部員を最新鋭のレスリングマシーンに鍛え上げようとするあさってな教育方針の高校の部活と、日々それを叱咤激励する完璧主義の父ちゃんに追い込まれた思春期の息子が、負傷していた肩を壊して自暴自棄になり、喧嘩してキレたはずみで彼女を殺めてしまい、一家もろとも転落してゆくという様を描いたストーリー。
映画って‘あらすじ’を知らずに観に行った方がより楽しめるだろうに、観るか観まいかを判断するために取りあえずどんな話だろうかと調べてしまうところがジレンマですね〜。
男だからなのか、脳筋だからなのか‥ とにかくキレてしまったり、ましてや暴力を振るってしまうと何かと後に禍根が残りますので、明日は我が身で己を見失わぬよう気を付けたいものです。
(人は怒りをどこまで制御し得るのか🤔!?)
ですが、我を見失ったお兄ちゃんが収監された後の落ち着いた妹ちゃんのパート💞では眠気にやられてしまいました😪
人は哀しいかな間違いを犯してから色々と気付く。‥でもまた同じように怒りを溜め込む場面になった時に、今度は過ちを回避できる‥ほど一度の学習で改められるなんて出来の良い人はなかなか少ないのでは⁉️
人が変わるのって難しいス😔
傑作、ただし日本ではその限りではありません。
日本人には残念ながらあまり馴染みがない、分からない要素が盛り込まれているので、RottenTomatoの審査員&オーディエンス評が80%越えと高得点なのに対し、日本の評価が3〜3.5という差が出てます。
本作はストーリーに関しては割と王道で、語られ尽くされてきた、家族のしがらみや恋人とのすれ違い、キャリアの挫折、思春期の葛藤を描いてます。ただこれまでと全く大きく違うのはそれが最高の楽曲を通して伝えられる事、また美しい色彩で脳に直接訴えかけてくるところにあります。カメラワークや効果的な対比表現を使った演出も秀逸で、若手監督と設立まだ10年足らずのA24だからこそできる、実験的な要素が盛り沢山でした。
■プレイリストムービーと言われる所以
20代から30代で全米ヒットチャートを耳にしてきた人なら誰しもが舌鼓を打たずにはいられないタイラーザクリエイターやエイサップロッキー、実験的な音楽とクリスチャンのエッセンスを盛り込むチャンスザラッパーやR&Bの未来フランクオーシャン、ヒップホップのキングとも言われるケンドリックラマー、そしてかつてクイーンオブブルースとも言われたダイナワシントンなど新旧の天才達が約2時間の映画で耳を満たしてくれます。
音楽を好んで聴く人なら分かるであろう、自分のシチュエーションと音楽が完全にマッチする心地よさ、この映画はそれを2時間味わえます。
例えば冒頭で使われるアニマルコレクティブのフロリダダという曲。橋についてのリリック部分が使われ、主人公タイラー達はとても幸せそうに360度回転するカメラワークと共に橋の車を走らせています。まるでこれから起きる波乱への橋をもう渡り始めてしまったと汲み取れます。なので彼らはきちんと前も見ずに、危なっかしくも自由で若い、エネルギーに溢れた運転をしています。
また恋人とのすれ違いが起きる部分では、タイラーザクリエイターのIFHY、歌詞は"お前を嫌いだが愛してる、俺は愛を続けるのが得意ではない、お前は完璧でいるのが得意、俺たちはトラブルを起こすのが得意"というリリックが重なります。誰しもが共感できるんじゃないでしょうか。
ダイナーのシーンではダイナワシントンのワッタディファレンスデイメイク。1日でこんなに違うなんて、たった24時間過ぎただけなのにと、この映画の要素を代弁しています。(それも映画では2回ダイナーで流れ、それぞれが別の捉え方ができます)
タイラーの恋人がダンスパーティで消え去るシーンでは、エイミーワインハウスのlove is losing game。恋は負け戦であるという歌詞ですが、それよりもここで語られるべきはエイミーワインハウスはオーバードーズで若くして亡くなっています。まるでアレキサスの未来を物語るように使われます。
タイラーがキャリアも恋愛関係も歯車の調子が悪くなり、ドラッグと酒で友人とヤケを起こしますが、その際に使われるのはケンドリックラマーの名曲バックシートフリースタイル。ラマーが気持ちが大きくなって無茶をした16歳の自分自身を歌った曲ですが、まさにタイラーのそれを体現しています。
このほかの楽曲全てが、作中の状況とリンクしており、読み解くにはその曲の意味を汲み取り、アーティストの背景を知る必要があります。ただ日本では残念ながらその英語力を養えていないし、アーティストのトピックスも日常には入ってこないためこの映画を100%楽しめないという結果に。
■対となるメタファー
第一幕のタイラー編ではハッキリと対照的なものの見方で描かれます。そしてその対となるものは赤と青という2つの反対色で表されます。例えば興奮、怒り、高まりなど起伏の激しい時は"赤"を象徴的に使っています。カーテンの色、中絶をさせに行く際のタイラーの服、ダンスパーティーでのアレクサスのドレス、ドラッグをキメた時も赤い炎が燃えさかります。
一方で気持ちが穏やか、無感情、サイレンスなシーンでは基本的には青で統一されています。部屋の色、家族団欒でのシーンでの服の色、海など。エイミー編での学校は無関心や放心を表すかのように殆どが青です。これは美術担当がネオンデーモンやスプリングブレイカーズを手掛けたエリオットホステッターによるものということもあるでしょう。オンリーゴッドフォーギブスでレフン監督がしたように、ハッキリとした上下関係や対立を表すのに効果的な演出だったと思います。
第二幕のエミリー編ではその境目がだんだんと曖昧になります。父の懺悔、親子という切っても切れない関係を受け入れること、男は強くあるべきという前時代的な思考の棄去、肌の色、宗教、性別全てを排除したものの考え方になっていく、いわばキリスト教的な隣人愛(分け隔てなく愛すこと)へと変異していきます。そのためこれまで赤と青で隔てられたカラーは徐々に希望の黄色を帯び、やがて虹色になっていきます。ちょうどそれはスプリンクラーの虹や、車にぶら下がるエアフレッシュナーで表現されます。
■実験的要素
新進気鋭の配給と監督ということもあり、積極的に新しい試みが盛り込まれていました。360度回転するカメラワーク(あれはどうやってるんでしょうね)や、同じ曲を映画内で二回使ったり、腕立て伏せにパンしたり(まるでシャイニング!)、テキストチャットの効果的な使い方。そして何よりも良かったのはアスペクト比の変化。It comes at nightでも使われていましたが(監督が同じ)、トータルで4回アスペクト比が変わります。これらは登場人物の心情を観客にリンクさせるために非常に効果的だったといえます。mommyの1:1が1:2になったシーンを思い出した方も多いのではないでしょうか。
■総評
上記にて説明したようにエドワードシュルツ監督の体験とプレイリストをベースに我々が見るというよりも体験できるような今作wavesは聞いたことあるようなストーリーでも、より豊かに、鮮やかに描かれていた事がわかります。唯一悔やまれるとすれば、冒頭で述べようにそこまで日本ではヒットしていないために大きなスクリーンや極上の音響環境で本作を見れない事が残念で堪りません。
いま、無事なのは奇跡!?
若い時は、つい感情に走ってしまう。あとから後悔する。つい数秒前には愛してるって言ってたのに、いまは、亡骸に。ボヘミアンラプソティの歌詞が耳に響く。両親は、特に成功していると感じている人は、自らを思い出し、失うのが怖いのでつい厳しくなるが、それが裏肌になるんだ。終身刑だって!これからなのに彼の人生は!せめて妹さんが幸せになってくれるなら。
色彩とカメラワークが独特
フライヤーの色の美しさにひかれて鑑賞。作品自体もすごく色がきれいで、ビビッドな色が目に飛び込んできた。
そして没入感のあるカメラワークも印象的。
今フライヤーを見返すと、名曲をたくさん使った「ミュージカルを超えたプレイリストムービー!」みたいなことも強調されてるけど、そういう印象はあんまりなかったかな。。私が洋楽をあまり知らないからかもしれないけど。音楽良かったとは思うけど、ストーリーになじんでてそこまで目立ったものと思わなかった。
ストーリーもそんなにポップなものではなくて、最近観た邦画の『許された子どもたち』みたいなシビアな目線を感じた。
人生の歯車はどこで狂うかわからない。主人公の男の子は若くて愚かではあったかもしれないけど、あんな辛い運命にあわないといけないのか。。
人種差別を描いている映画でもあると事前にどこかのレビューで見ていたけど、黒人であるがゆえに理不尽な差別を受けて明らかに貧しくて…みたいな境遇をわかりやすく表現するのではなく、お金持ちで成功している家庭、という描き方が新鮮だった。だけどその裏には、だからこそ誰にも後ろ指をさされないように生きなければいけない、という切実さが感じられた。
うーん・・・ スタイリッシュなだけかな…
辛口です。※ネタバレです
話題になるだけあって、映像も音楽もイケてます。さまざまな楽曲が登場人物たちの気持ちや場面にリンクする。
あぁ、斬新な見せ方だな、と感心はしました。
ですが、冷静に考えるとストーリーはありがちなもの。
やたらとハングリーで独善的な父親に押し付けらた理想像に追いつけず息苦しくなってたところに、致命的なケガ、レスリング選手としてドクターストップがかかった上にタイミング悪く恋人の予期せぬ妊娠にパニクる高校生。
彼、優等生だったのに。
あれよあれよと言う間に最悪な方向に急降下する展開が少し思考に追いつかない。
主人公がゲスすぎる。
すぐキレる、彼女に暴言・暴力。挙げ句の果てには殴り殺す。
最低やな、こいつ。
誰も相談できる人もいない。そしてどんどん自分を追い詰めていく。
一見幸せそうな中流家庭なのにね。
後半は「殺人犯の妹」の立場のお話。
家族の再生?まで。
救いは妹の彼氏かな… さすがルーカスくん、ごく自然に演じてて、好感持てた。
メッキの剥がれた家庭の姿。意外と脆かった、という・・・
人を殺めるという最悪の事態は避けられたはず。
自分に自信満々で人に理想を押し付けていた父親、なんだか私の父に少し似てて、胸がチクリ。
被害者の遺族に対してもっとお詫びの気持ちはないのだろうか?
加害者側としての自分たちの苦しみは、罪のない娘を無残に殺された彼らの悲しみに比べようもない。
私が遺族なら、この高校生を殺す。
その辺りをもう少し描いて欲しかった。
もうひとつこの家族の気持ちに入り込めなかった。
人間、傲るべからず。
子供をコントロールできてるなんて思い込まない方がいい。
あれだけ一緒に過ごして、実際は子供の心の悩みなどに一切気づけていない鈍感な父親だったし、結局は自らの厳しい子育てのせいで子供を追い詰めていた。
自信喪失し、世間からも非難され、すっかり肩を落とし娘に詫びて涙を流す父親の方が人間らしい姿で、ようやくその悲しみに心寄り添えました。
何かとスタイリッシュに演出された映画ですが、内容にはあまり期待しない方が良いかと。
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