「繰り返し寄せては返す波」WAVES ウェイブス 星月夜さんの映画レビュー(感想・評価)
繰り返し寄せては返す波
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今まさにミナリが話題になってますが話題のA24
本作は若き才能トレイ・エドワード・シュルツ監督が脚本を手がけた青春ドラマということで期待大だった。
溢れ出す色彩と音楽。
そして青春の光と影をたくみに描き出すストーリーに心揺さぶられた135分間。
美しいフロリダで暮らす主人公タイラー…成績優秀でレスリングのスター。美しい恋人もいて何不自由のない毎日を送る高校生。
やがて人生の歯車が狂い始めた時に彼の苦悩する姿が痛々しかった。
激しく揺れる主人公の心情を象徴するような赤と青の光を使った映像が斬新。
車内をクルクル回るカメラワークも斬新。
タイラーの視点から挫折と崩壊を描いた前半と妹エミリーの視点から再生への希望を描いた後半。
台詞が少ない登場人物の代わりに豪華アーティストの31曲を流すプレイリストムービーという新しい試み。
英語の歌詞が分かる人はもっと楽しめるかもしれないね。
青春の挫折、親子の在り方、恋愛、家族の絆。
そして愛し赦すこととは?
…普遍的な課題について観ている側へも問いかけてくる。
どんなに挫折してもきっと未来への希望はあると信じたい映画。
…繰り返し寄せては返す波のような愛さえあれば。
フィル◯からの試写会で鑑賞。
監督登壇の予定が中継だった。
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