ジョゼと虎と魚たち(2020・アニメ版)のレビュー・感想・評価
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リアリティの無い人間ドラマ
登場人物に悪者が多い話は好きじゃない。
もっとも、最初から「悪者」をテーマとした作品であれば問題無い。
しかしこの映画は、何かを引き立てたり、強調するために無理矢理悪者を登場させてる感が強い。
例えば、車イスにぶつかっておいて「てめぇからぶつかってきたんだろ」と暴論を吐く男。
ジョゼを外出させない訳は「外の世界は虎ばかり」とのことだったが、こんな奴ばかりいてたまるか。
外出しない理由付けとしては少々無理矢理ではないか。実際車イスで外出してる人なんて現実世界には大勢いるのだから。
ジョゼの性格も捻くれが過ぎる。
体を張って助けてくれた相手に、お礼を言わないどころか、噛み付いて変態呼ばわり。
この時点で人格歪みすぎてて好感度ゼロである。
この先恋愛ストーリーに持っていくからには、それ相応の株UP展開が必要だと思うのだが、なんか流れで付き合っちゃった感が強い。
他にも主人公の友人女性や、教育施設?の男性など、とにかく性格や口の悪い人物がこれでもかと現れる。
世の中そんな酷くない。展開を進めるための「無理矢理感」があまりに目につく。
そんな「無理矢理感」はとどまることを知らない。
主人公は金払いが良いという理由だけで、会ったばかりのバイト勧誘を了承。
更には、当日までバイト内容すら聞いてない。
友人の前でジョゼの悪口を吐くほどストレスになっているのに、高額な給料に釣られて辞めない。
挙げ句の果てに、中盤以降はジョゼとデートしてただけなのに、普通に給料を貰っていたらしい。
心臓の悪いお婆ちゃんと車イスの少女という家庭から、高額な給料を…。
ちょっとした矛盾なんかは「まあ創作物だし」で済ますのですが、一つ一つの展開がいちいち無理矢理で、お話の肝となる部分もとなるとさすがに看過できない。
リアルな人間ドラマを描く作品なのに、リアリティーが無いのは致命的だと思う。
「怖いものを見ておきたい」との理由で二人で見に行った虎を、終盤はジョゼ一人で観に行った。
主人公の海外留学を前に、一人で生きていく決意を象徴するシーンである。
この辺は非常に小説的で素敵な描写だなと思うので、こういった良さを活かしきれない雑さが残念でした。
同タイトルのアニメ版
昔同じタイトルの実写が確か妻夫木聡とか出演で映画化された覚えがある
内容すっかり忘れていて一から観た感じ
アニメなせいか綺麗に描かれていて
障害者の逃れようのない現実感は存在してない
明るく原色に近い色使いで美しく描かれた物語と思った
強いて言うなら綺麗過ぎと予定調和感は否めなかったな
障害者を囲む環境を変えようと明るく励むのが最近の流行だが
楽しんでるの健常者だけじゃなぁい?大丈夫??
って聞きたくなってくる
綺麗事だけじゃ収まらないんだからシリアスだけど暗くならないのが
求められてるんじゃないのかなぁ?
そんな疑問がついて回った映画だった
内容は決して悪くはなかったんだけど一言言いたくなる感じかも
監督が「海でお姫様抱っこしてクルクルするシーン」が好きなのはわかった
ジョゼの予告を観て、ジョゼに惚れました。
キャラクターデザインも好みだったし、eveの曲も良かったので、すぐさまムビチケを買いに映画館へ走りました。特典のポストカードは今もデスクに飾ってお気に入りです。
公開まで我慢できずに、漫画版をオンラインで買って即完読し、感涙しました。
すぐに紙媒体が欲しくなってネットで注文してしまいました。今は紙版が売り切れか品薄のようです。ラッキー!もし映画を観て好きになった方が居たら、是非漫画を読んでみてください!
グッズいいなぁ!ポストカードもジョゼの描いた絵かな!?欲しいなぁ!
映画めっちゃ楽しみだああああああ!泣くぞおおおおおおおお!!
・・・ここまでが、映画を観る前の僕です。
・・・ここからは観た後の僕です。
ファンなので甘めな採点をしましたが、映画作品としては☆3が妥当かと思います。
一言でいうと『「聲の形」みたいなの。』
身体障碍者であるヒロインと主人公の青年が出会い、互いに挫折や成長をしていくというものなので、どうしても「聲の形」と比較してしまうのは仕方ないのですが、感情移入できる演出が薄く、それっぽいもの見せられるだけです。
もし泣けるのが見たかったり、設定やキャラクターに惹かれて作品を観たくなった人は、漫画版を買うことをお勧めします。一般料金払うよりちょっとお金足してそっち読んだ方がめっちゃ泣けます。
この映画に対する評価の原因は、作品の魅せ方が残念すぎるということ。
まず全編通して「引き」が多く、キャラクターに寄ったカットが少ない為、肝心なキャラクターの心情などが分かりづらい。
この作品、漫画版を読んでいたのであとあと盛り上げるための重要なシーンが結構あるんですけど、それも一応描かれてはいますが細かすぎてわかりません。
おかげで感情移入できないままお話が進んでしまうので漫画で泣いたポイントでも泣けず…あれ?ぼかぁどうしたんだ?泣けないぞ?となりました。
そして映画版では漫画になかったシーンを足してあり、漫画を読んでいたファンも喜ぶサービス!
・・・と、思いきや。余計なシーン追加。
なぁ、エンドロールに外国で友達とくっちゃべる描写は大切か?
光の海に来た理由は魚だろ?みれたのか?留学して友達とくっちゃべる描写は何枚もいるのか?
絵本作家にはなれたんか?よく考えたら紙芝居以外で描いた絵なんて全然出てこなかったよ。ポストカードの絵はどこで出てきたんだ?
なんで劇中のあったシーンをエンドロールでも持ってくるんだ?いいシーンだけどそんなにくるくるさせたいか?
・・・など、疑問ばかり浮かぶ始末でした。
監督さんは初監督?らしいので、足らない部分や至らない点は、まぁ仕方ないのかもしれません。
動くジョゼはとっても可愛いよ!海の中の演出も良かったし、ばあちゃんのグリコもよかった!
キャストたちの演技も名演!違和感もなくてとてもよかった!特に東北弁がつい出ちゃうとことか、自然で素晴らしく良かった!
ただ、期待に対するがっかりが大きくて、2回目を観る気になるの難しいかも・・・
ベタだけど良い!!!
恋愛物は、ストーリー展開が似通ってるのが多いと思ってる。この作品も漏れず違わずに、やはり上げて下げてのハッピーエンド。
でも、それでも心動かされ感動してしまう。
ヒロインの心情の揺れ動きに自分も同調してしまい、作品にどんどん引き込まれる。
そう言う作品で登場人物達が頑張っている姿を観ていると、自分も頑張ろうと思えて、作品を観終わった後にはなんだか元気になれて、観てよかったと思う。そんな作品。
でも、欲を言うならもっとキャラクターの心情の機微を丁寧に表現して欲しかった。
この映画は「何」を描きたいのか?
※原作も実写映画も観ていない状態で本作を鑑賞し、その後実写映画も鑑賞。
評判のアニメ版ですが、正直「この手のストーリー」にはもうウンザリです。
何か男子と女子が坂とか角とかで激突して、女子がヒスって「どこ見て歩いてんのよ!」「どこ触ってんのよ変態!」とか、一体いつまでやってんだよアニメは!!!
~って感じです。
あと、やたらしゃしゃり出てくる「小動物」も要らないです。
(『バケモノの子』とか『天気の子』とかがやるから、他が真似するんですよ)
あとから観た実写版にも犬が出てきますが、本作の猫は全く要らないでしょ!
本作に出てくる黒猫は、尺を埋めるためだけに呼ばれもしないのにニャーニャーしゃしゃり出てきているようにしか見えませんでした。
98分という貴重な上映時間ですら「猫」で時間稼ぎするようでは、この作品の底の浅さが見て取れてしまいます。
本編の主人公・恒夫に関してですが、正直「見ていて面白くない」ですコイツ。
なんか充実した大学生活を送っている、割と誰もが憧れる典型的なラノベの好青年という感じで、彼の私生活を垣間見ても人間的な面白みを感じないんですよね。
所謂「王子様」だから、爽やかでカッコイイ面しか映らない。
「綺麗な絵で動く美青年」が見たい人にはこれで丁度良いのかもしれませんが、僕は彼に何の魅力も感じなかったです。
続いてヒロインのジョゼ。
「ツンデレ」ということなのでしょうか。
あとで可愛らしいところを見せて、ギャップ萌えさせたいのかは知りませんが、そういう「要素」とか要らないです。
とにかく可愛げがなくて、愛想も悪くて、観ているコチラ側にしてみたら「『映画』に出てるんだぞ?オマエ!」と怒鳴りたくなるくらい、第一印象は最悪でした。
というわけで、魅力の無い男と印象の悪い女が平行線を辿るだけの序盤の「バイト」のシーンは、ただただ地獄のような時間でした。
本当に、この時点で「何を描きたいの?この映画」でした。
「この二人が何かのきっかけで急接近して、紆余曲折を経てまぁ『結ばれる』んだろうけど、その過程をダラダラ見せているだけならマジで時間の無駄だな」
案の定、中盤から二人でイチャイチャするシーンが始まるのですが、これはもう「前に観ました」。
『君の膵臓をたべたい』で!
本当に日本のアニメーション映画って、こんな引き出ししか持ち合わせてないのでしょうか。
(みんなで同じ引き出しを引っ張っいるから、取っ手もユルユルでしょうに・・・)
そうこしている(笑)うちに、やっぱり些細なことで二人の関係に溝が出来て、挙句の果てに主人公が事故で大怪我をするわけです。
・・・もう一度伺いますが、「何を描きたい」んでしょうか、この映画は?
恒夫の痛々しい姿を見せて、「このように、障碍者と健常者が付き合うと、常に危険が伴う」とでも言いたいのでしょうか。
それとも、「こんなにも最悪な状況から、二人はどうなっていくのでしょうか?とくとご覧あれ♪」とでも言いたいのでしょうか。
・・・これが「エンタメ」ですか?
映画館に入った人を、ただ単に「ハラハラドキドキさせてから、最後に感動させて泣かせる」ことだけを考えてこの作品を作ったのであれば、非常に不愉快ですし、もし「そうでない」のならば、もう日本のアニメーション映画に何も期待できなくなってしまいます。
僕は、アニメーション映画にも実写映画と同等に「衝撃」を求めています。
「『人間』を描く」という表現は、結末まで見逃せなくする連続テレビドラマとは違い、映画ならではのものだと思っています。
本作に充分感動できた方からは「勝手に一生求めていろ」と言われそうですが、やはり「作る」からには、何かしらを「表現したい」わけでしょうから、そこから目を瞑ることは僕には不可能です。
~さて、話を戻しますが、本作を観た人の多くが「感動した」と賞賛する「絵本」のシーン。
僕は苦手・・・というか「嫌い」です。
僕は、この絵本は「描く『主人公』を間違えている」と思っています。
ジョゼは、事故から立ち直れない恒夫を励ますために「恒夫を『主人公』にした物語」を作ってしまったわけですが、僕が恒夫なら「勘弁してくれ、もう放っておいてくれ!」とその場から逃げ出すかもしれません。
「北風と太陽」で喩えるなら、ジョゼの絵本は完全に「北風」です。
「押してもダメ」なのに、別の方法でまた「押している」んです。
「引け!」と。
「照らせよ!」と。
マジでつくづく「一本調子」ですね、この映画!!
「馬鹿の一つ覚え」と言っても良いでしょう。
※しかも、このジョゼが絵本で語る内容は、いまの今まで「劇場で観て知っている内容」です。
それをもう一度「絵本で説明する」んですか?
僕はただの「時間(尺)稼ぎ」としか捉えませんでした!
映画で感動した人たちは、自分があんなことされて・・・つまり自分の辛い出来事を人前で「作り話」に仕立て上げられて晒されて、素直に感動できますか?
僕には耐えられません。
寒気すら覚えます。
「イタイことしてるな~コイツ・・・」と。
ジョゼが「やるべきこと」は、「自分の心(の弱さ)をさらけ出す」ことでしょう。
自分がどんな気持ちで外に憧れを持ちながら生きてきたか。
自分の前に恒夫が現れたことで、自分がどんなに救われたか。
「恒夫、ありがとう」
これが絵本の場面で言えなかった時点で、本作は救いようの無い駄作になったと思います。
でも恒夫は馬鹿だから、お人よしで「馬鹿」だから。
真に受けて「立ち直っちゃう」んです。
ね?ちっとも「面白くない」んですよ恒夫は。
赤ん坊がすくすく育って立つ姿を見届ける近所のママ友のように、みんなで見届けながら微笑ましく恒夫の「あんよ」を見届けるわけです。
(暴言ですよね、分かってます)
とにかくコース料理のようにスムーズに「起承転結」を提供する本作が、最後に「粋なサプライズ」を仕掛けます。
これも「実際に自分がされた」としたら、非常に迷惑な話です。
なにしろ、「事故の大怪我から、ようやく歩けるようになったばかり」の「大雪の日」ですから!
このレストランは、「締めのデザート」にいきなり「おあずけ」を食らわせて、またここで一騒ぎ起こそうというわけです。
(シェフを呼んで来いシェフを!!)
クライマックス。
いよいよ「冒頭の悪夢」が蘇ります。
「またやるのか、コレを・・・」と。
「人は同じ過ちを繰り返す・・・まったく」
そう嘆く、某エースパイロットの声が頭を過ぎったわけではありませんが、「今の二人ならこの局面を乗り越えられる」ことを証明するために、わざわざ・・・わざわざ「同じハプニング」を引き起こさせたのでしょうか?
もう三回目になりますけど、一体「何を描きたくて・・・いいや、もう疲れた。
1回目の「激突」でも「恒夫が無傷」なのには、「これは『ドラえもん』じゃねぇんだぞ!かすり傷一つ無いってどういうことだ!!!」と激高しましたが、松葉杖をついて雪の中を歩く恒夫が、
・・・もう一度います。
「松葉杖をついて雪の中を歩く恒夫」が、坂道を猛スピードで突き進む車椅子から放り出されたジョゼを「ナイスキャッチ」。
これか?
これなのか、「描きたかったこと」は!?
この瞬間とそのあとのイチャイチャシーンで観客をホクホクさせるために、90分以上かけて「お膳立て」をしたわけですか?
これは・・・あまりにも酷い・・・辛い。
(※自分で書きながら泣きそうです)
「虎の絵が上手」
「魚の絵が上手」
「障碍者の動き方、座り方が良く観察されていて上手」
「大阪の街並みがリアルで綺麗」
これだけでは、正直「元」は取れないです。
僕が観たかったのは「映画」ですから。
知ってる場所満載でワクワク(笑)
地下鉄御堂筋線車内の広告ステッカーで映画を知り興味を持ちました。
天王寺、なんば、天満、梅田、その他身近な場所が舞台で親近感が溢れました。
成田で観てるのを忘れました(笑)
小生意気なジョゼ、凄く魅力的でした。
実写版は未見なので、どんなもんなんやろと興味を持っています。
盛山さんの声は一発で分かりましたが、リリーさんの声はエンドロールで確認したものの、どれやったんかと全く分からんかったのが残念です(笑)
ツンデレ(笑)(デレはないか、、、)
何となく鑑賞したけど、面白かった。
昔邦画があったのは知ってるけど、ストーリーや設定は少し違うみたいだ。
恒夫がメキシコに飛行機で向かうんだけど、マスクしてないので、今の時期だとあれっ?と思った。映画のテーマは夢を諦めないことかなぁと思ったけど、コロナ禍では諦めた人が多そうだ。
祖母が亡くなったのは驚き。結構、健康体だった。亡くなることで、ジョゼの自立へと話が進む。
ジョゼは可愛いが、性格はツンデレ、いや、ツンツン。人とあまり接してこなかったのか、人付き合いが苦手そうだ。
映画をざっくり解説すると、山村クミ子(ジョゼ)と鈴川恒夫の恋愛物語だ。
鈴川恒夫は大学生でダイビングショップでアルバイトしている。小さい頃に鑑賞した熱帯魚の群れを観ることが夢なので、メキシコへの留学を希望している。(メキシコの海にその魚が沢山生息しているそうだ)。ダイビングショップの同僚、舞から想われている。
ジョゼは足が不自由で歩けない。両親はいないので祖母と二人暮し。祖母による過保護もあって、社会との接点はほとんどない。社会を猛獣がいる危険な所と認識している。
ある日、恒夫とジョゼは出会った。(ジョゼが坂上から制御不能となった車椅子が猛スピードで下って、途中投げ出されたジョゼを坂下にいた恒夫に衝突する。)それから恒夫はジョゼの祖母の依頼でジョゼの介護をする。時給は良いようだ。
ある日、道路で立ち往生しているジョゼを救おうとした恒夫は交通事故に合う。足の骨折により、もしかしたら足が不自由になってしまう。この事故により、決まっていたメキシコへの留学の話は頓挫した。恒夫は絶望する。
ジョゼは恒夫のために絵本を描いた。絵本を子供達に読み聞かせる際に恒夫も同席した。
翼を失った青年が、心の翼で夢を叶える、という内容の絵本に恒夫は感動して泣いた。それから恒夫は再び希望を持った。
初めて出会った時のデジャブが起きる。車椅子から投げ出されたジョゼを恒夫が受け止めると、二人は告白してキスをした。
やがて恒夫はメキシコへの留学を実現し、ジョゼは夢見ていた絵を書く仕事に挑戦する。
ジョゼが以前話していた桜の場所で、ジョゼは帰省した恒夫と再会する。
怖いけど怖いだけじゃない世界
予想通りのエンディングだった。
が、
そこに至るまでの物語は素晴らしかった。
生まれつき足の不自由なジョゼ。
限定された世界しか知らないジョゼ。
そんな彼女の心が解放されていく様を、清原さんは見事に演じていた。それに付き添う管理人の中川氏も、第1声から声優さんと遜色ないくらい馴染んでる。
物語は案外シビアだった。
彼女の置かれている環境もそうだけど、介添人の逝去や、就職。また彼女への視線やら態度が描かれる。
舌打ちされるような事を彼女はしていない。
鼻で笑われる程、他人は彼女を知らないはずだ。
容赦ない偏見の眼差しが彼女を刺す。
よく歪まなかったなと、祖母の教育方針に胸を撫で下ろしたりもする。
好奇心の海へ管理人と共に泳ぎ出すジョゼ。
そんな彼女の変化を1番喜んでいたのは祖母なのだろうと思う。
祖母の死も、管理人の事故も衝撃的だった。
現実では充分起こりうる。
なぜアニメでは起こらないと思っていのだろうか?
突然の不幸を目にした時、頭に浮かんだのは「ジョゼ…どうやって生きてくの?」だった。
おそらく俺が抱いたその疑念を、現実に抱え続けている人達はいる。主人公に感情移入する事で、そんな当たり前の事を失念していた自分に気付く。
ジョゼと管理人の立場は一転する。
支えられる者から支える者へ。
そして、お互いがお互いを支える者へ。
出来過ぎたラストだなと思いながらも、ジョゼの笑顔を祝福せずにはおられない。
ただ…色んなとこで転ぶジョゼを見て、冒頭の下り坂もそうだけれども。もう少し体の傷や、痛さも表現はして欲しかった。かすり傷1つない状態に「あー、2次元の話だった」と片付けてしまえる。
同名異人
ネットで評価が高かったので観に行きました。
高評価だけあって、今の日本のアニメーションらしい作品であり非常に良かったのですが、今の観客に合わせた作品のようにも思えました。
しかし、2003年版の犬童一心監督作品の方もリアルタイムで観ているのですが内容はすっかり忘れてしまっていて、でも本作とは印象が全く違っていたので比較のために無性に観返したくなり、丁度私のDVD録画コレクションの中にあったので早速観返しました。
そして、観返すと同じ小説のアニメ化・実写化なのかと思うほどに、(大まかな設定やあらすじは同じだが)まるで別物の作品になっていました。
となると、未読の田辺聖子の原作自体がどんな作品なのかが気になって、これも無性に読みたくなり短編という事で、近くの本屋で立ち読みしてしまいました。(本屋さん本当に申し訳ありません)
そこで原作と2003年版実写化映画と本作のアニメを簡単に比較して、最終的に私の好みはどれか?という事を考えてみました。
まず、ここから原作を①、2003年版を②、本作アニメ版を③と表記します。
でまずは、(書かれた、制作された)それぞれの時代が舞台設定となっているので、時代性の違いが一番大きく感じられましたが、私は全ての時代を生きて来たので、その違いによるギャップは無視できました。
共通するのは、全作品がジョゼと恒夫の恋愛物語であることなのですが、結末が全て違っています。①のラストは同棲継続、②は決別、③はとりあえずハッピーエンドという形で終わっています。
で、③が好きな人は②は受け入れられないかも知れませんし、①が好きな人は(結末は違うが)②も受け入れられる様な気がします。
そして、①、②が好きな人は③に対してだけでなく、全てを綺麗ごとで描く、現在の大衆娯楽の表現に対しての違和感を感じてしまうかも知れません。
例えば、恒夫の本来持つだらしなさや姑息さなどを含む人間臭さや感情の機微などの表現が、①でそれとなく漂わせて、②で強調されて、③で消しさられてしまった様に個人的には感じられました。
私も③を観終わった直後は、この作品の良さを素直に感じたのですが、②を観直し、①を読むことにより愛情の奥深さや感情のリアリティを更に感じ、原作の根底にあるテーマ(障害者の愛と幸福の形と、健常者の障害者に対する愛と幸福の形)の乖離を③に感じていました。
①のジョゼにとって完全な幸福は死というのは、③のジョゼの幸福とは決定的に違っていて、むしろ②のラストの方がそのニュアンスを表していた様な気もする。
なので、今では③は、①や②の深い部分での障害者にとっての愛の残酷さや喜びではなく、限りなく一般大衆に分かりやすく喜ばれそうな恋愛物語であったような気がしました。
まあ、なんにしろ③を観たおかげで、②を観返し①まで読むきっかけが出来たので良かったです。
鑑賞後に心洗われた気持ちになる、とても良質の作品でした。心の翼は、きっと誰にでもあるのです。
田辺聖子さん原作のアニメ作品。
どんな感じなのか興味が湧き鑑賞です。
「田辺聖子さんの」 と書いたものの
特段熱心なファンというワケでもなく
この作品も読んだことがありませんでした。
年明け最初の鑑賞
重苦しすぎるのは避けたいし、この作品が
ちょうどいいかな、との気分で観てきました。
◇
ふとしたキッカケで出会った男女
足が不自由で車椅子の少女 = ジョゼ
車椅子から投げ出されたジョゼを助ける大学生 = 恒夫
ジョゼの祖母に雇われる恒夫
ジョゼの日常生活の相手役を努めることに。
外に出たい けれど 外は怖いジョゼ
恒夫と共に、色々なところに出かけるようになる。
海
図書館
動物園
共に過ごす時間が増える二人。
昔からの夢がある恒夫
新しく夢ができるジョゼ
夢を追いかけ前を向く二人
恒夫を襲うアクシデント… きゃぁぁ
夢を諦めかけた相手に
勇気を持って手をさしのべる事の大切さ そして
人と人との繋がりの素晴らしさ。
それを描いた、心揺さぶられる素敵なお話でした。
とても良い作品です。
満足です。
帰り道の足どりが軽く感じられたのは
私の心にも翼を貰えたから。 なのかもしれません。
◇
で、
帰宅した直後に原作を読みました。
短編なのですぐに読了。
原作のストーリーがとても気になったからなのですが
その結果、この作品が原作の内容を
相当ふくらませて出来ている事を知りました。
登場人物
原作ではほぼ3人。
・ジョゼ
・恒夫
・おばあ
この作品で増えた主なキャラクター
・恒夫の親友(?) = 松浦隼人
・恒夫に恋する後輩女性 = 二ノ宮舞
・図書館司書の女性 = 岸本花菜
(・ネコ = 諭吉)
この登場人物の追加で、人間関係がより複雑になりました。
けれど、ムダに思えた人が、一人もいません。
みんな、
ジョゼ あるいは恒夫にとって
とても大切な役割を果たしていました。
その点からみても
すごく密度の濃いドラマだったんだな、と思います。
◇ あれこれ
劇中劇(紙芝居)
これも秀逸な内容です。
原作にあるかと思ったのですが、オリジナルみたいです。
「人間になること」
魔法の貝にそれ以外を願うと、人魚はアワになってしまう という設定
瀕死の若者の命を救うことを願った人魚姫
最後は… だめだあぁぁ
こういうの、弱いんです…(泣) ホント
主人公二人の声
を演じたのが
中川大志君と清原果耶さん です
二人の実写での演技が素敵なことは知っておりますが
アニメの声優としてはどうかな?
と心配だったのですが
登場人物のイメージに合っていたと思います。
とても良かった。
◇ 余談
空飛ぶジョゼ
車椅子から投げ出され、宙を飛ぶジョゼ
その図を見て なぜか
「射出されるモビルスーツみたい」
なんて 思ってました。 (しょーもないネタですいません… 汗)
パンフレット
買えば良かった…。
売り切れではなく、単純に買い忘れです。
買いに行ったついでにもう一回観ようかな。 …逆 ?
◇ 最後に
この作品のような良質な作品の
上映機会がもっともっと増えるといいのに。
そう思います。
☆映画の感想は人さまざまかとは思いますが、このように感じた映画ファンもいるということで。
素晴らしい!
結末には、いろいろ意見あるのもわかる。
現実は、そう甘くないよ。と自分も思う。
しかし、この映画は素晴らしいと思う。
登場人物が、すべて、個人の利益だけで無く、
友人の事を思って、行動している。
レビュー見ると、そこのとこ誤解してる人結構いる感じ。
ジョゼは、自分が別れる決意で絵本を書き、読み聞かせたのだ。だから、退院の迎えには来ない。
舞だって、告白してみて、
ツネオを立ち直らせることは、自分では無理だと
あらためて悟り、ジョゼを挑発に言ったのだ。
舞もラストではカップルになってる。
まあ、偶然過ぎもあるけど、
それを上回るストーリーの上手な展開。
人魚姫の物語で、今まで口に出来なかった感謝を伝え、
ツネオに心の翼の勇気を与えて、
自分は泡にならないで、
もとの自分に戻るだけだから、心配しないで、
あなたは、本来の自分に戻ってください!
て、事。
声優さんも、中川、清原、上手いじゃん。
泣ける作品ではないと思う
簡単にネタバレすると、絵の描ける車椅子の24歳女性(くみ子)が大学四年男子(恒夫)に出会って引き籠もりだったのが少しずつ外にも出るようになる。些細なことでケンカして恒夫がくみ子を追いかけてクルマに轢かれたけど絵本を描いて励ましたりリハビリを頑張ったら目標だった海外留学にも行けるようになったぜ。という話。
ボンズの作画は流石に素晴らしい。人物、背景、意外に動きのある描写、俳優さんも違和感ない演技。
ストーリーは凡庸。原作、実写映画とは違いレーティングもなし。引き籠もりになったような暗い人間関係も描写なし。恒夫のバイト仲間の舞も恒夫に惹かれていて告白されるも、結局、くみ子が好きだとなる。同情や打算や性欲といった汚いものなく、屈託のない表情をみせる跳ねっ返りのくみ子がいいというのは、大学四年男としては子どもっぽい。内容に毒がなく安心して見られるぶん薄っぺらいストーリーになってしまったのかなと思った。
原作(1984年)の時代からすると、バリアフリーや電動車椅子、電車の昇降補助、図書館の通路が広くとられているなど環境が相当改善されて不遇な感じもまた薄れてしまっているので別にくみ子が車椅子じゃないといけない理由も、よく考えると、無い気がしてくる。
説明不足が玉にキズ
主人公と車いすのジョゼが偶然出会うところから物語が始まります。
アルバイトとしてジョゼの世話役をする主人公。
祖母から外の世界は虎ばかりで、危険だと教わるが気になるジョゼ。
まず、ジョゼは主人公にただの嫌がらせを始める。
主人公を辞めさせたいのは分かるが、主人公は外の世界の恐ろしい虎だ。
もっと恐れや怒りを表す嫌がらせをして、次第に嫉妬や憧れの感情と繋げてくれればジョゼの感情をもっと表現できた。
いきなり主人公に強く当たっては、虎をも恐れぬ怖いもの知らずと思えてしまう。
それなら外に出ることを恐れないだろうに。
主人公と共に外の世界に導かれるジョゼ。
主人公には見慣れた世界でも、1つ1つに感動するジョゼを見て世界とは素晴らしいのだと気づかされてゆく。
祖母に外出を禁止されても好奇心には勝てず何度も約束を破ってしまう。
私たちの誰もが主人公に共感できるこの映画の見所の1つです。
タイトルのジョゼと虎が出会う場面が来るのですが、納得できない場面です。
序盤から一貫してジョゼはとにかく強いのです。
ほぼ初対面の主人公に対しても強気で文句を言い、祖母に対しても平気で約束を破る。
外の世界に対しても緊張するだけで恐れる描写はほぼ無く、主人公から逃げるために遮断機の降りている踏切にも入る。
恐れ知らずというか命知らずというか。
そんなジョゼが動物園の檻に入った虎を遠目から見て、怖いと言うのは違和感しか感じなかった。
普通の人からしたらジョゼの方が怖いだろと。
外の世界を虎と思い檻に入っていたジョゼと、外の世界に出れない檻の中の虎。
檻から出たジョゼなら、虎を可哀想と憐れむと私は思います。
そして唐突に祖母が亡くなる場面に移ります。
ジョゼは祖母に甘える描写も無く、祖母もジョゼには厳しい態度でした。
外から見ているとドライな関係と見えても、その絆は固く立ち直れないくらい落ち込んでいるだろうと私は勝手に思っていました。
主人公ともドライな関係に見えても実は好いているとするには、その場面が必要だからです。
しかし、ジョゼの悲しむ場面は一瞬も無い。
少しでも立ち直る流れを描かないと、ジョゼの心が心配になります。
そしてジョゼは主人公にアルバイト代が払えないから来なくていい、と伝えます。
主人公は「これで時間を考えず会いに行ける」と言うかと思ったら、本当に会いに行かない。
金が貰えなければ会いたくもないって事かと、ツッコミを入れたくなります。
主人公の同僚が心配してジョゼを訪ねるのです。
お人よしの主人公なら一番に動くだろと思うのですが、理解できません。
主人公の入院から絵本の場面がこの映画のクライマックスです。
私はこの場面が素直に好きです。
誰だって夢があって、でも実現できる人は少ない。
夢破れ傷つき立てなくなっても、いつかは傷を治し歩いていかなければならない。
外の世界を恐れ、檻に入っていたジョゼを導いてくれた主人公。
諦めている主人公を、今度はジョゼが救おうと絵本を懸命に作る。
ジョゼがどれだけ感謝していたのか、主人公を理解していたのかが分かります。
私はここで終わってくれたら良かったと思ってしまう。
ジョゼは主人公のお見舞いと、リハビリを見てるだけ。
ジョゼは主人公を好いているが、主人公はどこでジョゼを好きになったんだろうと思ってしまう。
今度はジョゼが主人公を病院から連れ出して遊んだり、主人公のわがままにジョゼが付き合わされるとかそういった描写を入れないと説得力がない。
面識のあるジョゼの祖母が亡くなった時に、会いにも行かない主人公の愛情は0くらい。
絵本を見たら大好きになりましたとはならないでしょう。
最後に主人公の退院の時、ジョゼが行方不明になる。
人魚が海に帰ったように、そばにいる事だけが愛情の形ではないのです。
ジョゼは別の道を歩むため遠くに移り住み絵本を書き、時を経て出版された絵本を主人公が読む。
そして主人公がジョゼを探し、仲良く暮らすのでした。
なぜなら絵本には続きが足され、再び出会い幸せに暮らす物語に変わっていたのです。って話を私は想像していました。
しかし結果は、ジョゼはウロウロしてて家に帰る途中滑って主人公がキャッチ。
なぜわざわざ、退院の日に連絡もせず虎に会い暗い時間になったのか全然意味が分からない。
序盤の破天荒なジョゼなら分かるけど、常識を身に付けたジョゼはそんな事しないでしょ。
全般に言えるのは説明不足。
映画自体は素晴らしいし美しいのだけど、何か理由が無いとそういう行動しないでしょって所がとても多かった。
いい映画だからこそ勿体ない。
時間をかけてお互いを理解する
この作品は自分が好きなEveさんが主題歌・挿入歌ともに歌われるということやそれが素敵な映像と共に観られるということで公開前からとても楽しみにしていた作品でした。
観てみて最初の感想は「あぁ、観てよかった☺️」でした。
映像や歌、そして台詞を読む声は思っていた通り、またはそれ以上にいいものでした。ジョゼが管理人に対してある意味で心を開いていく中で変わっていくふたりの会話。それは会話のセリフだけではなく声色にも現れていたような気がします。
ですがやはり1番引き込まれたのはストーリーの良さでした。ジョゼを助けるためにと飛び出した管理人(恒夫)が事故にあってしまった。そんな事はなく物語は進んで行くと思って観ていたものでしたのでとても驚きました(笑)自分の今までの頑張りが水の泡になる事だけではなく、身体的な面から自分の夢を叶えられなくなってしまったと思い、何もかもが良くなる主人公。人はやはり脆く、だが仕方ないと思いました。ですがそこで今まで自分がして来てもらったことを今度は自分が返そう!好きな人のために頑張ろう!というジョゼ、そして各々のやり方で恒夫を元気づけようと動く同僚たち。その甲斐あって恒夫の心に翼が生えたシーンは感動的でありました。
描かれてはいませんでしたが、ジョゼはもちろん、バイト先の同僚たちも恒夫に助けてもらった過去があるのでしょう、だから「今度は自分が!」と恒夫のために、人のために行動できる。僕はそんな風に人と関われているだろうか、関わっていきたいと思う。ジョゼと虎と魚たちのような優しい世界をまずは自分の周りから作っていきたいと、今この時期に思う。
萌えるボーイミーツガールの青春恋愛アニメ
実写版映画は見たことありません。なんでアニメ版を見ようと思ったのか上手く言えません。田辺聖子氏の大阪弁恋愛小説やったからかな。若い時少し読んだこともありましたが、ジョゼは今回文庫本を買って初めて読みました。アニメとでは当然ですが時代も舞台も違います。
ポスターだけ見て車椅子の少女の重たい映画がと思ったらあきません。実写版のジョゼ虎みたいに切ない映画とも違います。時代が違います。純愛ハッピーエンドです。カップルで見てください。ジョゼが可愛いのでオタクみたいなおっさんもたくさん見てますが許してやってください。
最初始まった時、主人公の恒夫が標準語やったんで、えっ?舞台大阪と違うの?と思ってたら、あんまり上手ない大阪弁が出てきて、阪堺電車が出てきて、おー大阪や!まあこれくらいの大阪弁やったら我慢できるがな。ところがジョゼが登場してきたところから、後は二人の心の変化が気になって気になって、それどころや無くなってしまいました。健常者と障碍者の恋愛模様に重たく感じるところはあまりありませんが、多分今の世の中、車椅子の方をよく街中で見かけるようなったことがあるからかもしれません。ただ、だからと言って街が車椅子の方にすごく便利になったかというと、そうでも無く、作中でもエレベーターのために地下街を右往左往するシーンが出てきます。地下鉄から乗り換えるJR大阪駅でも実際のところ1階からホームに上がれる駅のエレベーターは東口(御堂筋口)にしかありません。中央口では一旦駅ビルのエレベーターで3階まで行って乗り換える必要があるのです。西口(桜橋口)ではエスカレーターさえありません。
この作品は純粋なボーイミーツガールの恋愛アニメ。ただ1度だけ「健常者には解らん」このジョゼのセリフは、心に強く響きます。
恋愛アニメ(ラブコメ)として見ると、恒夫を従えて外出することになって、ジョゼの表情がどんどん変わっていくのはもうドキドキします。ジョゼのかわいいこと。惚れてしまいます。
原作と実写版映画とではエンディングが異なるそうで、これは第3のエンディング。ストーリーも原作とは全く違っています。エンドロール前で完結してたらほぼ原作の終わり方と同じかもしれませんが、きっと監督は2人をハッピーエンドにしたかったんだと思います。だからエンドロールが終わって館内が明るくなるまで帰らないでください。わたしは原作を読んだ後でもこのエンディングが1番お気に入りです。
最初と最後のジョゼと恒夫の出会いはまさにマンガ的出会い。最後の方の出会いは、いや〜そんなアホなとツッコミ入れたらあきません。舞台は大阪ですよ。
思いっきり笑わせて、思いっきり泣かせて、そして最高のハッピーエンド。最後の最後のジョゼの「死んだんか?」はまさに関西人のセリフ!
作中、図書館で司書の花菜に問われて一番好きなサガンの小説を「一年ののち」と答えるんですが、原作にはサガンの本のタイトルは出て無く実写版映画のジョゼへのリスペクトなんですね。渋い。
12月28日に1回目見てからほぼ一日置きの22回(2/2現在)鑑賞。ワタシはジョゼに😍 まだまだ見たい作品です。
2回目の鑑賞時からは「あたいを海まで連れていけ」のセリフから後泣きっぱなしです。幸せの涙ですよ!
映画はエンドロール途中で帰らないように!後悔するよ〜!
タムラコータロー監督の傑作です。
純愛のファストフードを食べた気分。
予備知識なし、pvと参加しているイラストレーターloundrowさんを見て気になって見てみました。
ぱぱっと純愛を見たければ全然いいと思います。故に荒いところも多く見受けられると思います。
まず原作の要である負の部分がほとんど削除されています。なのでとても人物達が薄っぺらく見えて仕方がありません。祖母がジョゼを何年も閉じ込めていたのに、(外は怖いという先入観があるほど)あっさりと外出し続けることを許してしまうのに違和感があります。
主人公がジョゼに惚れる理由もよくわかりません。
対抗ヒロイン宮本が主人公が落ちぶれている時に全部吐き出してください受け止めますって言ってるのにも関わらず、急に告白しだすからまるでここで告白させた方が面白いだろと思ってそうな演出意図が透けて見える。
要するにもっと登場人物がどういう人物なのかという描写に力を入れるべきだと思いました
ひたすらに浅いし、薄っぺらいし、クサイんですよ。
まあでもここさけが嫌いな僕のお母さんは好きでしょうがね
葛藤のない綺麗な世界。
原作も実写版も見ないで鑑賞。
退院までの一連のシーンには涙し、各キャラの表情がとても丁寧に描かれていて間違いなく良作にも関わらず、どこか物足りない。そんな気持ちになった。
それは登場人物たちが物語が始まった時点で生まれたかのような薄さを感じたからなのだと思う。
ジョゼの祖母はジョゼの相手をさせるべく恒夫を雇うが、その真意は読めない。
ジョゼの自立をさせたいのかと最初は思ったものの、外には出したがらない上に、役所の人との会話では閉じ込めておこうとしていた意思すら感じた。
恒夫は魚を見る為に海外留学をしようとするが、その資金があるのであれば1ヶ月ぐらい旅行で行けば良いのにと思う。やっていることと比べて、どこか歪さを感じる。
(公式サイトには幻の魚という記述があるので、希少種なのかもしれないが、そんなものが店にいるのはおかしい)
そういった土台のあやふやさが、恒夫とジョゼの「夢」というものにかける想いをどこか空虚な物にし、葛藤があまり描かれないこともあり、どこか物語が軽い物になっていたように思うのだ。
そして、主要キャラ達はみな善人で人間らしいドロドロとした核がないことも相まって、よくある良い話になってしまっていた。
それが個人的に物足りなかったものの正体なのだと思う。
それでも涙したのは、セリフ外の描写の巧みさがあったからだと思う。
土台のしっかりしていない物に言葉で積み重ねても真実味がないが、心情描写ーー行動や物に映された心は真実味を帯びる。
例えば、海から帰った数日後、恒夫が来る前に「おめかし」をするジョゼ。普段やらないであろうことを祖母の驚きで表現しつつ、恋が芽生えた少女を演出している。
恒夫がプレゼントした魚のライトは、夢が叶わなくなったことを物語るべく壊れたかのような落下音をあげながら猫に落とされる。終盤では夢を一旦離すことを象徴するかのように、箱詰めされた状態で恒夫が見つける。
上げたらキリがないくらい、セリフ以上に物が語る作品だったように思う。
その印象の強さは、描こうと思った物しか入り込まないアニメならではないだろうか。
見どころは多いので、もう一度見たら新しい発見があるかもしれない。
実写版とは違った良さ
田辺聖子の短編小説が原作。妻夫木聡と池脇千鶴で実写化され、今回はアニメ化。各々違うストーリーですね。原作で車椅子だったのが、実写で乳母車になり、アニメではまた車椅子に戻りました。
アニメで作った本作もとても良かったです。エロスと不条理に振り切った実写もよかったですが、思いっきり綺麗で感動モノに振り切ったアニメ版も、これはこれで面白い。
足の不自由な女の子(ジョゼ)と、大学生の恒夫(ツネオ)のボーイミーツガールな話。ジョゼはツンデレで、ツネオは無自覚で結構モテる。お約束通り、出会いは坂道でぶつかり最悪。でもツネオの優しさに徐々に心を許すジョゼ。仲良くなるも素直になれないジョゼ。で、色んな「どうするの?」って伏線をドッカーンと解決して、ハッピーエンド。
全く原作と実写とも違う解釈。でも、絵の綺麗さや、特に色彩を見せるにはこういうストーリーの方が映えます。分かりやすいストーリーラインで、ちゃんと伏線がカチッと回収され、不覚にも泣いてしまいました。
アニメ的なところでは、、、。美術が綺麗です。美術ってのは、建物とか背景とか部屋の小物とか。それが、ジョゼは絵が好き、という設定と上手くマッチしている。キャラデザも好きですね〜。ジョゼのツンデレな感じと、舞のあざとい感じ。舞は完全に「冴えかの」の加藤ちゃんでしたね〜。
ジョゼのCVはいま人気の清原果耶。上手だと思います。もう女優の方で売れちゃったけど、声優の世界でもやっていけると思いますよ。舞のCVの宮本侑芽は、元は子役?役者でしたが、今じゃすっかり声優さんですけどね〜。
しかし、繰り返しますが、原作や実写とは、全く違う話。今の若い子たちは、綺麗なジョゼがベースになるのかなぁ〜、と思うと。。。実写の恒夫は、ほんとクズですからね。
実写とは別物のピュアなラブストーリー
あの時代に絶大な人気を得ていたあのジョゼをアニメ化。
設定やキャラクターがかなり違うので、実写版好きな人は戸惑うかもしれない。恒夫がかなり真っ直ぐでピュアな感じ。勢いでセックスするみたいな展開もなく、ちゃんとジョゼに向き合っている。そして話の展開も結末も全く違っていた。元々実写版にそこまでの思い入れもなかったので、ある程度の設定を引き継いだ別の話って考えたら楽になった。
でも、全く別の話として観ていたらいつの間にかかなり泣いている自分がいた。あの絵本のシーンにはヤラれてしまった。ピュアな恋愛物としてとても心に響いた。映像もキレイだし、主役二人の声の演技もよかった。これはこれでアリだ。
そして、エンドロールの最中もその後もいい。管理人からの呼び方の変化にニヤッとしてしまった。
可愛らしいジョゼ
今年最後の映画鑑賞。良い作品に出逢いました。ジョゼが何ともいじらしく可愛い。
主人公二人の声はとても自然で、役柄に馴染んでいます。紙芝居のシーンは涙が溢れました。
大阪メトロとか見慣れた風景がたくさん出てきます。地元の方はぜひ。
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