ジョゼと虎と魚たち(2020・アニメ版)のレビュー・感想・評価
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あのとき君は若かった
原作は読んだことないけれども、犬童監督の映画は観た。が、「エグいなぁ…」という印象以外余り覚えてないので、新鮮な感覚で挑めました。それでも、途中途中「あっ」とはなるんですけれど。
現代的なアレンジとアニメというフィールドがバッチリ合っていて良かったと思います。ただ、車椅子絡みのアレコレは最初だけで良かったかなぁ、と。口さがない人に言わせれば「ほら、言わんこっちゃない」な感じを受けてしまったので。別の演出でも全然いけた気がしますしね。
それでも、若さと想いの弾ける良作である事に間違いありません。声がビタッと嵌まってたのも後押しでしたかね。
恋愛と一言でくくれない関係
ジョゼと恒夫、距離感が微妙で恋愛とは程遠い感じに若干物足りなさを感じた前半。
しかし、持ちつ持たれつな対等な関係に恋愛と一言でくくれない深い部分の繋がりが生まれ、だんだんと物語に引き込まれていた時には、車椅子の存在は気にならなくなっていた。
本当の障害って心の中にあって、考えを切り替えるとか乗り越えるとか、ありきたりだけどなかなか出来ないそこの部分を、ゆっくりと歩む様に解決して行く姿がとても良かった。
私にとって実写版はとても大切な作品なだけに、頭の切り替えにとても苦労したけど、それを超えてとても素敵な作品でした。
少女マンガ原作じゃないのね
絵と予告から、少女マンガ原作かと思ったら違うのですね。
「思っていたよりもぜんぜん良かった」です。
もちろん、青春ものなので恋愛部分は若干照れくさいけど、障がい者と健常者の視界の違いや、友情部分に泣けました。
友達のために、頭下げたり、本気で怒ったり、とても良いです。
恒夫の「もう一生、、」のセリフは切なかった。
それを言う恒夫の気持ちと、それを言われるジョゼの気持ちを考えると、二重三重に切ない。
また、恒夫は大学生で22歳、、ジョゼは〇歳なので、甘ったるくない恋愛ものでもあります。
原作は「エロ」が入るらしいけど、アニメ映画なので、ガッツリ割愛されているようですが。
俳優さんが声優やるのは好きじゃないけど、今回のおふたりは良かった。
見取り図はいらんけど。
声優さんを使っていれば、もっと深くなったかな。
あと、エバンコールの音楽がいい!
オープニングからつかまれました。
心温まるストレートな恋愛映画。あと、ジョゼが可愛い…。
心温まる正統派の恋愛映画。
すごい良かった!
登場人物達の心情、心の移り変わりがとても丁寧に描いてあった。
実際に自分が車椅子無しでは外出も出来ない身体だとしたら、ある日突然車椅子生活を余儀なくされたら、どうなってしまうんだろう。そういう感情移入の出来る作品。
車椅子の女性、ジョゼの感情豊かな表情がとても可愛らしい…。生まれつきの車椅子生活だからこその外の世界への不安と期待。様々な体験をすることで心を開いていく様子が見ててグッとくる。
あの辛辣な言葉遣いに関しては根本の性格によるところもあるのだろうけれど、そんなツンデレな態度しか取れなかった彼女が少しずつ自分の殻を破っていこうとする姿に愛おしさが爆発しそうになる。
だがやはり1番感情移入してしまったのは、恒夫が交通事故にあってしまった後かな。
これまでは自分がジョゼを励ます立場だった。
けれど、同じ立場になって初めて気づけることも多いんだろう。
「欲しいものに手を伸ばすことがこれだけ怖いなんて。」
希望を見せられることが怖い。
出来るかもしれないと思っていざ出来なかった時が怖い。
自分に期待して裏切られることが怖い。
そんな恒夫にジョゼが作った紙芝居。
失いかけていた希望を一気に引き戻すほどのパワーがあった。紙芝居単体だけでも語り継いでいけるんじゃないかなってほど。
ストーリーも、作画も、登場人物たちも
全てが美しくて綺麗で、真っ直ぐな良い映画でした。
主人公の声優の中川大志君も清原果耶ちゃんも、
本業が俳優とは思えないくらい違和感なく上手でとても良かった!
私事ですが、昨年まで大阪に居たのでそこも相まって楽しめつつ観れたのも良かったな。
今年1番の映画!
今年観た映画の中で一番良かったです。
鑑賞後に、自分も今日から頑張ろうと思えます。
内容としては生まれつき障害を持ち、前に進むことを諦めてしまったジョゼ(くみこ)が、夢に向かって真っすぐ進んでいこうとする恒夫と出会い、葛藤しながらも夢を見つけて、前に進もうとする話です。
途中からの予想できないストーリ展開やアニメ映像の美しさで、爽やかで感動させられる最高の青春映画となっています。
ぜひ色んな人に見ていただきたいです。
キャラクター原案の方が描かれている漫画も、映画の内容が丁寧に書かれており、大変面白いので、映画にはまった方は漫画もぜひ!全2巻です。
後は個人的な感想を書きなぐり、、、
社会の怖さや冷たさを虎として表していますが、作中では明確な悪意はでてきません。
ただ、現実世界ではジョゼはもっと社会の悪意に晒されていたのではないかと思います。
生まれつき障害を持っているということは、子供のころから辛い経験をしてきた可能性が高いです。他の子が当たり前にできることができなかったり、他の子から仲間外れにされたり、そんな経験がジョゼに前に進むことを諦めさせたのだと思います。
そんな中、障害を持っているジョゼを特別扱いせずに接してくれる恒夫との絡みは見ていてほっこりさせられます。
恒夫は出会ってからずっとジョゼの障害を差別はせずに、必要な配慮だけおこないます。
祖母から特別扱いされていたジョゼにとっては、1人の人として対等に接してくれる恒夫は自分を変えてくれるような存在だったと思います。
このまま留学のシーンまでいくのかなと思っていたら、まさかの祖母の死と恒夫の事故。
この展開は予想できませんでした。特に恒夫がジョゼの立場を体感するというのは凄くいい演出でした。
健常者から障がい者になるかもしれないという時に初めて分かる、夢を見ることや前に進むことの大変さ。叶わなかったときに絶望したくないから現状維持を選んでしまうんだと思います。
そんな時にジョゼからの「心のい翼であなたは何処までも飛んでゆける。」というメッセージ。ジョゼが恒夫から貰った勇気を恒夫に返す?気づかせてあげる演出が素敵でした。
後はジョゼと舞の絡みも好きです。自分の好きな人が他の子を好きになっていく姿を見ているのはとても辛いと思います。
それでも、恒夫を元気づけられるのはジョゼだと思い、悪役になってもジョゼを焚きつけにいくシーンがほんと好きです。
隼人やジョゼの祖母といい今作にはいい奴しかいないのかと。
それと、ジョゼの「気持ちの大きさは誰にも負けん!!」という言葉。
ジョゼのなかでの恒夫の存在の大きさが感じられます。
何はともあれ、最後はハッピーエンドで良かったです!
きっと2人はこれからも困難を一緒に乗り越えて幸せになっていくんでしょう。
藤津亮太さん、ありがとう!
全く観る気がなかったのだけど、アフター6ジャンクション #utamaru #アトロク で藤津亮太さんがオススメしていたのを聞いて、あの藤津さんが勧めるのなら…と思って観ることにした。
結論:観てよかった!
ボーイミーツガール&ツンデレ&難病(ハンデキャップ)という組み合わせは、決して珍しくはないけど、描写の精密さや表情の豊かさ、声の演技の巧みさなどが相まって、最後まで楽しく見ることができた。
クライマックスのシーンは、涙が溢れて止まらなかった。
海+ハンデキャップ=人魚姫というモチーフは類型的とも言えるけれど、その一歩先を描いていたのがよかった。
このジャンルの良作がまたひとつ増えたと思う。おもしろかった!
ピュアなラブストーリーに生まれ変わった傑作
「想像してたんと全然違う」
「いい方にや」
いい意味で裏切られました。
別物にして、胸がキュンキュンするタイプの傑作。
原作や実写映画にあったエロティックさをすっぱり切り捨て、20代前半男女のピュアなラブストーリーに生まれ変わっていました。
ジョゼの想像する海のような世界をビジュアル化するなど、アニメーション表現にした意義もありました。
お勧めします。
怖い虎と綺麗な魚たち
脚の不自由なジョゼはお婆ちゃんと暮らしてる。
そこにひょんなきっかけからジョゼの相手をするバイトをする事になった大学生の青年が来て、ジョゼのわがままに付き合ってるうちに・・・ってな話。
青年の夢を追う姿、ひねくれてたジョゼがだんだん変わっていく様子・・・など良かった。
虎と魚たちってなんだろうって観てたら途中で、なるほど、と判り納得した。
声優の清原果耶と中川大志が良かったし、関西弁も良かった?のかな。
再度実写版を撮るとしたらこの2人で合いそうな気がした。
ロマンスもあり良い作品でした。
どこか御伽話のようで
原作未読、実写版未視聴の身としてはとても楽しめました。
その違いについて否定的な意見も拝見しましたが私的には今作は一作品として今の時代背景やアニメならでは表現の美しさなど、とてもよく作り込められていたと思います。
また主役二人の声もとても良かったです。
実写版も観てみようと思います。
うん、良作
劇場版鬼滅の刃の影に隠れてしまってはいるが、今年は良作のアニメーションが多い!
お人好し青年とワガママ娘のお話ですが、「何事も経験」「百聞は一見にしかず」を改めて教えてもらった気がします
また観たい作品となりました♪
観て良かったと心から思える作品
予告編を見て少し気になり、迷った末に行ったのですが、映画が終わった瞬間、観て良かったという気持ちと、もっとこの二人の物語を見たいという気持ちになりました。
シリアスなテーマを扱った作品で、登場人物も色々な葛藤がありますが、それが重くなりすぎず、作品としての面白さやテンポの良さが損なわれずにキャラクターに感情移入出来ました。特にジョゼの揺れ動く感情の描き方は素晴らしかったと思います。
ストーリーやキャラクターはもちろん、大阪の街をリアルに描いた映像美、主演二人の演技(声優でないのが信じられないほど上手いです)、そしてEveの「蒼のワルツ」、全てが素晴らしかったです。
私のように観ようか迷っている方がいたら、全力でオススメしたいです。きっと観て良かったと思えます。
言葉の多義性を存分に生かした見事な作品
フランソワーズ・サガンの小説は、有名な「悲しみよこんにちは」「ブラームスはお好き」それに「熱い恋」を高校生のときに翻訳で読んだきりだ。濫読、多読、卒読の時期だったこともあって、内容は憶えていないし、心に残る言葉もない。本には相性というものがあり、自分に合う著者と合わない著者がいる。同じく高校生の頃に読んだ本では、ニーチェやショーペンハウエル、サルトルなどの本の言葉は記憶に残っているのに、サガンについてはまったくの白紙である。本作品では清原果耶がとても上手に声優を務めたジョゼが、自分の部屋でブツブツと、おそらくサガンの小説の言葉を呟くシーンがあるが、ちっとも響いてこない。サガンを憶えておけばよかったと思った。
原作の田辺聖子は古くはSF作家の筒井康隆と交友があったようで、筒井の本に「おせいさん」と呼ばれて仲間から親しまれていたと書かれていたと思う。本作品の原作を書いたのは1984年、おせいさんが56歳のときだ。社会的にセンシティブな問題を人間の生活に直接的に結びつく問題として正面から扱っている。作家はときとして蛮勇を発揮して批判を恐れずに小説を書かなければならないことがある。おせいさんは勇気のある作家であった。同時におちゃめな人でもあって、主人公の名前を連合赤軍のテロリストと同じにしたのはおせいさんの悪ふざけかもしれない。
本作品は優れたラブストーリーだ。真っ直ぐな青年恒夫と自由を求める不具の女性ジョゼを中心とした半年程度の人間模様を描く。恋愛には邂逅が必要だ。本作品では出逢いの場面、求める自由の舞台が海であること、そして再度の出逢いの場面と、3つの邂逅が描かれる。ご都合主義だと言われるかもしれないが、大恋愛には奇跡が必要なのだ。
原作を軸として大きく想像を広げて上手に脚本を書いていると思う。担当した桑村さや香さんは、いじめを扱った問題作の映画「滑走路」でも脚本を書いていて、言葉の選び方がとても上手だ。ここではこの言葉だろうと思う台詞をど真ん中できっちり書く。変に飾らないところがいい。人が死んだら「死んだ」「亡くなった」と書けばいいのであって「魂が天に召された」などと書くものではない。その点、桑村さや香さんはよく分かっている。
本作品も直球の言葉ばかりで無駄がない。観客はどこまでも想像力を広げられる。だから観客それぞれの想像と実際の映像が重なって、多くの人が感動する。そして人生に前向きになれると思う。人それぞれの感動をひとつの作品で湧かせるのだ。言葉の多義性を存分に生かした見事な作品である。
まさかとは思ってはいたが、マジでやりやがったな
アニメ版は原作、実写を見ている人と、そうではない人でかなり意見が異なる作品ではないかと思っています。
私情を抜きにするならば星三つを与えても良かったのですが、そうはいかないため星二つにしました。
私がアニメ版を見るに至って一番心配していたことは、毒気のようなもの、つまりは障害者を取り巻くリアルが取り払われてしまうのではないかということでした。
そしてその心配は見事当たりました。予告を見ていた時点でなんとなく予想はしていましたがね。
この作品が描いているのは主に2つであり、それはもちろん恋愛と障害者です。
実写と原作では特に障害者という社会のマイノリティに焦点を当てることに力を入れていたことは、見たことがある人には分かると思います。
障害者差別ももちろん描いていましたが、同情しながらもそれはある意味では憐れみとも捉えられる悪気のない健常者の言動。そして障害者への性的被害。
こうした障害者の残酷でリアルな現実がどちらでも描かれていましたが、アニメ作品においては途中からはほぼ皆無でしたね。単なる恋愛アニメじゃねぇか。なんで障害者をテーマに扱ったのか。
私が本気でちょっと待てよと思ったのは、主人公の恒夫が事故に遭ったシーンです。このアニメは最初はヒロインのジョゼが差別にあう姿を少しは描いてはいましたが、恒夫が事故に遭ってからは、恒夫がいかにそれを克服するかに話の軸がすり替わりました。
え?てなりましたね。いやもうジョゼの障害についての話はどうでもいいの?そりゃ事故も大変だけどさ、障害についての悩みや葛藤はここで終わりってか?いやいや、そんな軽々しく扱っていいような内容なのかね。マジでなんでそんな話の展開にした?
ここが一番気になりましたね。
本作品の話はここまでにしておいて、最近の劇場版アニメに顕著ですが、わかりやすい・泣けるのこの2つに拘りすぎじゃないですかね。
新海誠の『君の名は』以降、この2つを取り込んだ作品が本当に多い。
まぁ、そりゃ王道ですから観客を呼び込みやすいのは理解できますけどそんな手抜きじゃ、いつかどでかいしっぺ返しを食らうんじゃないですかね。
素人の私が言うのも悪いですけど、わかりやすい・泣けるを盛り込んだ作品なんて、誰でも描けるんですよ。しかもその二つを際立たせるために、スパイスとして障害者を利用している点で、この作品は罪深い。
泣かすなんて簡単ですからね。映画館で周りを見ても誰も泣いちゃいないのに、SNSでは「泣いた!」の嵐ですかね。バカバカしい。
あとわかりやすいてのは果たして本当にいいことなのか。今は効率化、簡略化が求められる世の中だと思います。それは仕事にせよ、娯楽にせよ、はたまたメディアでも同じことがいえると思います。そりゃ便利ですから、そうなるのは仕方ない。
でも、わかりやすいってのは楽をするということではないです。
簡単に売れるから楽をして、みんながわかりやすい映画を作り出したらもう終わりです。個性と発展がなくなるからです。
自分の思い・考えを混ぜ込みながら、挑戦し続ける作品こそ、映画史において価値をもつモノとなります。
そうしたことを忘れないでほしいと思いました。
アニメのいい部分と残念な部分
アニメーションがイメージを表現する手段として、とても素晴らしかった。
実写ではあの海のイメージを表現しきれないと思います。
ただ人と人との感情や関係性はやっぱり実写がいいなぁと思いました。
夢と現実と恋と青春と。
若い人たちの作品ですね。
聲の形を思い出しました。
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