ジョゼと虎と魚たち(2020・アニメ版)のレビュー・感想・評価
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令和風味付け
昭和世代からの視点です。
原作小説の「心地よいところ」を凝縮した演出。それはとても上質で肌触りのいい仕上がりで、いかにも令和的。でも、アニメ版が捨て去った必ずしも肌触りのよくないところ…感情の澱、性愛、そのほか…が原作の魅力だったことも、改めて感じることができる、興味深い作品。おじさん視点だと、もっと苦味が欲しいところですが、今の若い方々には、これくらいの苦味でないと、それを感じる前に逃げられてしまいそう。その匙加減は、好みの差はあれどさすがだと感じる。
ジョゼは図書館で2回朗読を披露する。どちらも決して上手ではないけれど、伝えたい人、伝えたい事の大切さを知った後では、子供たちはちゃんと朗読についてきてくれる。一本調子の中で微秒なニュアンスの違いを巧みに表現した声優の熱演もあって、本作を代表する名場面だと思う。絵本の図柄も、一皮むけた感じになっていて、ジョゼの成長ぶりがよくわかる。
一方で、恒夫に「健常者には分からん」と言い放つジョゼが、その恒夫が(自分のせいで)障害者になってしまうかもしれない時に、先の台詞に相対する言葉を紡がないのは、ちょっと片手落ち。ジョゼは恒夫にどこまで自分のことを知って欲しかったのか、作品の鍵となる部分だと思う。
物語は暗転、挫折、そして救済と、ある意味お約束の展開が続く。そこで、恒夫の強さ、そしてそれを信じるジョゼの強さが自然と滲み出るのが、心地よかった。途中で舞の絡み方がうまい。
アニメなので地理は現実通りである必要はないけれど、ジョゼの家(あの川沿いなら、大阪でも指折りの高級住宅街)の所在地が天下茶屋の阪堺線側(大阪を代表する下世話な下町の一つ)というのは、流石に笑ってしまった。全体的に大阪の街並みがあまりにも綺麗すぎて、関西人としては寂しい。一般にアニメ作品は、新宿と池袋の違いなど東京近郊の微妙な空気感にはやたらこだわるけど、大阪と須磨(神戸)、あるいは難波と梅田、といった東京以外の場所における空気感の違いには全く無頓着。本作もこの点は他の作品と変わらない。
普段より少しアダルトに寄せた飯塚晴子のキャラデザインは、作品の明るさに大きく貢献。顔芸がほとんどなかったのも良い。キャラのお芝居も好調だったけど、大阪っぽい「型」がもう少しあっても良かったかも。関西人は笑ってもらってナンボという行動原理は、本来シリアスな作品だからこそ重要でしょう。
全体を通して、BGMに頼りすぎた雰囲気描写が辛かった。お話そのものに力があるのだから、作画もしくは声の演技だけで、十分意図するところは伝わるはず。音楽そのものは悪くないけど、それがかかる場面は、今の半分以下で良かったと思う。大阪の街は音楽よりも人の喧騒に満ちているのです。
結局、昭和の物語は、そのままでは令和では受け入れ難い。それが良い悪いではなく、一つの作品の主題を、異なる時代、異なる手法で、どのように表現するのかに挑戦したことは、素晴らしいと感じる。今まさにジョゼや恒夫と同じ世代を生きる方々が、本作で楽しい時間を過ごせたなら、まずは成功だと思うのです。
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彼女が"タイトル"を作る物語
はっきり言って最高でした。ボンズの綺麗なアニメーション、清原果耶さん・中川大志さんの透き通る美しい声、美しいまでのストーリー、とるとこ全て最高です。
偶然出会った恒夫とジョゼが互いを信頼していく様子がとても爽やかでした。祖母の言いつけで外の世界へ行けなかったジョゼが恒夫に頼って外を知っていくたびに増える笑顔にドキドキさせられました。強がるジョゼも愛らしいです。
今作は車椅子に焦点に当てているのではなく、それぞれの成長を軸にしているあたりも良かったです。2人には目に見えない壁がたくさん立ち塞がっていて、協力したり、時には突き放したり、でも頼ったりと、青春真っ只中でいいなと思いました。
負けヒロインというのは分かっているのですが、舞も応援したくなってしまいます。あからさまに恒夫の事が好きなのに、ジョゼがいる事でモヤモヤしてしまっている姿が愛おしいです。ヤンデレなんだろうなぁとは思いますが、真っ直ぐに想いを伝える姿には心奪われました。
恒夫が事故で足を怪我してしまい、リハビリすることになりますが、ジョゼが描いた絵本に勇気づけられる様子が、単純ながらもグッとくるものがありました。絵本の世界の中で、今までの2人の道のりを総浚いしながらも、ジョゼが夢へと1歩近づいていく描写が自然に描かれており、そこで流れる♪心海がまた良いです。
恒夫がジョゼに告白するシーンはこっちまで頬を赤らめてしまいました。今までで1番美しいキスシーンを見ました。
2人が夢へと向かって旅立ち、また出会う。これからの2人の物語はずっとずっと続いていってほしいです。目頭が熱くなりました。
あのとき君は若かった
恋愛と一言でくくれない関係
少女マンガ原作じゃないのね
絵と予告から、少女マンガ原作かと思ったら違うのですね。
「思っていたよりもぜんぜん良かった」です。
もちろん、青春ものなので恋愛部分は若干照れくさいけど、障がい者と健常者の視界の違いや、友情部分に泣けました。
友達のために、頭下げたり、本気で怒ったり、とても良いです。
恒夫の「もう一生、、」のセリフは切なかった。
それを言う恒夫の気持ちと、それを言われるジョゼの気持ちを考えると、二重三重に切ない。
また、恒夫は大学生で22歳、、ジョゼは〇歳なので、甘ったるくない恋愛ものでもあります。
原作は「エロ」が入るらしいけど、アニメ映画なので、ガッツリ割愛されているようですが。
俳優さんが声優やるのは好きじゃないけど、今回のおふたりは良かった。
見取り図はいらんけど。
声優さんを使っていれば、もっと深くなったかな。
あと、エバンコールの音楽がいい!
オープニングからつかまれました。
心温まるストレートな恋愛映画。あと、ジョゼが可愛い…。
心温まる正統派の恋愛映画。
すごい良かった!
登場人物達の心情、心の移り変わりがとても丁寧に描いてあった。
実際に自分が車椅子無しでは外出も出来ない身体だとしたら、ある日突然車椅子生活を余儀なくされたら、どうなってしまうんだろう。そういう感情移入の出来る作品。
車椅子の女性、ジョゼの感情豊かな表情がとても可愛らしい…。生まれつきの車椅子生活だからこその外の世界への不安と期待。様々な体験をすることで心を開いていく様子が見ててグッとくる。
あの辛辣な言葉遣いに関しては根本の性格によるところもあるのだろうけれど、そんなツンデレな態度しか取れなかった彼女が少しずつ自分の殻を破っていこうとする姿に愛おしさが爆発しそうになる。
だがやはり1番感情移入してしまったのは、恒夫が交通事故にあってしまった後かな。
これまでは自分がジョゼを励ます立場だった。
けれど、同じ立場になって初めて気づけることも多いんだろう。
「欲しいものに手を伸ばすことがこれだけ怖いなんて。」
希望を見せられることが怖い。
出来るかもしれないと思っていざ出来なかった時が怖い。
自分に期待して裏切られることが怖い。
そんな恒夫にジョゼが作った紙芝居。
失いかけていた希望を一気に引き戻すほどのパワーがあった。紙芝居単体だけでも語り継いでいけるんじゃないかなってほど。
ストーリーも、作画も、登場人物たちも
全てが美しくて綺麗で、真っ直ぐな良い映画でした。
主人公の声優の中川大志君も清原果耶ちゃんも、
本業が俳優とは思えないくらい違和感なく上手でとても良かった!
私事ですが、昨年まで大阪に居たのでそこも相まって楽しめつつ観れたのも良かったな。
今年1番の映画!
今年観た映画の中で一番良かったです。
鑑賞後に、自分も今日から頑張ろうと思えます。
内容としては生まれつき障害を持ち、前に進むことを諦めてしまったジョゼ(くみこ)が、夢に向かって真っすぐ進んでいこうとする恒夫と出会い、葛藤しながらも夢を見つけて、前に進もうとする話です。
途中からの予想できないストーリ展開やアニメ映像の美しさで、爽やかで感動させられる最高の青春映画となっています。
ぜひ色んな人に見ていただきたいです。
キャラクター原案の方が描かれている漫画も、映画の内容が丁寧に書かれており、大変面白いので、映画にはまった方は漫画もぜひ!全2巻です。
後は個人的な感想を書きなぐり、、、
社会の怖さや冷たさを虎として表していますが、作中では明確な悪意はでてきません。
ただ、現実世界ではジョゼはもっと社会の悪意に晒されていたのではないかと思います。
生まれつき障害を持っているということは、子供のころから辛い経験をしてきた可能性が高いです。他の子が当たり前にできることができなかったり、他の子から仲間外れにされたり、そんな経験がジョゼに前に進むことを諦めさせたのだと思います。
そんな中、障害を持っているジョゼを特別扱いせずに接してくれる恒夫との絡みは見ていてほっこりさせられます。
恒夫は出会ってからずっとジョゼの障害を差別はせずに、必要な配慮だけおこないます。
祖母から特別扱いされていたジョゼにとっては、1人の人として対等に接してくれる恒夫は自分を変えてくれるような存在だったと思います。
このまま留学のシーンまでいくのかなと思っていたら、まさかの祖母の死と恒夫の事故。
この展開は予想できませんでした。特に恒夫がジョゼの立場を体感するというのは凄くいい演出でした。
健常者から障がい者になるかもしれないという時に初めて分かる、夢を見ることや前に進むことの大変さ。叶わなかったときに絶望したくないから現状維持を選んでしまうんだと思います。
そんな時にジョゼからの「心のい翼であなたは何処までも飛んでゆける。」というメッセージ。ジョゼが恒夫から貰った勇気を恒夫に返す?気づかせてあげる演出が素敵でした。
後はジョゼと舞の絡みも好きです。自分の好きな人が他の子を好きになっていく姿を見ているのはとても辛いと思います。
それでも、恒夫を元気づけられるのはジョゼだと思い、悪役になってもジョゼを焚きつけにいくシーンがほんと好きです。
隼人やジョゼの祖母といい今作にはいい奴しかいないのかと。
それと、ジョゼの「気持ちの大きさは誰にも負けん!!」という言葉。
ジョゼのなかでの恒夫の存在の大きさが感じられます。
何はともあれ、最後はハッピーエンドで良かったです!
きっと2人はこれからも困難を一緒に乗り越えて幸せになっていくんでしょう。
藤津亮太さん、ありがとう!
全く観る気がなかったのだけど、アフター6ジャンクション #utamaru #アトロク で藤津亮太さんがオススメしていたのを聞いて、あの藤津さんが勧めるのなら…と思って観ることにした。
結論:観てよかった!
ボーイミーツガール&ツンデレ&難病(ハンデキャップ)という組み合わせは、決して珍しくはないけど、描写の精密さや表情の豊かさ、声の演技の巧みさなどが相まって、最後まで楽しく見ることができた。
クライマックスのシーンは、涙が溢れて止まらなかった。
海+ハンデキャップ=人魚姫というモチーフは類型的とも言えるけれど、その一歩先を描いていたのがよかった。
このジャンルの良作がまたひとつ増えたと思う。おもしろかった!
ピュアなラブストーリーに生まれ変わった傑作
「想像してたんと全然違う」
「いい方にや」
いい意味で裏切られました。
別物にして、胸がキュンキュンするタイプの傑作。
原作や実写映画にあったエロティックさをすっぱり切り捨て、20代前半男女のピュアなラブストーリーに生まれ変わっていました。
ジョゼの想像する海のような世界をビジュアル化するなど、アニメーション表現にした意義もありました。
お勧めします。
怖い虎と綺麗な魚たち
どこか御伽話のようで
うん、良作
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