劇場公開日 2020年12月25日

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「甘さ残るラブストーリー」ジョゼと虎と魚たち(2020・アニメ版) うにたん♪(DCPにも抜け穴あるんだ)さんの映画レビュー(感想・評価)

4.0甘さ残るラブストーリー

2021年9月4日
Androidアプリから投稿
鑑賞方法:DVD/BD

単純

幸せ

実写が公開された時は男女の物語と「こんなチャラチャラしたモン観えるか!」と内容も理解せずスルーしていたので、今更に勿体無かったと…。

頑ななジョゼとちょっと苦学生の恒夫(管理人)のラブストーリー。
90過ぎの婆ちゃんに世話されてるジョゼ、両親が出てこない時点でジョゼが放置されてるのが分かる。(原作の当時はそういう時代だったのだろう)
すでに24才のジョゼが外での経験がなく、本の知識や耳での学問でしか世の中を知り得なかった事は閉じ籠って生活していた事を感じて悲しい。
それが恒夫と一緒に電車や図書館でドキドキしながら新しい経験をしていく様は楽しいし、可愛い。
恒夫の留学と祖母の死からネガティブな展開が描かれていくが、これこそ障がいのあるものとないものの感覚の違い…当たり前にやってくる毎日と当たり前に出来ない毎日の境界線を見せ付けており、出来る人には分からない世界と出来ない事が分からない感覚を伝えてくれる。
かといって、どちらが偉いとかそんなんではなく、理解しあえる物語としては良くできている。
登場人物も少ないが好い人揃いで、恒夫に想いを寄せる舞も当初はジョゼに剥き出しの感情をぶつけるが次第に堂々と勝負する雰囲気になったり、一番チャラそうな隼人ですらかなり優しい。

後半、不幸な事故で自らも足に障がいをもち、留学も頓挫した恒夫の腐りっぷりはちょい甘いが、ジョゼ自作の紙芝居?は別の意味で甘い甘いドラマだった。

しかしながら自分は“自分ならどうする?”と考えてしまうので悩んでしまう。
現実の障がい者(ジョゼのように身体の障がい)なら明確な世間の“線引き”を知ってしまうから…。

物語はかなり甘い形で終演となるが、その後については想像してください…と言うことか?
変に不幸な展開が好きでもない限り、これで良いと思うラストだった。

映像も華美にならない程度でいいし、障がい者が主人公なので明らかな差別や区別が見られた時代の雰囲気も残しているが、今でも道端で車椅子を邪魔に扱ったりするんだろうか?
こう言った問題は本当に振り幅が大きくて、難しい。
健常者(こう書いていいものか?すら迷う)と障がい者(ひらがなにする理由もどうなんだろう)の目線の違い…出来る事の違い、バリアフリーを推進していても明らかにある線引き…。
解消する事は難しくてもお互いに理解を持つ必要はあるから、こう言った作品での啓発、啓蒙は良い。

うにたん♪(DCPにも抜け穴あるんだ)
かやみんさんのコメント
2023年1月1日

DVD視聴しましたが障害者向けの映画なのに字幕設定がなくて、エエ…?となりました。聲の形もそうでしたね。

かやみん