「萌えるボーイミーツガールの青春恋愛アニメ」ジョゼと虎と魚たち(2020・アニメ版) mmさんの映画レビュー(感想・評価)
萌えるボーイミーツガールの青春恋愛アニメ
実写版映画は見たことありません。なんでアニメ版を見ようと思ったのか上手く言えません。田辺聖子氏の大阪弁恋愛小説やったからかな。若い時少し読んだこともありましたが、ジョゼは今回文庫本を買って初めて読みました。アニメとでは当然ですが時代も舞台も違います。
ポスターだけ見て車椅子の少女の重たい映画がと思ったらあきません。実写版のジョゼ虎みたいに切ない映画とも違います。時代が違います。純愛ハッピーエンドです。カップルで見てください。ジョゼが可愛いのでオタクみたいなおっさんもたくさん見てますが許してやってください。
最初始まった時、主人公の恒夫が標準語やったんで、えっ?舞台大阪と違うの?と思ってたら、あんまり上手ない大阪弁が出てきて、阪堺電車が出てきて、おー大阪や!まあこれくらいの大阪弁やったら我慢できるがな。ところがジョゼが登場してきたところから、後は二人の心の変化が気になって気になって、それどころや無くなってしまいました。健常者と障碍者の恋愛模様に重たく感じるところはあまりありませんが、多分今の世の中、車椅子の方をよく街中で見かけるようなったことがあるからかもしれません。ただ、だからと言って街が車椅子の方にすごく便利になったかというと、そうでも無く、作中でもエレベーターのために地下街を右往左往するシーンが出てきます。地下鉄から乗り換えるJR大阪駅でも実際のところ1階からホームに上がれる駅のエレベーターは東口(御堂筋口)にしかありません。中央口では一旦駅ビルのエレベーターで3階まで行って乗り換える必要があるのです。西口(桜橋口)ではエスカレーターさえありません。
この作品は純粋なボーイミーツガールの恋愛アニメ。ただ1度だけ「健常者には解らん」このジョゼのセリフは、心に強く響きます。
恋愛アニメ(ラブコメ)として見ると、恒夫を従えて外出することになって、ジョゼの表情がどんどん変わっていくのはもうドキドキします。ジョゼのかわいいこと。惚れてしまいます。
原作と実写版映画とではエンディングが異なるそうで、これは第3のエンディング。ストーリーも原作とは全く違っています。エンドロール前で完結してたらほぼ原作の終わり方と同じかもしれませんが、きっと監督は2人をハッピーエンドにしたかったんだと思います。だからエンドロールが終わって館内が明るくなるまで帰らないでください。わたしは原作を読んだ後でもこのエンディングが1番お気に入りです。
最初と最後のジョゼと恒夫の出会いはまさにマンガ的出会い。最後の方の出会いは、いや〜そんなアホなとツッコミ入れたらあきません。舞台は大阪ですよ。
思いっきり笑わせて、思いっきり泣かせて、そして最高のハッピーエンド。最後の最後のジョゼの「死んだんか?」はまさに関西人のセリフ!
作中、図書館で司書の花菜に問われて一番好きなサガンの小説を「一年ののち」と答えるんですが、原作にはサガンの本のタイトルは出て無く実写版映画のジョゼへのリスペクトなんですね。渋い。
12月28日に1回目見てからほぼ一日置きの22回(2/2現在)鑑賞。ワタシはジョゼに😍 まだまだ見たい作品です。
2回目の鑑賞時からは「あたいを海まで連れていけ」のセリフから後泣きっぱなしです。幸せの涙ですよ!
映画はエンドロール途中で帰らないように!後悔するよ〜!
タムラコータロー監督の傑作です。