「もう一回観ます」ジョゼと虎と魚たち(2020・アニメ版) q2q2san4さんの映画レビュー(感想・評価)
もう一回観ます
中川大志くん、グーうま。すごく自然。人気男性声優みたいでした。
清原果耶さん、予告編で観て「うまいな」とは思っていましたが、どことなく稚拙ながらも、とても、とっても良かったです。芯があり、太さを感じました。
今の大阪でも殆ど聞かない「あたい」。それをあんな軽やかに使いこなすとは。
どことなく稚拙に感じてしまうのは、きっと彼女がもつ余力、伸びしろ、がそう思わせているのだと思います。
このお二人は役者としても好きなのですが、声優としてもホント上手です。もっと他の作品でも声優を観てみたいです。
このレベルの作品に出てくる声優さんは皆さん上手いのは当たり前ですが、他の声優さんも良かったです。
好きな声優さんばかりです。
安定の興津さん、Lynnさん。異色の松寺千恵美さん。
舞役の宮本侑芽さんの感情が出てきてしまって、少し方言っぽくなる演技、とても絶妙でいい感じでした。それとジョゼと舞との初対面と時も、良かった。
彼女がインタビューで主演二人とは別撮りで、先撮りの二人の演技に合わせてアフレコをしたというのを聞いて、そういうスペシャリストの下支えがあってこその完成度なんだろうと思いました。
そして実写のジョゼを演じる池脇さんも声優上手なのでジョゼを演じる女優さんは声優の才能があるのだろか?と思ってしまいました。
原作未読で実写鑑賞済。
実写の犬童作品が大好きな者としては、bonesで、タムラコータロー監督で、予告編を観て「良い感じだな」と思いながらも少し不安でもありました。
私は池脇ジョゼが大好きなのですが、清原ジョゼはそれに劣らず、ちゃんとジョゼでした。
私の中で今までとは違うジョゼ像を作り上げてくれました。
ジョゼの恒夫との最初のやり取りを聞いて「この作品は大丈夫だな」とスッと入ってきました。
関西の人は知っている所がたくさん出てくると思うので楽しいです。逆に「ここはどこだろ」と考えてしまって話がそっちのけになってしまったりもしました。
映像も柔らかく美しく、日頃見慣れている場所を「こういう風に描くんだ」と。
バイオレットエバーガーデンのあの美しさとはまた違う柔らかな美しさがあり、いつも感じている事ですが「日本アニメの奥深さ」を再認識させられました。
実写を観ているからというのもあるでしょうが、ストーリーにすごく入り易かったという事。
丁寧さと、緩急の付け方の上手さから来るものなのでしょうか。
一つ言うなら、もう少し後半部を伸ばして彼らの心の動きをもうちょっと見たかったかな。
そして実写をちゃんと意識してくれていると感じれて嬉しかった。
私が実写の中で最も印象に残っている車いすのシーン。
それをちゃんと思い出させられて、そういう風に作ってくれているのだろうと感じました。
観れてよかったと思う事の一つとして、実写のジョゼのこれからが気になっていたので、一つの答えをもらったように思えたところです。
実写が好きな人には「甘い!」と言われ、意見が分かれると思うのですが、実写が好きな人にも、また違うジョゼや恒夫が観れて面白いのではと思います。
観て欲しいです。
逆にアニメでこの作品を気に入った方には実写も観て欲しいとも思います。
Eveの曲がとてもいい。メロディーが美しく、優しく美しいこの映画によく合っている。
彼の今季TVで放送中のアニメのOPとのギャップが…。すごい才能。
彼の楽曲は映像との親和性、融和性が高い気がします。
相乗効果を生んで映像と音に引き込まれます。
彼「Eve」と「マカロニえんぴつ」が今のお気に入りです。トイズファクトリー、グッジョブです。
「しんどいな」「つかれたな」と思っている人には観て欲しいです。
クリスマスには誰かと観にいくのに、もとていい作品だと思います。
もしかなうなら、この二人の主演で実写ジョゼのパターンのリメイクと、あの絵本を出版してもらえたら嬉しいかもです。
今回は試写会でしたが、もう一度、観に行こうと思っています。