「作中の全ての「血筋」のための映画」血筋 波打ちぎわさんの映画レビュー(感想・評価)
作中の全ての「血筋」のための映画
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リビングシアターで拝見。
ダメ親父(失礼)と息子のやりとりが主ではあるが、その周囲の親族の物語でもあると思う。
それぞれが愛着と諦観の入り混じった感情を抱き、日常を生きている。
画家志望だった父が息子である監督を描いたエピソード。絵は描かれ(上手い!)、破られ、つなぎ合わされ、燃やされる。父子の関係を象徴するようなエピソードにやりきれなさと同時に燃やされる映像に残酷な美しささえ感じてしまった。
それとラストの父の、映画作りに対する告白。あれが本心ならば、血筋の不思議な巡り合わせというものだろう。
郷古廉氏の奏でるバイオリンの悲鳴にも似た音色も素晴らしかった。
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