「血筋」血筋 Akiraさんの映画レビュー(感想・評価)
血筋
スリリングで楽しかった。
映画の外の人々と同じく登場人物が何かを抱えていて、それがカメラで捉えることで爆発してしまう瞬間があるんじゃないかと、しかもそのカメラを握っているのは家族。このスリルが作品にのめり込む原動力になっていたと感じる。
初めはナレーションも最低限で、カメラの外側でふんふんとだけ言ってた主人公が、終盤に行くにつれてカメラの内側に入って怒りを含めた感情を表す。そして最後には父親と向き合い画に映る。私はこの主人公の変化にストーリーを感じた。変化があるから、この映像は今しか撮れないんだろうとも。
登場人物も映画のつくりも、うそんくささが魅力の映画だと監督は言っていた。うさんくささを削らず、むしろ付加し、映画として、エンターテインメントとして作りきった。ここにこそ、"家族"としての繋がり、"血筋"が感じられたような気がする。
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