星の子のレビュー・感想・評価
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原作のよさがない
原作を読んでいて、悲惨な状況にあっても間抜けで笑えるところやユーモアや自虐的なおかしさがあったのだけど、そういう部分をばっさりカットしている。ただただ悲惨で気の毒な人たちとして暗く描かれていて救いがない。物語を語る上での工夫もセンスもあまりない。
原作の主人公はちょっと頭の足りない子だったのだけど、そういう感じもしなくて芦田愛菜さんなので余計に聡明に見えるし、彼女に好かれたら先生も喜びそうだ。似顔絵を描いているアメリカ人の俳優も『ターミネーター2』に出てた子であることも触れない。作品名に触れることが権利の侵害であるとでも思っているのか、腰が引けた表現でげんなりする。
最後の集会で初めて参加した男の子の演説がものすごく面白かったのに、そこもない。両親が河童呼ばわりされる場面も面白かったのに、つらいだけだ。監督さんや脚本家は相当真面目な人で、今村夏子さんを理解できていない。確実にふざけた人である。
家族教
例の旧統一教会問題で明らかになった宗教二世の問題。明らかに怪しい教義やその活動、しかしマインドコントロールされた親は子供がいくら訴えても聞く耳を持たない。
今でも歌手の桜田淳子さんが出席した合同結婚式の映像をよく覚えている。そのあまりにも異様な光景は当時深く脳裏に焼き付けられた。ただ、この教団が時の政権とここまで癒着していることは、元首相銃撃事件が起きて報道されるまでは全く知らなかった。
当時からその阿漕な霊感商法は話題になっていたが、次第に報道も下火になり、世間から忘れられて久しいころにあの銃撃事件が起きた。
犯人の生い立ちを聞いて正直寒気がした。ここまで人の人生を無茶苦茶にしていたのかと。そしてそれ以上に驚いたのはこの教団への強制捜査が政治の力によって止められていたという事実だった。
この教団は元々韓国の朴正煕政権時代に反共を掲げた団体ということで政権に受け入れられ、同じ理由でアメリカ、そして岸信介の時代の日本でも受け入れられ、その頃からその活動は根付いていた。
まさに時の政権とは持ちつ持たれつの関係。なるほど、強制捜査も止められるわけだ。しかし、そのせいで野放し状態の教団によりどれだけの国民がその財産を奪われ人生を奪われてきたことか。それを政権は黙認して放置していたということになる。
あの時強制捜査をおこない、アメリカのように教団を追放していればあのような銃撃事件も起きなかったかもしれない。
人がこの世に生を受けて最初に築く人間関係が親子関係だ。その親子同士の愛情が深ければ深いほど家族の絆は強くなる。
家族の絆が強ければお互いを無下にはできない。どちらかがこのような怪しい宗教にはまってしまえば他人のように簡単に切り捨てることはできない。マインドコントロールされているなら何とか人生をかけてでもその洗脳から解いてやりたい。
家族の絆は美しい反面、それにより自分の人生が縛られることにもなる。
ちひろは生まれた時から病気がちの子供であり、育児に悩んだ両親は藁にもすがる思いで宗教にのめりこんだ。それは娘を愛するが故であった。
両親の愛情一杯に育てられたちひろも無事に中学生になり、自分を愛してくれた両親を同じように愛していた。そして両親が信じているものを同じように信じていた。彼らが行う行為に違和感を感じながら。
しかし、慕っていた教師に両親の奇行を目撃され残酷な言葉を投げかけられたちひろはショックを受ける。やはり両親のやってることはおかしいんだ、大好きな姉が家を出て行ったのもこのせいなんだ。両親がこうなったのは自分のせいなのかと悩むちひろ。
彼女はすべての元となった「金星の恵み」をいつも手放さなかった。でも幼い頃から姉と二人で家では禁止のコーヒーを飲み続けていた。苦いコーヒーを飲み干せるようになった姉は家を出ていき、ちひろも中学卒業前にはコーヒーが飲めるようになっていた。
それでも彼女は一緒に暮らそうという叔父の申し出を強い意志で断る。彼女も両親と同じくマインドコントロールされているのだろうか。しかし彼女は「金星の恵み」に効果がないことに気づいていた。でも姉のように両親を見捨てて出ていくことは彼女にはできなかった。自分を愛してくれた両親を裏切ることはできない。それは彼女なりの強い決意であった。
愛情が深ければ深いほど家族の呪縛からは逃れることができなくなる。強いきずなで結ばれているだけに一方が地獄に落ちれば、ともすれば道連れになることも。
この家族の行く末はあえて描かれない。ちひろが今後長い時間をかけて両親のマインドコントロールを解いていくのか、あるいはそのまま両親とともに信者として生きていくのか。
満天の星空の下、三人の小さな家族はたがいに寄り添い流れ星に願いをかける。
願うのなら星だけにしておいた方がいい。その方がお金はかからないし、元来、宗教とはそういうものだったはずだ。
宗教を題材にしてるわりには過激なシーンはほとんどなく、宗教に対して...
宗教を題材にしてるわりには過激なシーンはほとんどなく、宗教に対して是非を問うこともなく、終始穏やかに進行していくのが逆にゾワゾワする。
今まで当たり前に信じてたものが揺らいで戸惑う感じ、薄々気付いてた世間とのギャップに傷付く感じ、そういうものが直接的なセリフじゃなくて表情や空気感でうまく表現されてると思う。
昇子さんの出番少ないのに完全にスピリチュアルの世界の住人というか、あーこの人には何言っても無駄だなって思わせる雰囲気が出ててすごい。
正直これで終わり?とは思ったけど寄り添って星を眺めるなんて相当仲が良い家族じゃないとできないしそれがまた悲しいとも思えるし、逃げ道を塞がれてるような不気味さも感じるし、全体を通してちひろが何も語らないからいろいろ想像が広がる。
ちひろ(芦田愛菜)は生まれながらに病弱だった。 この子の病気を治したい一心で両親(永瀬正敏、原田知世) は統一教会のような新興宗教にのめりこんでいく。
動画配信で映画「星の子」を見た。
2020年製作/110分/G/日本
配給:東京テアトル、ヨアケ
劇場公開日:2020年10月9日
芦田愛菜
岡田将生
大友康平
高良健吾
黒木華
蒔田彩珠
新音
田村飛呂人
永瀬正敏
原田知世
ちひろ(芦田愛菜)は生まれながらに病弱だった。
この子の病気を治したい一心で両親(永瀬正敏、原田知世)
は統一教会のような新興宗教にのめりこんでいく。
高額のペットボトルの水を買い求める。
それを頭からかぶると風邪をひかないと信じている父と母。
母親の兄である雄三おじさん(大友康平)はふたりの目を覚まさせようと
苦労するが、それもかなわない。
ちひろが小学5年生のときに16才の姉(蒔田彩珠)は家を出て行ってしまった。
彼女はそれ以来家に戻ることは一度もなかった。
ある日ちひろが憧れる男性教師(岡田将生)に公園での両親の奇行を見られてしまった。
「何やってんだあいつら、完全に狂ってるな」とまで言われてしまう。
ちひろはとてもショックを受けてしまう。
この家族はいったいどうなってしまうのかと心配になってくる。
宗教施設での泊りがけの集会で3人の親子は空を見上げ、
星を見ている。
そのまま終劇となる。
脚本がとてもいい。
飽きたりつまらないと感じる部分が全くない。
脇役の人たちの会話も無駄がなく、
セリフにもすべてちゃんと意味があるように感じる。
原作は芥川賞作家の今村夏子。
同じ原作者の作品を映画化した「こちらあみ子」も見てみたいと思った。
満足度は5点満点で5点☆☆☆☆☆です。
同じ宗教2世としては余りに刺さり過ぎる内容
2年くらい前に見て以来2度目の視聴。
やっぱり個人的ベスト3に入るくらい好きだわ。
全てのエピソードがリアル過ぎて泣きたいような笑えるような不思議な気持ちにさせてくれる作品。
うちの宗教は霊感商法とかは無かったけど、学校の友達といる時と、親や教会の友達といる時で世界観が全然違うというか、でもどっちも楽しいんだよね。
夏休みにキャンプしたり、デッカいホールにたくさん人が集まって皆でお泊まりしたり、子供の頃の楽しい思い出はいっぱいある。
年上のお兄ちゃんが作る焼きそばが美味いとか、誰々さんちの何々君は病気でとか、そういう本筋に関係ないエピソードも沢山挿入されていて、でもそれが凄くリアリティを出してる。
ちひろが両親を疑いながらも、でも離れられないっていうのも凄くリアル。
物心ついた時から宗教と家族の生活が結びついちゃってるから、当たり前の日常が壊れていくみたいで辛いんだよね。
まーちゃんはもう大きくなってたから、ちょっと引いた目線で見れていたのかも。
最後の両親を探すところから星を見にいくまで流れはとても良かった。
ずっとすれ違ってる感じ。でもなんか幸せそう。
ちひろは帰りたいけど、親とは離れたくない。
肯定も否定もしてないって意見が多いけど、どちらかというと否定的な印象を受けたかな。
カルト宗教は否定されるべきだと思ってるけど、でもいい思い出も沢山あるから否定してしまうのは悲しい。
宗教2世はみんなこういうアンビバレンツな感情を抱いているんじゃないかな。
だからこそカルトは無くなってほしいとやっぱり思ってしまう。
あと男の子がいい奴すぎて惚れたわ。
「カッパだと思った」で爆笑したw
愛菜は共感するが意味は分からん
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衰弱して生まれた子が回復したことで両親が宗教にハマった女の子が主人公。
両親はパワーを秘めてるという水を高く買わされ、バカみたく信じてる。
娘は両親ほどじゃないけど少しは信じてて、でもどこか疑ってた。
この水を飲んでれば風邪をひかないと言われてたが、実際にはひいたしね。
で学校の男前な先生に密かに恋心を抱くが、その先生は結構クズだった。
主人公を車で送ったことが変な噂になり、思いっきりイライラするわ、
生徒らが話を聞かん腹立ちを、授業中に絵を描いてた主人公にぶつけるわ。
そんなこんなでその宗教の集まりに親子で参加して、
親子3人で夜遅くに登山して流れ星の見えるポイントでそれを探して終了。
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うーん、意味が分からん・・・・
まず芦田愛菜は最高。中学生になって、利発さが際立ってきたよね。
賢いし有名でも全く天狗にならず、自分らしく生きようとしてる感じ。
今回の役も似た感じなので、別人を演じてるわけではないと思う。
そんな素朴な主人公が将来のことをどう考えてどう判断を下すのか?
そこに関心持ちながら感情移入して見れたので、決して退屈ではなかった。
でも話が進まず時間だけが過ぎ、これどうやって終わるの?って思った。
結局は上記に記したように、親子で唐突に星を見ながら終了・・・
両親が嫌で若くして家出した姉、主人公が憧れた男前の先生、
物語に深く関わって来そうなこの2人が、ほぼ全然関係ないまま終了。
星を見に行く直前に母が一瞬行方不明になるが、これもほぼ関係なし。
また両親がどんな人物なのか描かれるシーンがほぼ無かったため、
ラストシーンでこの2人が何を考えてたのかもよく分からない。
世間の目ばかり気にしてたり、多忙過ぎて自分をすり減らしてたり、
そういう人達がラストシーンでのんびり星を見て終わるならまだ分かる。
でもこの3人とも、割と自分らしく生きて来た人達なんよなw
もやもやしたまま終わった
途中まではここからどう変化していくんだろうと思い面白かったけど、結局何も解決されず現状維持で終わった。
(宗教を心から信じるかは別として)親と一緒にいるという答えを選んだ、で終着にしても、あれ、これで終わっちゃうの?と思った。
ちひろが抱いた複雑な気持ちが全然回収されていないような。覚悟があまり丁寧に表現されているように見えなくて、考えるのを放棄した、もしくは途中で話を閉じてしまったようにも感じた。
これからまたすぐに、同じ問題にぶつかって苦しむ時がくるだろうに。今でもお姉ちゃんの現状を聞いて涙が出るくらい引っ掛かってる気持ちがあるのに。ずっと誤魔化しながらやっていくんだろうか。
リアルではそういう2世の人が多いのかもしれない。それを描いたということなのかな。
芦田愛菜ちゃんのドラマや映画をちゃんと見たことがなかったけど、やっぱりすごく自然で上手なんだなと思った。
星の子ちひろ
南Tはちひろを乗せた以前に女子生徒に対して誤解?を受ける行動があったのでしょう。だから囃し立てられた。さらに保護者や校長から何度も注意を受けイラついていたと思います。やかましい生徒を叱らず、注意する必要のないおとなしいちひろに皆の前で親の事も持ち出してキレまくるとは、教育者として失格も失格。しかし、南Tから見れば親が信仰宗教に入り奇異な行動もしうるさそうでもなくちひろ本人もおとなしい、いじめの格好の標的。保護者や校長への鬱憤をちひろにぶつけたのだと思います。なべちゃんが上手くフォローしてくれたし、新村君も人間性満点の言葉かけをしてくれて救われました。涙目ながら耐えたちひろ。大人より子供、教師より生徒の方が賢いのは多々ある事です。
学校としては新興宗教の家庭はチェックしていると思います。特に保健の先生には情報がきっちりと伝えられている筈です。ちひろも両親もその宗教も学校生活において問題になるような点は無いので普通の対応だったのでしょう。
姉ちゃんが家出したのは手のかかる妹に親の手が取られ自分への愛情に疑いを持ったから。子の親になって両親の気持ちが理解できて自分も愛されていたんだ、と気づいたから電話して来たのかなと思います。
やっぱり家族愛です。ご両親からしたらこの宗教がちひろの身体を治してくれたと信じ込んでいるので自分達が死ぬまでやめる事はできないと考えています。ちょっとでも迷いの心があればちひろの身に不幸が起こると信じ込んでいるのでしょう。ちひろはそんな溢れる愛を注いでくれる親を裏切れないです。お父さんもお母さんも頭にタオルを載せているのは笑いそうになるけど至って真剣。伯父さん家族も本当に親身になって心配してくれる。ちひろは幸せ。
だけどちひろはこれから先どうするのでしょう。信心する心は無くても頭にタオルを乗せて水を掛けるのでしょうか。ただ、経済的にしんどくなる程入り込むのはどうかな?と色々心配かける作品ですね。
ごく日常にある宗教家庭
自分の中のなんとなくの宗教のイメージがしっかりと映像化されていた。物語は淡々と進んでくが、それがむしろリアルっぽくて自分は好き。好き嫌いが別れそうな映画!だが、最後がダメ。もっと良い終わり方があったのでは、、、。
役者は文句なし。だが、
芦田愛菜さんはじめ役者陣の演技は素晴らしい。だが、宗教を信じる親を信じることがやや美化されているのではないかと思ってしまう。
統一教会の問題が明らかになり、まだ解決していないどころか与党自民党とがっつり癒着している現状で、この物語を観ることの意義を考えてしまう。
決して宗教を信じること自体が悪いわけではない。それは新興宗教も同じだろう。だが往々にして子供には選ぶ自由がなく、その生活が親の信仰によって犠牲になるという現実がある。
この物語の主人公ちひろは両親に大事に育てられ愛されている、ように見える。
しかし序盤と中盤で家が明らかに貧しくなっている。コンビニのペットボトルより高い水を毎日買って飲み、それ以外にも宗教にたくさん貢いでいるためか、宗教に入れ込んでいることがばれて仕事が続けられなくなったのか、いずれもにせよ修学旅行の費用を叔父に借りなければならないほどに困窮していることがわかる。
現実は映画よりも遙かに残酷だ。数々の宗教2世が親から鞭で打たれたり、食事を抜かれたり、自由に進路を選べなかったり、学費に充てるべきお金を親が宗教に入れあげて苦しんできているといった証言がようやく明るみになってきている。親が輸血を拒否して亡くなった事件もあった。
子供は親を選べない。どんな親であっても愛されたいと願ってしまうし、その宗教がインチキだとわかっていても叔父に糾弾される両親をみれば思わず叔父のほうにハサミを向けてしまう。
後半、ちひろが両親を捜し回っても見つけられないのは、昇子さんが両親と会えないよう嘘の場所を教えていたのではないかと邪推。あくまでちひろはまだ両親の庇護下にあり、両親なしではどこにも行くことが出来ない子供であることを痛感させようとしたのではないだろうか。
ラストシーン、ちひろは両親のために流れ星を見たと嘘をつくことはあっても、あの3人が同じ流れ星をみることはないのだろうし、ちひろは自分の病気のせいで両親が宗教に入れ込むことになった罪悪感を抱え、矛盾に苦しんでいくのだろう。
単純な解決策を提示しないという点では評価できるが、もう少し宗教側への報いが会って欲しかった気はする。
子供たちのピュアな演技を堪能できた!!
芦田愛菜©を中心に子供たちのピュアな演技を堪能できました。題材に好き嫌いはあると思いますが、この部分だけ表したかったのか途中で終わっている気がします。今は大丈夫そうですが先行きが不安です。
テーマがよくわからなかった
新興宗教問題としてよく挙げられる事象の描き方はあっさりしているし、芦田愛菜の葛藤も中途半端な感じ。
あたまにタオル乗っけてる以外は、ほっとけば普通に暮らしてる家族なんだよな。兄に指摘されて突然キレる原田知世、無理やりねじ込んだエピソードの不自然さ。
イケメン先生はカムアウトしやがって糞だけど、生徒がみんな優しいよね。変な水いつも携えてるのにいじめられてないの不思議だった。今どきの学校、子どもたちってあんな感じなの?
なんとも
芦田愛菜のスピーチを見てから、ずっと見たかった作品。
今、何かと話題の新興宗教の話。自分が原因で親が宗教にどっぷりハマっているというなかなかのシチュエーション。
おかしいのだが笑えない。色々と考えさせられる作品
普通にコワってなった
本作で描かれているレベルの宗教はレアなケースだとしても、怖いなーって思った。信じることに没頭してしまうと、なんでも人間はへんな方向に進んで止められなくなってしまう。なので、やっぱりメディアリテラシーに気をつけて、一つの事に信じ過ぎず、分散することが何においても重要なんだなぁと思った。
俳優さんたちは頑張ってたと思う
とにかくリアリティがない。
両親の信仰心いまいち表現出来てない、綺麗すぎる新品みたいなジャージ、綺麗すぎる黒板、10代の芝居がかったセリフ、お金無くなって古い家に移ったのは分かるけど、その古い家のセット感、タオルをのせる水をかける等の見えない宗教観、起承転結がよわくてもいい映画はたくさんあるけど…
何を信じるか
信仰宗教というタブーになりそうな作品をしっかり描いた一本だなぁという印象。
大人数で赤ちゃんから高齢者まで数日の研修をうけるけど、説教は大掛かりなのに食事はいつも冷えた質素なものばかり。
宇宙から送られてきたとかいう水を信じている家族、
儀式や集会に忙しくなってしまうからなのか、
ちひろの父が仕事をしている様子も、母が細々と家事や食事をする様子は見られない、
食欲がないと、一言我が子が言えば「じゃぁこの水だな!」と頭から水をかぶせようとする親。
それで体が冷え、余計に具合いを悪くしていて本末転倒だなと感じる。
宗教から引き離そうとしてくれる親戚もいて、なんとももどかしさは伝わる。
だって、法を犯してるわけでも誰かに迷惑をかけているわけでもないからね。
信じていく、とはなんなのか、
流れ星が見えるフリをすればいいのか、
正直に見えないものは見えないと言えるか、
見えないと言った後、じゃぁ自分は何に頼ってすがって生きていくべきか、
信じている人を疑い出す残酷さ…
信じ、愛している両親を異常だと疑い出す、ましてや恋する人からそれを痛烈に指摘されることほど、悲しく、苦しいことはないかも知れない。この映画は宗教を否定しているわけではない。両親だって、娘や家族のために、良かれと心底思っているからこそ、入信している。娘の病気を治すために藁をもすがる思いだったのかも知れない。娘も他人と違うことを認識し、ましてやそれが原因で、姉が家出してしまったにもかかわらず、疑いつつも、両親を信じている。両者には愛があるので、成り立っている。それだけに悲しいことかもしれないが、今が幸せなら、それで良いのかも知れない。将来的なことを考えると大友康平演じる親戚の心配も痛いほどわかる。映画は無理に解決するわけでもハッピーエンド、何某かの回答があるわけでもないところが、リアリティがあり、かえって良かった。複雑な気持ちでいる表情を芦田愛菜が上手く演じている。しかし、緑のジャージと頭にお絞り乗せる姿は何とも滑稽だ。日本にも多種多様な新興宗教があるが、非常に考えさせる映画だった。
考え方を変えると、割と身近な話かもしれません。
私自身、信仰する宗教などはありません。
ですが信じるもの、愛するものは人それぞれ。
人によっては宗教も同じなんだと思います。
ただ、愛する人が信じているものや愛しているものを自分も同じように愛したり信じなくてはいけないのか?
時に、その為に犠牲にならなければいけないのか?
それはまた別問題かと。
信じることや愛することと、依存はまた別ですよね。
ただ、両親は宗教に過剰に依存してはいるものの、風邪を引いた娘を過剰に心配したり娘のことが大好きで大切なのだなということは見ていて伝わります。
そもそも宗教を信仰するようになったのも、娘の病気を受け入れられず縋り付いた先が宗教だった、というくらいなので。
そして宗教に依存する両親を見ても尚、両親のことを一度も否定しようとしない娘もまた、両親が大好きで大切なのだなと。
だからこそ、何が正しいのか悩むんでしょう。
両親が宗教に大金を注ぎ込み普段の生活をないがしろにしたり周りにお金を借りたりするように依存することは褒められた事じゃありません。
(だからと言って、あの教師のように人前でそれをなじったりするのは別問題ですが)
ですが、この作品ではその依存先が宗教だっただけで、身の回りにも案外同じような人がいるのかもしれません。
買い物依存とか、整形依存とか、SNS依存とか。
そう考えると何だか身近なテーマだなと思いました。
ラストシーンがとても好きです。
両親が同じタイミングで流れ星を見つけられたタイミングに、ちひろ(娘)は見つけられない。
ちひろが見つけられたタイミングに、両親は見つける事ができない。
人が違えば見えるものも違うんだなぁと。
血は繋がっていても、信じるものや愛するものは違う。
それでも寄り添えることが出来たら幸せですね。
余談ですが、ちひろの友人の恋人役の男の子が可愛くて度々笑いました。
芦田愛菜ちゃん大人になったなぁ
人それぞれ
習慣、信じるもの、宗教とか
本当に家庭ごとに違うものがあり
それが当たり前で育った家庭
それがいいと信じている家庭
やはり育った環境、考え
最初の教えから信じて生きてきたとか
それが正しい、でもおかしい
けど家族、とか色んな思いになりますね。
他人から見たら、不審者。
自分から見たらいつもの家族。
水の中身を水道水に変えた、おじさん。
怒鳴り散らかす妹夫婦。
協力したはずの妹夫婦の娘も、
怒鳴り散らす父母をみて
帰って!と叔父に包丁をむける。
やっぱり家族愛が勝ったのだと。
おかしいと思ったから叔父に相談したのに
やっぱり家族が勝ってましたね。
不審者だ。って先生に言われてる時の
芦田愛菜ちゃん、切ない悲しいすぎましたね。
そこへ手を差し伸べるおじさん。
お姉さんのまーちゃんは
そんな家族が嫌で出て行ったんだなと。
父母のお水への信頼に不信感はあるのに
このお水はいいお水、哲学者が認めたお水。
それは信じている。
矛盾しているけど、信じてる。
小さい頃、あの湿疹が水で直ったのは
偶然なのか否か。
あのときのあれがなかったら父母は
どうなっていたのか。
小さい頃からの習慣って
本当に人それぞれ家族それぞれです。
宗教も、生まれてそう言われて育ったら
それが当たり前になって育っていく。
でも他人からしたら、それが当たり前ではなくて。
なんというのでしょう。
信じる気持ちとか、家庭とか
そういうことを考える映画でした。
芦田愛菜ちゃんが体調悪そうにしてたら
あなたにタオル乗せられて、水かけられてたシーンで
笑ってしまったけど
ご夫婦は、本気で心配しての行動だから。。
なんとも言えませんよね。
好きだった先生に
【その変な水もしまえ!!】って。
みんなの前で、水で風邪ひかないから苦労しないんだよ!
両親にも言っとけ!って。
めちゃくちゃひどい、感情だけでしゃべる人間すぎて、
ドン引きでした。
水の否定は、もう両親、自分をも否定されているような。
信じてる?ってきかれたときに
わからないの。
その言葉の意味もすごくわかります。
信じてる信じてないとかじゃないんですよねなんか。
そう信じて生きてる人がいて、
そう育ててきてもらって
愛情ももらってて、
わからないってなりますよね。
おかしいってわかってても、
信じてない!!とは言い切れない感じ。
修学旅行行くのかな?って思ってたら
幼少期から通っていた、なぞの宗教(?)
オーラが見えると言われている人がいたり
変なポーズをしながら瞑想したり。
交流会という名の宗教の人たちと話す時間。
これも本当に育った環境だと思いました。
この宗教に限らず、信じてるものが
その人の信じているもので
習慣が、習慣で、信じてなくても
どこかで信じてて、嫌いにならなくて
生まれてそれが当たり前だったからそうなってしまって。
子供の時からそうだったら、もうそうですよね。
鑑賞というよりむしろ苦行。
まず、水を使い皮膚病が治ったというだけで、そこまで宗教に入り込む心理の変化の表現が乏しい。
皮膚病が治り、夜泣きもやみ、体格も知能も良くなった…とか言うならまだわかるけどそういう過程がない。
薬としての(自然治癒力やプラセボ効果を含めての)、水が効いたという以上のものを感じなかった。
学校生活で周囲から強いいじめにあっているとか、完全に孤立しているというわけでもなさそうだし、確かに先生の理解がないものの、学校の先生なんて所詮あの程度だろうと思ってしまう(むしろ車で送ってくれるだけまし)。
本人に強い信仰心があるとも思えないし、だからといって否定するでもないし…
ラストシーンもよくわからない。
結局、子供は育った環境によって運命が大きく左右される、ということなのか??
芦田愛菜の演技も悪くはないがまあ年齢を感じさせるもので、まだまだこれから伸びていくだろうなぁと思った。
思っていたより背が低いとわかったのは報酬。
子役の子は良かったな。
あと、大友康平がいい。
芦田愛菜ガチファン以外には苦行かもしれない。
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