劇場公開日 2020年10月9日

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「新興宗教をリアルに感じ、いろいろ考えさせられた」星の子 p.f.nagaさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5 新興宗教をリアルに感じ、いろいろ考えさせられた

2025年6月14日
PCから投稿
鑑賞方法:VOD

この映画のポスターの写真は、親子3人で星を見上げている場面だが、この場面についてどう思うだろうか? 「案外、幸せそう」とポジティブに見ることもできる。

なので、山上徹也の家族を崩壊させた旧統一教会をイメージしてこの映画を見始めたけど、見終わって旧統一教会とこの映画の新興宗教とをいっしょにしてはいけないのだろうと思った。
仏教やキリスト教などのメジャーな宗教は市民権を得ているけど、その儀式には科学的根拠はないだろう。一線を引くとしたら、財産を巻き上げるかどうかだろうか、などと考えてしまった。

一方で、旧統一教会と共通するようなところもある。病気の不安が最初のきっかけになっていたり、家族の一人とは疎遠になっている。何より周囲の人から奇異に見られている。そして、脱会の難しさも共通していて、そこがこの映画のテーマにもなっている。

この映画で新興宗教をリアㇽに感じた。また、主人公の中学生のこころの揺れ動きも共感した。
両親を演じる原田知世と永瀬正敏は、人の言うことを信じてしまう善人の雰囲気をうまく演じていた。「変だけど、悪い人じゃない」という微妙な役どころに、有名俳優をキャスティングしたのは良かったと思う。
どなたかのレビューにもあったが、芦田愛菜のイメージが「聡明」すぎて、先生に一目ぼれしたり、あやしい宗教を信じたりしないタイプに見えてしまう。聡明なイメージを演技で消すのはさすがに難しいか・・

p.f.naga
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