「信じている人を疑い出す残酷さ…」星の子 ケイさんの映画レビュー(感想・評価)
信じている人を疑い出す残酷さ…
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信じ、愛している両親を異常だと疑い出す、ましてや恋する人からそれを痛烈に指摘されることほど、悲しく、苦しいことはないかも知れない。この映画は宗教を否定しているわけではない。両親だって、娘や家族のために、良かれと心底思っているからこそ、入信している。娘の病気を治すために藁をもすがる思いだったのかも知れない。娘も他人と違うことを認識し、ましてやそれが原因で、姉が家出してしまったにもかかわらず、疑いつつも、両親を信じている。両者には愛があるので、成り立っている。それだけに悲しいことかもしれないが、今が幸せなら、それで良いのかも知れない。将来的なことを考えると大友康平演じる親戚の心配も痛いほどわかる。映画は無理に解決するわけでもハッピーエンド、何某かの回答があるわけでもないところが、リアリティがあり、かえって良かった。複雑な気持ちでいる表情を芦田愛菜が上手く演じている。しかし、緑のジャージと頭にお絞り乗せる姿は何とも滑稽だ。日本にも多種多様な新興宗教があるが、非常に考えさせる映画だった。
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琥珀糖さんのコメント
2023年3月27日
こんにちは
コメントありがとうございます。
そうですよね。河童のようなお絞りを載せて何かをしている両親。
親を好きだからこそ何もいえませんよね。
この宗教も寄付は多かったみたいで、食べ物にも苦労していて、
育ち盛りの子供の栄養とかも犠牲する・・・宗教を信じるって
理性がなくなるのかもですね。
この映画はまだT協会が問題になる大分前の小説が原作らしく、
若い人にベストセラーになるのは、同じ宗教上の悩みを感じる人が多いんでしょうね。家族が宗教を信じていたら、私も悩むと思います。