「信仰とは、信ずるものは救われる?」星の子 うにたん♪(コロナが当たり前の世界)さんの映画レビュー(感想・評価)
信仰とは、信ずるものは救われる?
物語が過去と現在を行き来して、家の中が寂れていく過程…は宗教で貧乏になっていく過程で気持ち悪い。
高校生になった頃には古い家屋に変わっているのでお金を団体に搾り取られたと想像できる。
たまさかにアトピーか?皮膚炎か知らんが効いたと思った両親の傾倒ぶりは恐い。
謎の水を飲み、頭にタオルを置き濡らすとなんやかんやに効くらしい。
黒木華たちの子どもへの講義で「ここに居るのは自分の意思とは関係ない」「気付いた人から変わっていく」は何だか恐い言葉。
ちひろの周りにはおじさん(母親の兄)から始まって、宗教に疑問を抱く人が何人も出てくる。
宇宙ぱわあの水の中身を入れ換えた義理兄(母親の兄)と宗教にハマった家族が争った流れは、どうしようもない展開で辛い。
まぁ頭ごなしに信じてるものを否定するとああなるよね?
儀式をしてる両親を憧れの先生に見られ「何やってんだ?狂ってるな」と言われてしまうと、今まで引っ掛かりのあった自身の疑念が一気に沸き上がってくる。
水を頭に浸して治るなんてそりゃ中々信じ込めないよな。
普通に社会と接してれば常識も分かるよな。
家を飛び出した姉まーちゃんへの想いもあるが、姉ちゃんは宗教とは相容れず、出ていった先で結婚し出産、両親には報告のみ。
終盤、交流集会で、信者ではない部外者も混じっており、「ここでリンチにされた奴がいる」とか物騒な話も聞いてしまう。
集会の雰囲気はまさに新興宗教組織らしく分かりやすい。
あんな建物がドーンとある時点で「どっから金集めた?」と不審感バリバリである。
ラスト、星を見に行こうと山に連れていく両親。
見終わって不安しか残らない。
何でとか何にも説明はない。
しあわせは人それぞれ感じかたが違う。
経済的なものや環境も含めて、物質文明が優れているとも思えないがこの環境に慣れていると違う文化や環境に放り込まれるとどうなるのか?
誰もが幸せを探して求めて手に入れるとしたら、この先、ちひろはどんなしあわせを求めるんだろう?まだ高校生だから親と離れる不安は当たり前と言えるが、すでに疑念をもっているちひろを心配してしまう。
芦田愛菜の成長は見てとれるがそれだけでこの作品が飛び抜けて良くはならない。