劇場公開日 2020年10月9日

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「物語が追いかけてきた」星の子 ruさんの映画レビュー(感想・評価)

4.0物語が追いかけてきた

2020年12月5日
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レビューや評論を読まずに、どこかで拾ってきた「あいまい」という言葉だけ頭に入れて鑑賞。
結果それが良くって、肩透かしにあうことがなく楽しむことができた。

聞かれたら、何も信じてないですよと答えそうな自分だが、よくよく考えるとそうでもなさそうだ。
きっとうまく行く、あれはきっとそういう事だったのだ…等、思い込むことで何かを消し去ったり、存在するかのように振る舞うことができる。根拠なく信じることができなくなったら、心はたちまち窒息してしまうだろう。
風邪なんて存在しないから!くしゃみをして、慣れた手つきでティッシュを渡しても。

奇妙でありながら凪いだ暮らしが、どうぞ・ゆっくり・観てください ぐらいのリズムで、丁寧に映される。
動体視力弱いタイプの自分には優しいw

芦田愛菜さんうまい!と特別に意識しなかった程、出演者の方が全員本当に凄かった。
いちばん後ろの席の眼鏡の女の子、どうしても気になる…またスクリーンで出会いたい。

まぁまぁ良かったなと映画館を出て、無色透明の液体を吹き付け、手もみする儀式?をすると先程までスクリーンで観ていた世界が動き出した。

パパが肩車の家族連れ。ひとりベンチでスマホの人。お揃いのジャンパーのボランティア隊。何を信じ、何に救われているのか…想像が止まらない!

無限の空間を得た生き物のように、物語が膨張し目の前で次々と展開する。とても興奮した。
この「映画と現実の視界との地続き感」実写の邦画だけがくれるマジックを味わった。

やっぱり映画は観てみないとわからない!

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