「(原作既読)演出と脚色はいまいちだが主要キャストの自然な演技で最後まで見せる。解釈を観客(読者)に任せるところは宜し。」星の子 もーさんさんの映画レビュー(感想・評価)
(原作既読)演出と脚色はいまいちだが主要キャストの自然な演技で最後まで見せる。解釈を観客(読者)に任せるところは宜し。
①原作がもつそこはかとない面白さを、特に前半は活かせていない。「雄三おじさん水取り換え事件」のシーンの迫真さと面白さは原作に比べ遥かに劣る。これは脚色と演出との責任だと思う。②後半、南先生に家まで送って貰う件くらいから、やっと調子が出てくる感じ。但しアニメーションシーンが必要だったかどうかは微妙。③性悪南先生にちひろが親の悪口も含め罵倒され涙にくれるクライマックスは、芦田愛菜を含め「なべ」「新村君」三人の好演で見ごたえのあるシーンとなった。④逆に、原作ではもひとつ輪郭がハッキリしなかった昇子さんは、黒木華の怪演(?)で「いるいるこんな人」っぽい薄気味悪さがそこはかとなく醸し出されていて面白い。⑤大友康平は年を取るほど不細工になっていくなぁ。⑥原作を読んだ時は思わなかったが、永瀬正敏と原田知世(年取った!)扮するちひろの両親の姿は、1)何かを信じないでは生きていけない人間の戯画化とも取れるし、2)本人たちも実は心底から真剣に信じているわけではないけれども、病弱な幼児だったちひろが元気になったことへの感謝と、もし止めたら又ちひろが病弱に戻ってしまうかも、との恐れから信心を続けている(その結果もう一人の娘を失ってしまうわけだが)、その姿を通して(かなり変わった設定ではあるけれども)親の子供へのどうしようもない愛情というものを描いているとも取れるかな、と感じた次第。
コメントバック、ありがとうございました。本作はかなり面白かったし、芦田先生(愛菜)の作品なので、決して忘れてないです。さらにあらためて読んだら、
> 「雄三おじさん水取り換え事件」のシーンの迫真さと面白さは原作に比べ遥かに劣る
こんなこと書かれたら、原作読みたくなっちゃうじゃないですか。
では、今後ともよろしくお願いします。