「同じ流れ星を見ることのない家族」星の子 Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
同じ流れ星を見ることのない家族
封切り日なので何か観よう的な軽い感じで観賞
芦田愛菜は別に作品を意識してみたことはありませんでしたが
大きくなったもんだなと…
そういえばパシフィック・リムも出てましたね
感想としては
宗教にハマる親という斬新なテーマ
間で表現する映画らしさ
絶妙な配役
ドキュメント風のリアリティ
ちょっとワンパターンな宗教ハマり描写
なんか投げっぱなし感のあるオチ
などマズマズ面白かったです
林家の次女ちひろは未熟児で生まれ悲観する両親は
宇宙パワーの水みたいのにすがりつき
それで回復した(と思い込んだ)両親はその宗教に
のめり込んでいきながら15年後に舞台が移ります
ちひろは生まれたときから両親がそんなだったので
何も疑問に感じていませんが姉はこんな両親に
愛想を尽かして家を出て行ったり
小学校や中学校では宗教にハマっている事を
馬鹿にされたりするようになってきます
それでもちひろはハンサムな男性に憧れを持ち
中学でも数学教師南に恋心を抱きノートに似顔絵を描く日々
そんな生活が徐々に壊れていきます
宗教にハマる家庭の描写はなかなか面白く
ちひろが赤ん坊だった頃は中流的な家に住んでいて
長女まーちゃんも家にいたのですが
15年後にはボロい平屋に家の奥には宗教の祭壇があり
両親はジャージとわかりやすく吸い上げられている描写が印象的
中学校にも同級生に同じように入信している友人
していない友人もいますがちひろとは普通に接しています
「無関心に勝る寛容なし」ってやつでしょうか
憧れの南先生も理想に燃える若い教師って感じですが
噂を立てられたり言うことを聞かない生徒にいつしか
怒りが爆発してちひろに当たったりしてしまいます
ちひろはたびたび世間と自分の家庭のギャップに
押しつぶされ泣き出しますが原理主義的に結局元の感覚に
戻ってきてしまいます
でもそれは宗教を大事にしたいというより両親を
大事にしたいという気持ちが勝っていたのでしょう
そんな感じでちひろが変化を見せつつ結局変わらない
という展開でこれどうやってオチつけるのかなと
中盤には気になってきます
何かとんでもない事件が起こるとか
警察が踏み込んできて宗教団体が崩壊するとか
でそんなことは一切起こらず家族で星空を見上げて
映画は終わってしまいます
つまり中盤当たりでもう話は終わっちゃってる感じで
なんか拍子抜けな感じはありました
配役は絶妙で立場ごとに明確な演技がなされており
そのあたりのシーンは非常に見応えがあったし
蒔田彩珠は若い頃の伊藤かずえ思い出しました
南先生をエドワード・ファーロング(T2主演の少年)
と言ってましたが君いくつやねんという気もしました
テーマも切り込んでて斬新さを感じましたが
もう少し掘り下げを期待したい部分もありました
でも全然悪くは無いです