スキャンダルのレビュー・感想・評価
全32件中、21~32件目を表示
いやバットガイ聴けないんかい
・演技について
三人の演技を比較せざるを得ないのであえて言えば、マーゴットロビーの圧勝。
というか、彼女がいちばん見せ場多いからな。すごく心に響くシーンが多いのよね。
雨の中の電話シーンとか、会議室呼ばれるシーンとかね。
・セクハラについて
いろんな怖さがあったけど、最初にマーゴットロビーが推薦の話を上司にされるとき。
小さな部屋のブラインドを閉められて、遠くない距離感で二人きりで、昇進の話をする。
結果的に仕事の話で終わる、それだけなんだけど、女性からしたら怖いと思うのね。何されてもおかしくはない、というか、バレない空間だから。そういうハラハラを女性は常に持ったまま仕事しなきゃいけない環境だってことが伝わっていればうれしい。
・レズビアンの先輩について
彼女も結構つらい立ち位置の人。結局マーゴットロビーは彼女のようにならないことを選んだしね。彼女も早くあの環境から抜け出して、自由に生きてほしい限り…。そこまでしてFOXにいる必要あるのかい…
・カズヒロのメイクアップについて
もうね、肌!ほんと肌!
泣けるし、笑えるし、すっぴんだって披露できるってどんな技術よ!
でもその反面、じゃあこれってこの女優が演じる意味あんの?って思ったりもして。いやCGとかよりは全然いいとは思うんだけれど、シャーリーズセロンが演じることで、より深みが増すというか、彼女自身とモデルの人物がどれだけ精神的にマッチしてるかってことが重要だと思うんですよね。映画では。その演技を邪魔しているというか…。その精巧性を観客は本当に気にしているのかなと思っちゃいました。
あと、プロデューサーとしてのシャーリーズセロンは素晴らしいですよね。本当に女優魂を感じる。この映画とも重なるけど、力を持っている彼女のような女性が声を上げるのは、他の全女性にとって本当に助けになること。女性の強さをもっともっと見せつけてほしい。
もやっとくる作品
なんだろう?もやっとくる作品。
題名からして軽めかなと思ったが、世界的に大きな影響力を持つFOXで活躍する目論みを持つ女性達が、キャスターとして出世していくために、大ボスである男性ロジャーの言葉巧みな誘いに乗り、セクハラと引き換えにキャリアを手に入れていた、という話。
セクハラを断ったせいで不遇な目に遭ったグレッチェンがロジャーを訴えた事で、同じ目に遭った女性や、セクハラに応じてキャリアを得て今も現役として活躍中のシャーリーズセロン演じるメーガン、上昇を狙ってセクハラに応じてしまった新人の子も、当初は事実を明らかにすることを拒むが、声をあげる事を決意する。最終的に、FOX社長一家からクビにされるロジャー。
お金があっても権力があっても、ビジネス的にどれだけ会社に貢献しようと、人が嫌がる事をしたらいつかは自分に返ってくる。
でも、泣き寝入りしていた女性達が声をあげるのは大いに結構なんだが、実際女性達が見返りとして出世を貰っていたのも事実だし、仕事を評価する立場にいるのが男性なら、その男性から見た視線や、視聴者の視線を気にして、評価される動き方をしなければならないのもまた事実。
ロジャーのやり方は確かに間違っていたが、ロジャーが降りるなら、そのやり方に応じた女性陣もまた、得た物を手放さないとフェアでないのでは?一方、家族がいて名声や収入を手放せない中でセクハラの話を断れなかった事情も良くわかる。
何が一番公平な結末なのか?
セクハラとそうでない境界線がお互いに不快でない事なのだとしたら、男女間に限らず普通の同僚とでも、違う意見の者同士がどちらかに無理して合わせたら、NGということになる。余りに窮屈な気もする。
会社や組織がある以上、上下関係は必ず存在する中で、本当にフェアな出世とは?
評価する側もされる側も、人間である以上、主観を取り除くことは難しいし、特に視覚媒体で視聴率が評価となる業界ならば、頭脳や言葉選びだけでなく、どうしたって印象や見た目も視聴率に影響する。脚を見せて視聴率を稼ぐ方針はナシとは言い難いが、脚見せの延長線上にロジャーとの関係もある。どの段階で、不快感を感じるかも女性ひとりひとりによって違ってくる。
男女共生の社会の中で何が正解なのか?
よくわからなくなる作品。
放送業界に限らず、ハリウッドだってビジュアル重視。女優達はどんな感想を抱きながら演じたのかも気になる。
ミステリアスな表情が多いニコールキッドマンが、グレッチェン役では老いを隠さず感情をあらわにしていて、意外だった。
頭を使いこのスキャンダル問題を考える🤔
一行にこの問題は消えない。スキャンダル問題にも色々ある
この映画で描かれたセクハラ、これは映画プロデューサーのワインシュタインの事も思い出した。告発するのは勇気がいる事だと思うし、脅されている事と同じだから本当に辛いと思う。
女性には辛い作品だと思う😓
後、男性がセクハラ目的でこの映画を見る人は少ないと思うし、もし本当にこの映画を見てそういう気持ちになった人がいたなら、この映画を見る資格は無い。そう思うだけ‼️
敵はロジャーだけではない
メインの3人だけでなく、脇の女の子たちの表情にも注目です。
色んな思惑が交錯しています。
ケイラがセクハラを受けるシーン、見ていてしんどかったです。
ロジャーは訴えられたのち、数々のセクハラについて「そういう(性的な)空気があった」と言っています。
確かにこれ、場合によってはあったんじゃないかと思います。
そしてセクハラをする側は多分にこういう思い込みがあるようにも思います、相手は本気で嫌がってはいない、と。
メーガンは告発をすることで一生そのことがつきまとうことを恐れていました。
ケイラも親しい同僚に打ち明けることすら出来ませんでした。
他の被害者たちはグレッチェンの告発がなければそのまま何もなかったように過ごしていたかもしれません。
グレッチェンも皆が声を上げなければ無かったことにされていたかもしれません。
皆がセクハラにNo!を突きつけ声を上げることが、この先の被害者を生まないために必要なことだと思いました。
男女や立場関係なくお互いを尊重し合える世の中になってほしいと切に願います。
グッドプレイスのジャネットが少しだけ出ていて嬉しかったです。
今後の活躍に期待します。
セクハラと戦った女性たちは素晴らしい!
コロナ災禍の中観に行きました。最初は淡々とした作りなので眠くなりましたが、女性が反撃する辺りから目がぱっちり(笑)。最後に女性が権力者を用意周到に叩き潰します。爽快でした。ただ、男目線だとつい権力者の性欲がよく判るので、自分もその立場になったらちゃんと果たして出来るだろうかと思うことありで、反省します。人間は天使にも悪魔にもなれるのでしょうか?ただ、言えることはこの部下と上司の関係は、7回生まれ変わっても遭遇すると言いますから、今世でセクハラに勝っても、来世でまた違うパターンで一緒になります。そこでまた戦って成長しなければならないのです。ちょっとしんどいですね(笑)。いずれにしても3次元世界では戦って正義を獲得しなければなりません。それが周りに対して示す使命でもありますから。つまり、この世は善と悪魔の戦いを経験するためにあるわけですから、彼女たちのように毅然と戦うべきだと思いました。
何を守り何と戦うか
予告で何度も観て興味を持ち鑑賞
事前にはキャスト豪華だなーという印象しか
ありませんでした
マーゴット・ロビーは
ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド
シャーリーズ・セロンは
ロングショット以来でしょうか
感想としては
男性という立場で観ても非常に面白かった
米国での職権に関わるセクハラ行為
というものの現実を知ることが出来ました
メディア王マードック一族が運営する
米最大の右派ケーブルTV局FOXチャンネルで
CEOロジャー・エイルズによるセクシャルハラスメント
行為に立ち上がった女性キャスター達のお話
FOXが推してるはずのドナルド・トランプ大統領候補(当事)
の女性蔑視発言に関してもズケズケ聞く度量で人気の
メーガン・ケリー(シャーリーズ・セロン)らが
キャスターをクビになったグレッチェン・カールソン(ニコール・キッドマン)
によるセクハラ告発に揺れながら答えを模索していきます
入ったばかりのケイラ・ポスピシル(マーゴット・ロビー)も
チャンスを得るためにロジャーに接近しますが
セクハラ行為を強要されショックを受けますが
代償に仕事を与えられることでそれが当たり前であるかのような
認識で告発するグレッチェンらの行動を最初は理解できない
もののこちらも徐々に揺れ動いていきます
やはりセクハラ行為の問題点はしている本人が
自覚がない事のようです
場合によっては行き過ぎた性行為であったとしても
ロジャーは忠誠心として引き換えに仕事や報酬
ワークステイタスを与えて縛ってしまいます
だから告発も当初はロジャーを擁護する立場をもって
自分の生活を守ろうとする社内の人々に妨害される形に
なってしまう絶望感も描写していました
何を守るためにそこで仕事をするのかに直面したとき
どんな行動がとれるかは人それぞれになるのでしょう
グレッチェンは告発訴訟に至るまで用意周到にして
いましたが被害者の証言が必要なところをなかなか
名乗り出る者がそんな理由でいませんでしたが
メーガンも自分がセクハラを受けた過去から
他の女性キャスターに当たってみるといくらでも
出てくる有様でついに自らも告発に踏みきり
ロジャーは追い詰められマードックから切られます
ラストでケイラは結局自分の受けたセクハラを
打ち明けることができず会社を去りますが
要はこれがロジャーがいた頃は出来なかったわけですから
象徴的だなと思いました
ネット上ではところかまわず女性蔑視だ性的搾取だの
噛みついているだけのご気分次第の暇な人をよく見ますが
この事件とはまるで異なります
当事者が自分達と向き合って勇気を持って行動する
そうやって事態が変わっていくんだと思います
そう言うのを知ることが出来る今作
むしろ男性側がより観るべきなのではと思いました
完成度も高くメディアのあり方に関する訴えかけは
先日のリチャード・ジュエル以上な感じがしました
おすすめしたいです
自分の身は自分で守る為の勇気の予習と復習。
予告編を何度も見て、なんとなく面白そうと思って、なんとなく鑑賞しましたw
で、感想はと言うと、結構面白いです。
ニコール・キッドマン、シャーリーズ・セロン、マーゴット・ロビーと豪華なキャストの共演に今年のアカデミー賞でカズ・ヒロさんがメイクアップ&スタイリング賞を受賞した事で話題は豊富。
実際に起こったテレビ局でのセクハラ問題をテーマと言うのも申し分無し。
ですが、のっけからテンポが良すぎると言うか、メチャクチャハイスピードで進んでいくから、メインどころの把握や人物関係が把握しきれないとちょっと追い付いていけない感じ。
中盤ぐらいからある程度の流れが掴めるんですが、それまでが大変でしたw
鑑賞前にそれなり前情報が入っても大丈夫な人は人物関係図とだいたいの流れを予習しておく方が良いかもです。
女性キャスターが局をクビになり、勤めていた会社のボスをセクハラで訴え、それに同調する女性たちが賛同していくと言うのが簡単なストーリー説明。
アメリカに限らずですが、企業のヒエラルキーに存在するパワハラとセクハラ問題を描いていて、訴えた相手が大き過ぎて、そこに立ち向かっていくと言うのは痛快なんですが、難点が無い訳でもない。
個人的に思ったのは、グレッチェン = ニコール・キッドマン、メーガン = シャーリーズ・セロン、ケイラ = マーゴット・ロビーの誰が主役なのかがちょっと分かり難かった。
3人が3人とも主役で、強いて言うならばグレッチェンなのかとは思いますが、ちょっと分かり難い。
この辺りのさじ加減の配分も満遍なくにし過ぎているのがマイナスになっている感じがします。
良いのは適度に生々しく重々しくない事。
セクハラ・パワハラと言った重い問題に訴訟と言うのは我が身で考えるとゲンナリして胃が痛くなる感じ。
訴えた側、訴えられた側のどちらに立場になっても胃が痛いw
訴訟王国アメリカはその辺りのフットワークが軽いのか、サクサクっと訴えて、訴えられた側もサクサクっと対応する。日常茶飯事ぐらいな感覚。
日本じゃこうはいかんね。
でも、それがそれほど重々しく見せてない感じなので、アメリカのメディアビジネスの華やかさを失ってないんですよね。
さぁこれからが裁判だ!となるかと思えば、グレッチェンのセクハラに関する会話の録音が提出されてあっさり勝ち。
裁判に行くまでにロジャーが白旗を上げて敗北。
この辺りの件りもあっさりと言えば、あっさりなんですが、テンポが損ねてないので良いのではないかなと。
面白いのはそれぞれの立場でセクハラ・パワハラ問題に立ち向かっている女性達。
「自分の会社のボスを訴えるなんてとんでもない。ボスの味方です!」と言うのも分かるし、「それとこれとは別問題。セクハラされたら倍返しだ!」と言うのも分かる。
そこにLGBT問題や覇権争いの交代劇も真しなやかに絡ませてるのが面白い。でもちょっと絡ませ過ぎかなと思わなくもない(どっちやねんw)
凄いのは、現役の大統領も当時の映像を使ってになりますが、登場させている事。
それぞれの支持派があると思いますが、どう見てもトランプ大統領は悪い奴で調子の良い奴なイメージしか見えない。
現役の大統領をこうもこき下ろすか?と言うのとこうもストレートに政治的思想も入れられると逆に清々しい感じがしますw
これも日本ではこうはいかんね。
FOXチャンネルのCEO、ロジャー・エイルズが良い感じで悪ボスぽくって憎らしい。でも愛嬌もある感じ。
セクハラ・パワハラ大王でそれが日常茶飯事と言う事で劇中にもあった「魚は頭から腐る」と言う言葉通りとそれが会社の体質になりつつあって、「腐ってるなぁ」と思っても、それが巨大企業でそれが権力者と言う感じがする。
実際のロジャー・エイルズは2017年に亡くなってますが、トランプ大統領のパーソナル・アドバイザーにもなっており、FOXニュースを退任後もそれなりの立場についているのにも関わらず、この扱い。
描かれた人物達はそれぞれの思いがあるかと思いますが、トランプ大統領は現役で存命なので、こう描かれる事にいろんな思いがあるにしても、映画に使われるのをオッケーとしたのはなんとなく懐が深い感じはしますw
また、マーゴット・ロビーの破竹の活躍もなんか嬉しい。
ハーレイ・クインで大当たりしたマーゴット・ロビーがニコール・キッドマン、シャーリーズ・セロンと肩を並べているのもなんか凄いしw
「ハーレイ・クインの華麗なる覚醒」の公開も控えているだけにマーゴット・ロビーが気になるんですよね。
日本でもセクハラ・パワハラに代表される様々なハラスメント問題は取りざたされてますが、アメリカではより深刻かつ根深く根付いた問題に感じますが、日本でもニュース等で取り上げられたのは氷山の一角かと思います。
だからこそ、対岸の火事と捉えずに明日は我が身と考え、知識が必要。
企業に殉じる事が美徳とされる、日本ではまだまだ裁判事を起こすと言うのはアンタッチャブルに感じられますが、自分の身は自分自身で守る勇気と決意は持っとくに越した事は無い訳で、それをエンターテイメントに教えてくれる作品かと思います。
美しい事が武器になる世の中は大小のハラスメントが存在していて、そこにつけこむ輩も出てくる。
華やかなメディア・ビジネスの裏側を描いていますが女性達の自立と葛藤、戦いも描いています。
結構硬派な作品でお薦めですが、テンポが早いので確りと付いていく事が大事ですw
Cセロンの顔、忘れたンゴ。
ちょと待て。シャーリーズ・セロンて、こんな顔やったかいな?何とかンゴの時と別人すぎひん?と戸惑ってるうちに、怒涛の早口字幕に追われる冒頭部。早いって、早口過ぎるってw もう字幕から目が離せへんやん!でも気が利いてて楽しい。と言うか辛辣な語りのアンカーが知的でカッコ良い。
原題"Bombshell"は、俗語で「オネイチャン」とか「可愛こちゃん」とかの意味。要するに、男性優位社会の男性が、女性を侮蔑的に呼ぶ言葉。これ、フェミニスト的立場から言ってみました。だからテーマは、セクハラ・スキャンダルそのものじゃ無くて、女性の社会的地位の問題。もっと細かく言うと、性的対象としか見られていない現実へのオブジェクション。
事件は、ルパード・マードックが、体良くロジャー・エイルズをFOXから追い出す物語だったりします。訴訟に走ったグレッチェンには、マードックがどう動くって言う予測は、当然あったと思われ、描写は無いけど。時間を掛けて復讐劇を準備したグレッチェンの戦略は、もっと強調してくれた方が、カッコ良いんちゃうかと思いました。
ポップな映像表現で幕開けし、重々しさを避け、畳み掛ける様なスピードで進行する物語りは、女子三人の内心描写部分だけ速度を緩めます。この緩急が好きだし、笑える前半がジェイ・ローチらしくて良いと思いました。
何にしてもですよ。セロンですよ、特殊メイクなんですってよコレ。鼻の形、違うし、顔も細長くなってる気がするし。いや、コッチんが美人やん!
マーゴットはスタイルが良いと言うより、ガタイが良いw ハーレイクインでの大暴れが楽しみです。
あと。
アメリカの世相、政治、訴訟大国におけるセクハラ訴訟の実態と企業の対応、などなどの知識は、あった方が良い。って言うか必須じゃ無いかと。レズがFOXでヒラリー支持。彼女が他人を助けない描写。共和党支持者だけで無く、民主党支持者も、緩く皮肉ってます。露骨に非難はしないけど、両方ともに日和らないスタンスがリベラルだよねぇ、と思いながら帰宅して来ました。
面白かった。予想よりかなり。
-------------------------
2/25
訴訟大国アメリカにおける各種訴訟の実態は、この映画を理解するために必須かと思われますので、追記します。
◆2006年の北米トヨタの事例
手っ取り早く言うと、「大企業を相手取ったセクハラや企業責任を問う訴訟は確実に勝てる」です。企業側の立場からは、裁判になれば敗訴は濃厚なため、一定の和解金を支払うと言う合理的な判断を下し、実行します。
2006年5月の北米トヨタの事例です。社長アシスタントの女性が、社長である大高氏から、出張先のホテルの部屋などで体を触られたとし、「北米トヨタ」と「トヨタ自動車」を相手取り、経歴毀損に対し$4,000万ドルの補償を、懲罰的損害賠償として$1億5,000万ドル、合計$1億9,000万ドルの支払いを求めて訴えを起こしました。陪審員裁判では勝ち目がないと見たトヨタ側は、同年内に和解を成立させます。和解金額は公表されていませんが、1/10~3/10程度と想像します。これ、PL訴訟の和解金額を元にした、あくまでも想像です。
◆有り余っている弁護士と訴訟戦略
ものすごく乱暴に言うと、司法試験合格率の高いアメリカには弁護士が溢れています。最も弁護士の多い州はカリフォルニアで、人口230人に対して1人の割合。日本は、3400人に対して1人。ざっくりした統計ですけど。これが訴訟大国と言われる背景。企業を相手取った裁判を専門にする弁護士も弁護士事務所も吐いて捨てるほどおり、「自動車業界専門」「フェミニスト専門」「一般人権問題専門」「企業賠償全般」などなど、多彩です。もちろん「離婚したい女性専門」も。
「企業賠償専門」の弁護士の基本的な戦略は、訴える企業が「如何に悪辣で金に汚いか」だったり、「違法な事を平気で行い、金儲けをしているか」を陪審員に訴えます。公訴内容そっちのけでプレゼンテーション。よって、「儲かっていると思われている企業」、「一度大きな不祥事を起こした企業」などは、訴えられればOUT。裁判で負けて言い値の賠償金を支払うよりも、低めの金額で和解した方が得、と言う合理的な判断に従います。
で。そうした訴訟で大金を手にするとですね、お前こそ金の亡者だの、不幸をネタにしたマフィア、だのと言われたりすることも多々ある訳で。和解金を手にしても、その金額は決して公表しないのも、当然と思います。
◆グレッチェンは何故個人を相手取り訴訟を起こしたのか
ココがね。彼女の賢さであり、強かさであると思う訳で。
FOXと言う企業相手のセクハラ訴訟と来れば、訴えた時点で勝ちも同然。しかも、録音データと言う証拠がある。でも、有名人であるだけに、「金目当て」とバッシングを受けるのはイヤダ。そこで個人を相手にすることにした。加害者は彼個人である。会社が、名誉と言う名の「世間体」と、企業価値と考えている「株価」を守るために支払ってくれる「賠償金」が目当てでは無い。個人の罪を告発したいだけなのだ、と、言い訳できる。そっちの方が聞こえが良いし、賛同も得られるでしょ?ってなる。
賢い。
しかも彼女には読みがあった。社長を訴えれば、彼は辞めざるを得なくなる。なぜならば、マードック一家が、彼を追い出したいと考えているから。メディア王と呼ばれているルパード・マードックは、インテリ・イメージを欲しがっており、CEO就任の野心を持っているに違いない。だから、マードックが和解に乗り出してくると。
賢い、やっぱり。と言うか、人生賭けた「ギャンブル」は、この点だったんじゃないでしょうか。泥を被り、好奇の目に自らを晒す勇気の原動力は、プライドであり、子供達との生活のためであり。多分。
FOX社内の女子社員に、同様の問題が無いかの聞き取りをしてたのは、別の弁護士事務所。専門ですよね、おそらく。グレッチェンに追従するものが出てくれば、焦るマードックが提示してくる和解金額も吊り上がる。最初の1人が裁判まで持ち込めば、追従するものとの和解も困難になるから。グレッチェンに支払われた和解金は$2,000万ドルって事でしたが、事実はどうなんだか?って思いました。
戦略練って準備して行動に移したグレッチェンって賢いし、強か。結果、しっかりと復讐も果たしたし、大金も手に入れた。映画の中でも、ここら辺をしっかり描写した方がカッコ良かったと思う。少なくとも「勝つか負けるかの裁判」じゃない事は確かだったでしょうから。
タランティーノ、気をつけろ!!(仮題)
若干ネタバレと思われる事があると思います。
完全にアカデミー賞の影響で観に行きました。ニワカです。メイクアップ&ヘア賞を受賞したカズ・ヒロでは、その前の受賞作である「ウィンストン・チャーチル/ヒトラーから世界を救った男」をDVDで鑑賞しました。ゲイリーオールドマンの変貌ぶりは本当に凄かった。(ものすごくズレますが、バットマンのゴードンとポッターのシリウス、シド、チャーチルが同じ人って凄いですよね。)
この映画の本編についての感想は他の人が私より細かく詳しく説明してくれると思うので、その辺は言わなくていいかなぁと思っています。簡潔に言うと、主役3人の演技が凄く良かったです。内容も勿論攻めていて凄いのだと思いますが、それを最後まで私に観させたのは彼女たちの演技だと思います。日本の日曜劇場の池井戸潤系ドラマの枠で女性が戦うアゲアゲドラマが生まれたら良いなあと思いました。あ、連続テレビ小説のドラマがそれか?うん、これ関係ないですね。w
で、これとは別に今回考えさせられたのが、俳優の演技というものについてです。本作ではセクハラ問題が取り上げられるという事で、実際にセクハラが行われるというシーンがありました。当然といえば当然なのですが、俳優には演技指導が演出として入るわけですよね。という事は、映画内で行われるセクハラシーンは演出として計画的に撮られているわけです。俳優が映画に必要とはいえ、セクハラされる演技を撮らせるって凄いことじゃないですか?つまり、、、ねぇ?、、スカートの中が見えちゃうわけじゃないですか?(これは私が拗らせているだけかもしれないですが)
特にこの事を思ったのが、前日にブライアン・デ・パルマの「キャリー」を観たからなんです。具体的にはオープニングの女子高生たちが更衣室で着替えをしてるシーンを観たからです。あのシーンが物語上必要かどうかといえば微妙な所ですが、素っ裸の姿を撮らせる彼女たちに「いいのか!?凄えな!」と思いました。
今回、ニコール・キッドマンが出ているわけですが、彼女が出ている作品で私が見た事のあるものに「アイズワイドシャット」があります。この中でキッドマンがお便所で用を足すシーンがあるわけですよ。これに関しては「いらんだろ。何故やる必要があるんだ。w」と驚きましたね。
もしこれらのシーンが2階からのパワーハラスメントだとすれば非常に問題があります。正にこの映画の敵と同じです。しかし、芸術にそれが確かに必要であり、俳優が納得して全力を尽くしたものならば素晴らしいものですよね。ロジャーが言うように彼女たちの女性としての商品価値が視聴率を獲得している事は確かな事実でしょう。それ目的の人だって少なくないでしょう。演技だけを観て、これを見定めるのは私にはできないと思いますが、これらの表現がどこから来たものなのかというのは、確かに重要な事であると思いました。
「スキャンダル」で彼女たちが魅せた凄まじい演技は見事に私の意識をさらっていきました。そして、それはこの映画が伝える問題を表現する上でこれ以上ないものになったと思います。この映画そのものがスキャンダルにならない事を祈ります。
最後にタイトルについてですが、今回マーゴット・ロビーが出てるんですよね。で、ロジャーが解雇された時に「ようやく足フェチ変態野郎が消えたぜ」みたいなセリフがあったんですよね。うん。...考え過ぎだと思います。w
というわけで、強い女性や頑張る女性が好きな人、老害クソじじいが心底許せない人にはオススメです。
正しい時代を生きる一員に
よみうりホールにて試写会鑑賞。
率直な感想として非常に面白かった。
あまり海外諸国のニュースをまめに見るわけではないので、恥ずかしながらこの事実があった事は知ってる程度であり、全貌を細かく知っているわけではない。
この作品は事実に加えてある程度フィクションを加えたストーリーとはいえ、アメリカのメディア業界の裏側を知る事ができ、とても良い時間を過ごせた。
ストーリーは予告通り女性アナウンサーに対するセクハラの話。セクハラを受けたことでどうやって女性は戦い、乗り越えるのかといった話が終始続くわけだがとにかく見やすい。
セクハラ問題は決してアメリカ国内だけの問題ではないだろう。日本も決して他人事ではないと思う。
またメディア業界だけではなく、どんな社会でも存在している問題だと思う。
セクハラとは言葉以上に相手を傷つけ苦しませ、消えない癒えない傷として何年も背負わせてしまう事がこの作品を通してもわかる。
またこの作品はセクハラをテーマとしているが他に置き換ええ見ることも十分できる。
僕は男のためセクハラで苦しむ事を人生で味わう事は幸いにも現時点では経験ないが、例えばパワハラなど社会には色んなハラスメントに苦しむは多いのではないか。
なかなかハラスメントに対する抗議や訴えというのは難しいものだ。
しかしそれを野放しにしてしまうと自分だけではなく色んな人が苦しみ、その悪しき慣習は簡単に続いて浸透してしまうという恐ろしさがある。
今に生きる自分たちこそダメなものはダメと言える、勇気ある正しい時代に少しでもなれるよう、
そして正しい時代を生きる一員になりたいと思わせてくれる、そんな勇気を与えてくれる作品だった。
Apparently, she did her homework. …セクハラでは? 微妙 ?
Bombshell fails to ignite
この節はタイのバンコクにある日刊英字新聞バンコク・ポストの2月7日付の新聞記事の見出しから...もちろん記者は、原題の ”bombshell” の意味を知っていて、敢えて揶揄的表現を用いて面白く、また読者の目に留まるように考えた極小さな力作?
2016年から2017年にかけて、映画界の大物プロデューサーであったり、アメリカを代表するヒーローを演じていた俳優がまさかのTV本番中に女性MCに対してセクハラ行為をしていたと訴えられたりとセクハラ元年とも言えると年だったような...しかし、約80年前にもこの映画で登場している通称:”casting couch” の存在...1939年の映画「オズの魔法使い」ではカメラテストも終わったシャーリー・テンプルがドロシーをほぼ演じるはずであったが、当時のMGMミュージカル・プロデューサーであったアーサー・フリードが彼女の前でオチン〇ンを丸出しにしたのが本当の降板理由とされている。彼、アーサー・フリードの死後13年後に出版された自叙伝 ”Child Star”という彼女の自筆の本の中に真相が記されている。
”The end of the legman.” 新聞記者 ≒ 脚フェチ?
本作のキャスティング・プロデューサーが敏腕なのが分かる。 ..3人の女性主人公を演じている女優さんたちの共通点は3人とも生まれたのがアメリカではなくコモンエルスに加盟している国が出身ということと....また、その国が歴史的世界的差別主義国であること。その一つがオーストラリア…数十万人のタスマニア原住民を撲殺や刺殺をメインにあとは草木も生えない辺境の地に幽閉状態にして栄養不足による伝染性の高い病気で...”抹殺”し、そしてもう一つ国は南アフリカ...この国はつい近年までアパルトヘイト(隔離政策)という南アフリカ人をお猿さん扱いにした為に世界的スポーツの大会に参加拒否をされていたこと。(ただしニコール・キッドマンはワイハ生まれ)その上、見るからに自己主張・自己顕示欲が強そうで、その3人の中でも一番年上のニコール・キッドマンに至っては、整形疑惑についてコメントを求められても完無視をしている....映画のキャラ自体も何故かいつも中心的な存在ではなく、普段の彼女らしからぬ立ち位置にいたので差別的・サディスティック的自己顕示欲をどうコントロールしたのか?.....フシギ?
I'm a closeted Democrat.
At FOX News?
………
you can work at MSNBC or something.
You don't be gay at Fox. If you're gay, it's pretty bad.
you have a Hillary poster?
一番敏感な微妙な問題なのに当事者が各有名マスコミの特徴・社風など分かっているのにマスコミにかかわりたいがために自分のポリシーやジェンダーを隠して勤めるのはまだしも援助をしたり協力者的サポートをする立場の人間が、実は差別の元凶、張本人だなんて
MSNBC...この言葉は意味深で2007年のニューヨーク・タイムズの記事を見るとわかる
”Disingenuous trash. ” と揶揄しているのは変なのか?
I gotta say I can't stand your show.
You guys at Fox, you're doing terrible things to our country.
I hope that makes you feel better.
How you treat people you disagree with says everything about you.
このセリフ自体は何のことはない。次の時事問題での出来事が起因
問)Should Congress Reinstate The Assault Weapon Ban?
答)No ➡ 89%
なんて作為的操作を匂わすようなテーマに腹を立てたスーパーに買い物に来ていた視聴者がカールソンを捕まえて放った台詞.....「国の面汚し」的発言に対して、馬鹿馬鹿しすぎるほどあたかも正直そうに答えて見せることは、マスコミに携わる者としての常識とも価値基準ともなる”同意しない人たち”の意見に対してどのように適切に対応・対処をすることが出来るのか?...カールソンのおごったつっけんどな態度が誰もセクハラに対しての同情を一切呼ばず...ましてラストの露骨にお金に対する執着心こそがニコール・キッドマンの精神構想・生まれつき持った性質そのものに通じる。
Heroes are amorous.なんて...酒も女性も歌も好まない男は一生馬鹿げた人生を送るなんてと言えば、即レッドカードを切られてしまう今の世の中....平均年収では日本と変わらないアメリカ。しかし低所得者の多いアメリカは雇用労働者の3分の一が$20K以下(問答サイトQuoraより)…それ以下ならプア・ホワイトとかホワイト・トラッシュとか言われてしまい最後にはホームレスの憂き目まで味わってしまうのか? つまり、あれだけのスキャンダルでもFoxテレビが指示者数で5位を維持し...Foxテレビが指示する人が今の大統領に収まっている? 余談:3人の女性俳優の中に一人、南アフリカのプア・ホワイトだった方がおられます。
この曖昧過ぎるほど曖昧な言葉が、このロジャー・エイルズの世界観であり人生観の一部...前出のマスコミの社風・特徴を知ったうえで...その対極としてのアメリカのプアな人たちの存在感がこの映画では全く見えてこない。というか、この映画では無視をされている..映画代もないだろうから..どうせ
製作者の嫌らしさも見えてくる。それはロジャー・エイルズが亡くなってから映画製作のプロジェクトを立ち上げた姑息さも垣間見ることもできる。
I'm here to help my employees, not to hurt them.
Anything that happens here, in this room,
is strictly between you and me.....It cut both ways.
このセリフには続きがあり、お前なりの忠誠心を示せ...という言葉
WHAT THE FOX!
Dramatic shakeup
at top news network
共和党の歴代の大統領の歪んだような表情ばかりが印象に残る演出をしているのにも関わらず、その反面ヒラリー・クリントンの名前は出て来てもそのポスター自体が無かったような...あったなら仕方ないが、何か言い知れない作為的感覚になる。作為的と言えば、二発の原爆を落とされ多くの犠牲者を出し、原発に対してアレルギー反応がまだ残っていた時代...被爆国・日本のとった政策は? そんな日本に現在、各地に原発がある理由は? 日本一の発行部数を誇る読売新聞の存在…元読売新聞社社主だったアメリカのCIA工作員のおかげって言えばひねくれ過ぎか…
この映画の主人公の中で唯一架空の人であるケイラ。彼女は映画の汚れ役であり、一番の正直な一面を持ち合わせている人として登場し、内も外も腐り放題のマスコミに対して明日への希望とまではいわないにしろ良い意味での存在で起用しているところはいいとして、前半の訳の分からないいい加減な内容はどうも個人的には受け入れられない。誰かが、”この映画ではセクハラはなくならない”って....そこまで映画に期待するのはどうなのよって考えてしまうけど...それ以上にラストのマルコム・マクダウェルなんてほかの映画の二番煎じに見えてどうにかしてほしくなる。
最初に登場したバンコク・ポストがこの映画が曖昧だとしてシナリオの焦点がぼやけていると説明していたが、エンタメサイト、ラテン語で”声とか音”を意味するVoxはもっと辛辣なことをよせている。「映画”スキャンダル”は、物語自身が持つ現実性が絶望するぐらいにその存在感がない。」また「良い風刺劇でも、良いドラマでもない。」..と歯に衣着せぬ表現をしている...
個人的には、この映画そのものが ”Idiot Box” となる演出を自ら行っている...
ただ一つ確かなジンクスがある。それはニコール・キッドマンが出演された映画は、決して当たらないこと。自分の体形維持のために代理出産なんて....?
全32件中、21~32件目を表示