「あの日の涙を思い出す」ヒノマルソウル 舞台裏の英雄たち ke_yoさんの映画レビュー(感想・評価)
あの日の涙を思い出す
母と2人で自宅で見ていたあの団体戦。
申し訳ないほど、船木と原田のことしか記憶にない。
今作でも、原田の悪夢のジャンプのあと、荒天中断中の観客達の言葉は、実に身勝手だった。
西方が代表から外されたやけ酒のスナックでも「オリンピックだけじゃない」などと簡単に声を掛けている人が映っていたが、本気でオリンピックを目指したこともない奴に何が分かるっていうんだ!!!
と、作中イライラしてしまった。自分も同じくせに笑
そんな風に勝手に騒ぎ立てる素人の知らない、縁の下の力持ち達のお話。
初めて予告編を観たときから楽しみに待っていたが、コロナで延期に次ぐ延期、もうまるで観に行ったのにすっかり忘れてしまったかのような勘違いをするほど待たされた。
しかし…待った甲斐があった。
思い出した、あの日の原田の号泣。
作品と無関係だが一緒に観ていた母は目が不自由なので、私はテレビ顔負けの実況中継で「飛んでる!デカい!デカい!まだ飛んでる!お母さん原田が…!」みたいなことを言っていた。
そして2人で、原田に負けないほど泣いた笑
西方の悔しさ、鬱屈した気持ちに勝てないでいる間の感じ悪さ、最後の晴れやかな強さ、大人なら多くの人が、それぞれの人生で大なり小なりああいう経験をしているだろうから、共感する人が多いのではないかな。
原田の余計なお世話や優しさ、でもそれはそうではなくて、原田自身が望んだ御守りのようなもの。
そんなエピソードも光っていた。
濱津隆之はしわくちゃの笑顔に原田っぽさがあって、とってもリアルだった。
そして悪の強い古田新太や、テストジャンパーのみんなの演技もそれぞれ素晴らしかったし、アスリートの奥さんの腹の座り具合を元来のスポーツマン根性でしっかり出しつつ、可愛らしさのある奥さん役をやった土屋太鳳も、彼女の真骨頂といった気がしました。
とりあえず原田の号泣動画観たくなりました。
ke_yoさん 共感ありがとうございます! この映画は 西方選手のネガティブな部分も観てる皆が共感出来る所が良かったですね。そして、 濱津さん❗ピッタリでしたね。
今晩は
私は、長野オリンピックのスキージャンプの金メダル獲得の光景は、リアルタイムでは、観れませんでしたが当然ながら、夜中何度も流れる映像に涙した記憶があります。けれど、今作で描かれていた”日の当たらない”テストジャンパー達の事は全く知りませんでした。
努力の末、栄光の名を手にする方々を支えていたテストジャンパーの存在、及び鬱屈した気持ちを乗り越えた西方選手の姿は、沁みました。
良い映画だなあ、と素直に思いました。