劇場公開日 2021年10月30日

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「大丈夫。この夫婦関係さえあれば。」老後の資金がありません! talkieさんの映画レビュー(感想・評価)

3.0大丈夫。この夫婦関係さえあれば。

2023年8月16日
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鑑賞方法:DVD/BD

<映画のことば>
「どんなに好きなぼた餅も、旨く感じるのは二つまで。」

「政府の試算によると、老後の生活に必要な資金は平均○千万円」とか言う話題が、ひところマスコミを賑わせました。

確かに、リタイアして(年金以外の)収入がなくなっても、人間は霞を食べて生きていく訳にも行かない…ふつうに食費も必要でしょうし、働き盛りの世代に手に入れたマイホームも、退職金で何とか重たかったローンを整理できたとしても、今度は修繕費や、老いた(相応に築年数を経た)駆体に合うようなリフォームの費用が、今度は必要となることでしょう。
突き詰めて考えれば、考えるほど、暗澹たる気持ちになってくることも、やむを得ないのかも知れません。

しかし、ここは一番、作中のこの台詞が示唆するようにに、「人生、ほどほどを追い求めるべきなのであって、その意味では何事にも「ちょうど良い」ということがあるということなのでしょう。

一見するとシリアスな訴えかけをしているような邦題ですが、フタを開けてみるとコミカルな要素も「てんこ盛り」で、その点からも本作は「魂を打ち震わせるような感動巨編」という訳では確かにありませんが、「観て良かった。」と思える一本では、あったと思います。評論子は。
(年金の継続受給のために、替え玉を立てるという話は、さすがにナンセンスですけれども。)
松重豊と天海祐希のキャスティングも、あたかも漫才の「ボケ」と「ツッコミ」みたいで、ハマっていたと思います。
映画なのだからという部分はあるにせよ、自分の失業をこんなにあっけらかんと報告でき、それをしっかりと受け止められる関係って、素晴らしいなぁとも思います。
そもそも、この夫婦関係をキープしていけるなら、もう既に、老後の資金がなくても大丈夫なのではないかとすら思えます。評論子には。

老い先の短い?評論子も、本作の章・篤子夫妻のように、あまり老後に不安を感じずに、映画の鑑賞&レビューの投稿など、お小遣いでできる範囲内の自分なりの自分なりの「楽しみ」を見つけて、のんびりと暮らしたいものだ…観終わって、そうと思えた点では、正々堂々、良作としての評価が適当と思います。

(追記)本作は天海祐希の主演作品ということでも鑑賞を楽しみにしていました。
天海祐希といえば、他作『突入せよ!「あさま山荘」事件』で、主人公・佐々淳行(役所広司)の、あの素敵な素敵な、本当に素敵な奥さんを演じていた、あの天海祐希の主演作品ということで。
そ、そ、それが、こ、こ、こんな破天荒な奥さん役とは…。
ま、役者さん(女優さん)ですから。役柄、役柄によって演じ分けるのは当たり前だと、何とか辛うじて、自分を納得させた一本でもありました。

(追々記)
まったくの「蛇足」ですので、読み捨てていただいて、まったく問題ありません(謝)。
評論子が小学校五年生の当時、盲腸で入院したことがありました。その病院に、とてもおしとやかな女性看護師さん(当時は看護婦さん)がいました。(病院のナースステーションが、まだ「詰め所」と呼ばれていた時代のお話です。)笑うときは、それとなく口許を手で隠すような。本当に清楚な女性だったのですけれども。
ある日、彼女と他の看護婦さんたちが、術後の患者さんを術場から評論子もいた病室にストレッチャーで連れて来たということがありました。
そのとき彼女は、サンダルをパッと脱ぎ捨てると、ヒラリと患者のベッドに上がり、片膝を立てたので、スカートがめくれて太ももがあらわになるものお構いなく、「いいかい。いち、にの、さんで行くよ(患者をストレッチャーからベッドに移すよ)」と、他の看護婦さんたちに勇ましくも声をかけました。
あまりの彼女の変貌ぶりに、ただ目を丸くする評論子でありました。
(半世紀も前の、まだ紅顔の美少年?だった頃の、評論子の心に深く深く刻まれる記憶でもあります。)
本作の天海祐希にも、同じような感慨だったと、申し上げておきたいと思います。

talkie
talkieさんのコメント
2023年8月19日

琥珀糖さん、いつもレビューを作品選びの参考にさせてもらっています。
さすがは俳優(女優)さんですよね。
人柄(演技)がガラリと変わるのは「さすがプロ」と思いました。

talkie
琥珀糖さんのコメント
2023年8月16日

こんにちは
いつも有り難う御座います。

「あさま山荘」の天海祐希さん!
旦那様に三つ指つく、お淑やかな奥様でしたね。

琥珀糖