「松竹と宝塚の対決だ。」老後の資金がありません! ガバチョさんの映画レビュー(感想・評価)
松竹と宝塚の対決だ。
老後の資金が2000万円必要だ、いや4000万円はいる、と言われると焦ってしまう庶民の気持ちを面白く描いている。昔はそんなことはあまり話題にならなかったのは、お金がなくても何とかなったのか、皆ひそかに貯めていたのか。老後の生活が間近になって次々と嘘のように起こる災難。悲惨な境遇を天海祐希がコミカルに颯爽と演じているのがカッコいい。コメディだから真剣に解決を示したりしない。シェアハウスというのが一つの幸せな選択肢のようになっているが、若者ならいざ知らず、年配の夫婦が落ち着ける場所とは思えない。
お金の心配というのは大事な事ではあるが、人生ではもっと大事な事があるよと気付かせてもくれる。義母の芳乃さんに教えられることが多い。一見、派手で浪費家でわがままな手に負えないおばあさんだが、何よりも人生を楽しむ事を知っている。堂々としているから周りに変に気を遣わせないが、内心は寂しさも抱えている。最後に明かされる篤子さんへの感謝の気持ちは、胸が熱くなるものがある。こんな風に自由で心優しき年の取り方が理想である。篤子さんの優しさも実感できてとてもいいんじゃないでしょうか。松竹歌劇団の草笛光子と宝塚歌劇団の天海祐希の存在感が大きかったです。
コメントする