「マンハッン・ロックダウン」21ブリッジ kossyさんの映画レビュー(感想・評価)
マンハッン・ロックダウン
『ニューヨーク親切なロシア料理』のレビューにも書いた通り、こちらでもネイティブの「マンハッン」という発音をいやというほど聴けた。やっぱり“t”は発音しないんだよな・・・などと考えていたら、いきなりの銃撃戦。この序盤の銃アクションにとにかく圧倒された。音楽無し、パトカーのサイレンもなし、ひたすら怒涛の銃声が響いてくる。
警察官である父親が銃弾に倒れた過去を持つアンドレ・デイビス刑事(ボーズマン)。内務調査室の取り調べを受けるほど犯人射殺が多い刑事なのだが、今回は警官殺しが絡んでいるため重大な局面に立たされる。85分署の麻薬班バーンズとコンビを組まされ、マンハッタン島の封鎖を行うが、行く先々で早まった警官が撃たれるという悲惨な展開。いや待て。どうしてこうも容疑者たちが次々と・・・と、疑問を投げかけられる。
息つく暇もないくらいに、犯人を追いつめていくアクションのシークエンスや、ビデオ映像や交渉人のごとく関係者を心理的に誘導するテクニックに舌を巻きながら、アンドレの正義感の真髄に驚いてしまった。単なる暴力刑事なんかではない。今までのアウトロー刑事のクライムアクションを覆すかのような展開を見せてくれた。まぁ、汚職という点ではありきたりなのだが・・・
2020年に亡くなったチャドウィック・ボーズマン。多分この映画の撮影中も化学療法を続けていたのだろう。終盤になってJ・K・シモンズと対峙したときの声がかすれていた気がしたのですが、この声を聞いて涙が溢れてきました。
尚、エンドロールでキャスト欄にビビアン・リーという人を発見したのですが、どんな女優さんなのだろう?気になる・・・