「心に残る不思議な映画。フレッドさんに会ってみたい」幸せへのまわり道 Marikoさんの映画レビュー(感想・評価)
心に残る不思議な映画。フレッドさんに会ってみたい
後からジワジワきてます。不思議な映画です。
一昨日観たのに、今ごろきてます。
魔法にかけられたような気持ちになる映画。
アメリカで誰もが知るという33年も続いた子供向け番組の司会者フレッド・ロジャースをトム・ハンクスが演じてます。
このフレッドさんがとてもいいんですよね。
あったかくて、いい意味でお節介で。
「僕は、カメラの前にいる1人1人の子供に話しかけているつもりで話している。まず子供たちに、ありのままの君でいいんだよ、と伝えたい。そして、自分の心と向き合うこと、自分の気持ちを表現することを恐れないでと伝えたい」と。
子供たちに寄り添い、勇気づけ、
感情のコントロールの大切さや怒りの気持ちをどうすればいいかを、時にはぬいぐるみに扮してわかりやすい言葉で伝えてきました。
これは大人にも通じること。
この取材に来た記者の内面をストライクに突いてくる鋭さも、その実直な人柄から、嫌味もなく、導き出し、吐き出させる。
人を許すことってとても難しいと思うんです。
フレッドさんが言うように、
【愛する人ほど、許すのが難しい】
私も実は、なかなか許せない人がいます。
この記者はずっと父親を憎んでいて、許せなくて、未だに心の中にわだかまりが大きくて、時々それが噴火する。
そんな彼に、フレッドさんは説教するでもなく何か解決策を提案するでもなく、ただ寄り添い、「祈る」
中でも中華料理屋さんで1分間黙祷するシーンは圧巻ですね。
黙祷するシーンで涙がこぼれるとは、予想外でしたね。
何のための黙祷かというと
「自分をこれまで培ってくれた人たちの顔を思い浮かべる1分間」なんです。
祈り、とも言えます。
このシーンが忘れられません。
私も、例えば眠りにつく前の1分間を
この祈りにも似た瞑想に充てようかと思います。
不思議と、心が穏やかになります。
あなたもこの映画でフレッド・マジックにかかってみてくださいね^^
とにかく、トム・ハンクスは素晴らしい俳優!