「感情のコントロール」幸せへのまわり道 KZKさんの映画レビュー(感想・評価)
感情のコントロール
あまり予告を見てなかったこともあってか、先入観がなく見ることができとても面白かった。
鑑賞前は実話ベースということもあって、トムハンクス演じるフレッドロジャースについて深く掘り下げていく作品なのかなと思いきや、そうではなくロジャースの存在は一つのサポート役的な存在であった。
話の軸となるとはロイド。彼は感情がコントロールができないが故に自分の父親との関係をはじめとした、人間関係に頭と心を悩ませてる。そんな中ロジャースが彼をサポートするわけだ。
実際にフレッドロジャースの存在も僕は知らず、この作品で描かれている彼の番組も知らない。もちろん知っていたらさらに楽しめるとは思うが、知らなくてもそれなりに脳内修正はできると思う。
感情のコントロール…ロジャースは番組を通して子供達にそのやり方、大切さをメッセージとして送るわけだが決して子供達だけではなく大人へも通ずるメッセージが沢山ある。
この作品でも描かれていたが、大人になったら自然にできるなんて言葉は決して間違いであって子供に真剣に向き合い語り合うからその子供たちが大人になった時に理解し実践できるのであろう。
だからこそロイドのように子供時代に感情のコントロールの術を学ぶ事なく、感情に駆られる事に染みついてしまっでわけだが、それを治すことは決して大人になってからでも遅くはない。
根本は子供心と同じで、感謝の気持ちを大事に、時に人を傷つけてしまったらきちんと謝る事が大切なのである。
この作品内でも「ありがとう」、「ごめんなさい」その言葉を贈られた相手の顔はやはり素直な気持ちを開いた表情になっていた。
感情に駆られる時どうしたら気持ちを落ち着かせることができるのか…ロジャースはピアノや水泳などいろんな方法を作品で言及してたが個人的には最後のレストランで描かれていた1分間黙って相手の良いところを考えるシーンに心打たれた。
これは昔祖父に言われた事を思い出し、個人的な懐古心を擽られた。
物凄く新鮮味のある目新しい作品ではないが、基本に戻るような非常にハートフルな作品でとても充実な時間を過ごす事ができたと思う。