「人が作り出す自然の摂理」ビッグ・リトル・ファーム 理想の暮らしのつくり方 やべっちさんの映画レビュー(感想・評価)
人が作り出す自然の摂理
荒れ果てた大地を大農園に変えた夫婦の奮闘記。
なによりも自然、動物が可愛らしいし、ところどころポップさも出してきて、ただのドキュメンタリー映画にはみせないところがおしゃれ。
ナレーションもたっぷりだし、映画を意識した作りにはなっている。
生態を作り、自然を作り出していくその夫婦の働きはまるで神のようではあるが、この映画の良いところは自然に対する考え方だ。足し算はあっても引き算はしないということ、あくまで弱肉強食、人間が動物を殺すということを極力せず、鳥などを狙うコヨーテなどまで含めて、すべての動物が何かしら自然保護に対して有益性を持っているという考え方だ。
全くの0から230トンもの食料を受給できるような大農園に育てたダイナミックなドキュメンタリー、評判が高い映画なのはおおいにうなずける一本だ。
アカデミー賞や、各地の名画座でも、ハニーランドと比較されやすい、もしくは同時上映されるような作品ではあるが、どちらも大変素晴らしいものの、ただ私は僅差でハニーランドが好みではあった。ややこちらにはドキュメンタリー映画を超える作り込み性が感じられるから。
そうはいっても、自然と農業の勉強ができる、稀有な作品として非常にオススメな一本ではあった。
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