どうにかなる日々のレビュー・感想・評価
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人間模様を繊細に描写
音にはじまり、音に終わる作品だった。黒い画に色とりどりの点線のようなものが映されて、そこに町の環境音や人々の会話が聞こえる。エンドクレジットが終わったあとにも黒味に街の環境音だった。本作は、前編とても良い音がした。野菜炒めを炒める音がものすごく美味しそうに聞こえたりする。フォトリアルではない背景にシンプルな線のキャラクターが良く馴染んでいる。リアリティは映像世界全体の調和から生まれる。本作は見事に調和していた。
物語は4篇のオムニバス。女同士や男同士の淡い恋に、少年と少女の性の目覚めの瞬間などが描かれる。日常をスナップショット的に切り取ったようなささいなエピソードに、血の通った人間味が細やかに描写されている。こういうじっくりと人間と見つめた作品をアニメで作れるのは、日本アニメと漫画の豊かな点だ。生活感のあるアニメは高畑監督が追求した日本アニメの美点のひとつ。こういう作品にも注目があつまってほしい。
なんか違う
志村貴子作品を映像化するのって本当難しいと思う。
あの絵はこの絵じゃないんだよな。残念だけれど。
「青い花」や「放浪息子」のアニメはいまだに未視聴。
まずは短編集でと思ったけど、やはり手を出すのが怖くなってしまった。
平凡な物語を巧く描き切れず、平凡な作品になってしまった感。
ふわふわしてます
志村貴子原作の劇場版作品。
性別や年齢や世代を隔てた、様々な恋心を描いたオムニバス作品。
共通しているテーマは恋。それに性を絡めて描かれています。
そのエロティックも淡々とした表現で、何だかふわふわしてます。
そこまで残らないのですが、やはり観ているこちらもふわふわする作品でした。
気恥ずかしい…
観たことを知られたくないので、レビューするのを辞めようかと思ったほど笑
でも、レビュー一覧を見てると高評価ばかりで驚いた。
R18の官能映画とはまた違う気恥ずかしさ。
自分が経験あるかどうかは関係なく、思春期の性の大っぴらじゃない、初歩的な部分かつ裏側だから見てはいけないものを見てしまった恥ずかしさが、ざわざわした。
「モテる彼氏が不安で他の女の子より一歩リードしたい気持ち」は、分かる。
そこで終わりにして、リアルな青春に見せかけた映画で終わらせて欲しかった。
青春時代が何十年前の私にとっては、きらきらしていて欲しかった。
「進んでる」とは違う生々しさが、苦手だった。
親の態度にも違和感。普通なのかな…。
短編4本で合わせて一時間なので観やすい。
無料で観れてダラダラとスマホいじるだけなら、いいかも。
淡々とした日常を描く難しさ
志村貴子さんの漫画が好きなのですが、志村さんの漫画って、淡々とした日常を繊細に描くから見応えがあるのですが、ただ淡々と描くだけでは、面白いアニメにはならないのですよね…。
テレビアニメの『青い花』みたいに、幾原邦彦監督の様な繊細に人間心理を描ける人が携わらないと、本当に難しい題材だなと感じます。(幾原監督は、『青い花』では絵コンテで参加。)
独特の浮遊感を持つくすぐったい感じが懐かしい令和版『パンツの穴』
高校時代に同性からモテモテだった百合の元カノえっちゃんの元に百合から結婚披露宴の招待状が届く。気軽に出席したものの思わず動揺してしまったトイレで号泣してしまったえっちゃんはその様子を別の女性に聞かれてしまう。それは短大時代の百合の元カノあやさんだった・・・からの『えっちゃんとあやさん』、フラッと職員室にやってきた卒業生矢ヶ崎に突然告白された男子校の教師澤の葛藤と覚醒を描く『澤先生と矢ヶ崎くん』、幼馴染の小学生みかちゃんと放課後勉強しているしんちゃんがワケありの同居人で従姉の小夜子に翻弄される『しんちゃんと小夜子』、そして高2になってもまだ一進一退を繰り返すみかちゃんとしんちゃんの微妙な距離感を見つめる『みかちゃんとしんちゃん』。
LGBTQにまつわる悲喜交々の上をフワフワと漂う雲のような独特な浮遊感に貫かれた作品。PG12という微妙なレーティングが施されているので、小学生には説明が難しいセリフと素っ頓狂なまでにストレートな描写がてんこ盛り。4つ合わせても60分ほどの短い作品なので大人はほぼ終始ニヤニヤしながら観れます。このくすぐったい感じが懐かしいなと思ったんですが、これは高校時代に『パンツの穴』を観た時の感覚に似ていました。男子がみんな片っ端からバカな世界に対する憧憬と当時の自分が抱えていたルサンチマンの記憶が混じり合った香りが鼻腔の奥をくすぐってくるような感じ。何度でも繰り返し観たくなる愛おしい作品です。
消化不良
最初の話は悪くはないけど先生と生徒の話がハッピーエンドが良かったなって感じましたが現実はそうですよね。最後の話が男の子の声が女性声優さんだったしビジュアルも中性的な子だったからレズビアンにみえてしまうかな。たいして面白くはなかったです。同じく借りたアダムスファミリーの方が断然良かったです。
それぞれのキャラクターの心情がとっても繊細で、心温まるストーリー
「あさがおと加瀬さん。」、「フラグタイム」がとても気に入って、佐藤卓哉監督のアニメが好きになったのでこの映画も鑑賞しました。今作では、4つの話が1つに映画になったオムニバス形式で、それぞれのエピソードで登場するキャラクターたちが個性的で面白かったです。
「あさがおと加瀬さん。」と「フラグタイム」も女の子同士の恋愛を描いていて、今作でもそういったコンセプトの物語があります。2人の大人の女の子が愛し合う。といっても完全なレズビアンの話ではなく、とてもほんわかとした描き方でした。他にも、男子生徒に好きだと言われた男性教師。彼が、自分のことを好きになってくれた生徒のことを考えるところに自然と笑えます。また、まだ性的な行為の知識がない小学生カップル。この2人のエピソードは連作になっていて、大人のいとこに振り回される主人公の男の子のツンデレで恥ずかしい思いばかりするキャラクター性が面白いです。彼と付き合っている女の子の方はというと、キュートな女の子なのにどこか間の抜けたような顔立ちと性格。彼氏よりは大人の世界に関して興味を向けている感じなのかもしれません。
女同士、男同士、そして男女カップル。それぞれの共通点として、どれも相手のことが愛おしくてたまらないという、愛情の表現がされていることです。また、作画がとてもきれいで色鮮やかなアニメなのでキャラクターの趣向や心情がとても分かりやすく描かれています。いろんな愛の形があって、でもそれらの愛は深いものだと感じられました。可愛い。かっこいい。好き。人が持っているそんな恋愛観を繊細で丁寧に、一つのアニメとして表されています。
4話からなるオムニバスアニメ
4話からなるオムニバスアニメ、結婚式で出会った花嫁の元恋人二人、卒業式の日に男子から告白された男性教師、AV出演で勘当された従姉妹と同居することになった小学生の男の子、その子も中学生になり幼なじみの女の子と付き合うようになる。
どの話も面白く、絵も美しいので楽しめた。
良かったです。
連載当時、まさか劇場アニメになる日が来るとは…と感慨もあり。
原作の良さを大分丁寧に描写もされてました。
もっとエピソード入れたら良かったのにと思いましたが、あまりアダルトにしたく無かったのでしょうか。
予想外の良作でした
上映時間が短いので、暇つぶしにと思って観に行ったのですが、予想外に私のツボを突いて来た作品でした。
盛り上がる要素はこれっぽっちも無いのに、何故か良いんですよ。
ゆる〜いテンポや、もう一押ししたいのに押せないもどかしさがサイコーです。
えっちゃんや澤先生のエピソードも好きですが、イチバンのシーンは、みかちゃんが小夜子さんのビデオを見て、目が点になっているシーンかな(笑)。
あのシーンから、しんちゃんとの仲が急速に高まるのかと思ったら、そう進まないのが、またもどかしい。
もう一度観て、このもどかしさを体感したいと思います。
様々な恋模様を淡く繊細に描かれた青春アニメ映画
まず初めに言っとくと、僕が見た青春アニメの中では特に印象に残った。様々な恋模様を綺麗な作画と印象に残る音楽などと共にみずみずしく描いていたと思った。まさか、そこで終わるとはという展開もありましたけどね。
オムニバスだから分かるけど、みんなが思っていると思うけど、確かに短かった。僕が映画館で見た映画の中でも、特にこの映画は一番短かった。確かに約60分は短すぎた。でも、その短い時間の中でも、様々な恋模様を描いていたのが凄いなーと思った。
最後に言うと、この映画は少し物足りないかもしれない。だが、作画や音楽で、約60分という短い時間の中でも、我々にいろんな印象を与えてくれる青春映画だと思った。
ふわふわ、キュンキュン
「加瀬さん」「フラグタイム」と続くLGBT作品三部作の集大成、
年齢性別関係無く、日常となる性をポップに描いた短編四章からなる青春群像劇、特に1.2章に色濃く3.4章はもうキュンキュン!
背景美術が素晴らしい。
全体のトーンを落とす事で淡い鮮やかさ浮かび上がる如し。
キャラは前2作同様やや細線に彩な塗り、原作少女漫画に準拠し軽やかな動き表す。
だた各々短編でちょっと物足りない、
各章で長編一本、(2章目は┌(┌^o^)┐なのでお好きな方に譲りますw)観たいですね。
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端的に申し上げます。
今まで見た映画で一番つまらない映画でした。
映画館で映画を見るときに一番楽しみにしている「暗転→映画開始」の瞬間がものすごく期待はずれです。
もうこの時点で「あれ?見る映画失敗した?」と思います。
それから、オムニバス作品が4作流れますが、どれも何を言いたいのか全く分かりません。
(他のレビューを読ませていただいて気づきましたが)様々な恋愛の苦しさ、愛しさを表現しようとしているようですが、昨今のジェンダーレスの時代、世代にとっては至極当然のことばかりで、
「だから何?」
「それで?」
「何が言いたいの?」
が繰り返されます。
映画館の出口を出た瞬間に文句を言いたい方のみ鑑賞をお勧めします。
映画のダメなところの話題は尽きない映画です。
恋に関する日常
「あぁ、そういうのある」
という世間一般の普通から少しブレた日常の話。
価値観を押し付ける訳でもなく。
異性愛者じゃなければ同性愛者だ、なんて決めつけもなく。
ただただ自分がコントロールでき損なった感情の物語。
ほんわか見て「あの感覚は他の人にもあるんだな」と妙な安心感を感じました。
個人的には、上映前の特典映像はいりませんでした。
「さっきの人たちの声かぁ」と、登場人物を素直に見るのに時間がかかった。
せめて最後に入れて欲しかったな。
「4本の短編アニメ」
54分で4編からなると言う、非常にコンパクトにまとまっていて良かったです。
百合、BL、小学生の恋愛など多岐に渡っていてどれも面白い。
花澤香菜、みかこし、櫻井孝宏とみんな好きなので眼福ならぬ、聴福でした。
どんな生き方でも間違いではないと教えてくれる素敵な作品
原作が18年前に出ている作品だとは知らず、ほぼ予備知識もないまま、予告編に惹かれるように、公開初日に劇場へと足を運ぶことになりました。
社会が多様性を認めていく流れが出てきている中で、とてもためになる作品だと感じました。
人が人を愛おしく思う気持ちは、その対象が誰であってもいいのだということを改めて感じることができましたし、何より学校では教えてくれない生きていく上で知っておいたほうが良い気持ちというものの描写がとても丁寧に描かれています。
どんな生き方でも間違いではないということを教えてくれます。
日々、社会で自分の本当の気持ちを押し殺して生きている人に、ぜひ観てほしい作品です。
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