「頭を空っぽにして、肩肘貼らずに見るにはちょうどいい」ぐらんぶる himajinthemasterさんの映画レビュー(感想・評価)
頭を空っぽにして、肩肘貼らずに見るにはちょうどいい
原作ファンです。最近あまり面白そうな映画がないので、原作を知っているこの映画はどうだろうと思い鑑賞してみました。少し色眼鏡も入るとは思いますが、レヴューを書いてみたいと思います。
良かった点
1. 原作とはまた違った映画オリジナルのシーン
いくつか映画オリジナルのシーンがありましたが、僕は違和感なく見ることができましたし、面白かったです。例えば、伊織と耕平が、実は島から脱出してサークルを抜けるためにダイビングのライセンスをとったことが判明するシーンでは、その発想があったかと驚きました。
2. なんだかんだで笑えるギャグ要素
漫画原作の映画ということで、正直あまり期待せずに頭を空っぽにして見に行きました。むしろそれが良かったのかもしれません。大学時代は体育会系の部活に入っていたからか、宴会のシーンとかで似たようなことあったなーと笑えるシーンがありました (ただし、体育会系の部活、もしくはいわゆる飲みサーというものに入っていた人限定の笑いかもしれません)。
良くなかった点
1. 最初の下りが長い
映画の最初の方は、伊織と耕平が酔っ払って失った記憶を探して大学を走り回るシーンが延々と続きます。正直長いです。このシーンが短ければただのギャグ映画にならず、ダイビングの魅力や自分のやりたいことを見つけて青春を謳歌することの素晴らしさなんかをもっと伝えられ、より話の中に一貫性が出るように編集できたかもしれません。
2. 男性キャラに比べて女性キャラの個性をうまく表現できていない
女性陣は良くも悪くも可愛いという印象でした。可愛く演じてくれるのは男性目線から見て嬉しいことではあります(おい!)。しかし、原作の女性キャラの魅力は可愛いとは別の方向のベクトルがあると思います。例えば、ヒロインの千紗の場合、可愛いというより、クールなキャラという印象ですし、梓は映画のように明るく社交的な大学生というよりかは、もう少しサバサバしていて大人の魅力があるキャラという印象です。それぞれの役を演じている与田さんや小倉さんの役作りも悪くはないのですが、もう少し役を原作に近づけてもいいのではと思いました。
まとめ
この映画はこの映画で昨今のコロナ騒動に疲れた人にとっては、いい気分転換になると思います。ただ、原作ファンやダイビング好きの方、もっと考えさせられる映画が見たい方からすると、少し物足りない、もしくは面白くないと思います。ただ、個人的には予想よりかは笑えたこともあり、星1で完全に面白くないものとして切り捨てるのももったいないと思ったので星2.5 と評価します。