劇場公開日 2020年7月17日

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「子育ての幸せ。」ステップ ガバチョさんの映画レビュー(感想・評価)

3.5子育ての幸せ。

2020年7月26日
PCから投稿
鑑賞方法:映画館

母子家庭はよくあるが父子家庭はあまり聞かない。それだけ男の子育ては難しいということでもあるだろう。この映画はその難しさを描くとともに一つの解決を示したとも言えよう。男にとって子育てが大変なのは、まず第一に仕事との両立、そして慣れない家事一切の負担、子供への愛情のかけかたが分からない、こんな所だろう。営業から総務へ移っての奮闘ぶりが描かれている。仕事に意欲のある人ほど仕事をセーブするのに抵抗あると思うが、主人公は当たり前のように子育て優先の生活に変えた。えらいと思う。家事も男が本来することじゃないと心のどこかにあればやりきれないと思うがそれも全力で取り組んでいる。とてもえらいと思う。子供への愛情のかけ方は男親にはどうしてもできない限界がある。それも良く描かれていたように思う。母親の無条件の包み込むような愛情に比べて、男親はどうしても理性的に接しようとするあまり子供が反発することが多いように思う。それを補っているのが作品中では妻の両親だ。優しいいおじいちゃん、おばあちゃんがいたことがどんなに娘の救いになっていたことか。國村準と山田孝之の親子関係が実にいい。実の親子ではない、義理の親子だから作れた良い関係だと思う。
子供が一人いるだけで周りの大人たちが自分の役割を見つけて人間的にも成長していくのが本当に素晴らしい。映画では伝えきれない部分も多かったと思うが子育てはどうあるべきかを学ばせてもらったような気がする。

ガバチョ