「苦難を乗り越え、笑顔を作る場所、それが家庭(^^)」ステップ ガーコさんの映画レビュー(感想・評価)
苦難を乗り越え、笑顔を作る場所、それが家庭(^^)
子を持つ親はみんな大変。
もし、シングルファザーだったら、もっとずっと苦難の連続だと思う。
掃除、洗濯、料理は最低条件。
プラス保育園の送り迎え、細々とした家事、先生からの連絡帳。
あっという間に1日が過ぎる。
だからこそ、子供の世話はローテーション化してしまいがち。
抱っこも絵本も読んであげていたって、子供はそれが愛情の不足した義務的作業だって薄々感づいているんだね。
そして、2歳半の子供の感覚は侮れない。
子供だって1人の小さな人間。
大人のことなんて何もわかってないと思ったら痛い目見ることもあるのだと思いました。
でも、そんな大変な中にも、子供の成長に救われることはたくさんあるんだってことを実感。
保育園から小学生に上がると、できることはたくさん増えていって、いつの間にか親に口出しする年齢になっている。
手が離れた分ちょっと寂しい気持ちになるけれど、それも一つの成長だと思って見守ってあげたくなる。
まだ小学生だし、いくら大人ぶっていても、細かな気持ちはまだまだ小さな子供。
育児っていのは、体の成長だけじゃない。心のサポートをしてあげることも、子育てには重要だってことを身に染みて実感しました。
秘密や嘘も、どんどん増えていって、友達には話すけれど親には話さないこともたくさん出てくるお年頃。
そんな思春期の時期を乗り越えようと頑張る父親の姿がとても愛おしく感じてしまいました。
やっぱり山田孝之さんの、演技が素晴らしい。
コメディの時とは打って変わって、繊細で未熟な父親の姿がとてもリアルで素晴らしかった。
父と娘という関係って、母と息子以上に複雑で大変だと思いますが、それを見事に表現していたところが凄すぎます!
更に、今回演技で光っていたのは、伊藤紗莉さん。
繊細な子供の心を親身になって受け止める、心の優しい元気いっぱいの保育士役がとても似合っていました。
彼女は役によって色々と性格から表情からガラリと変わってしまうから凄すぎる!
彼女のような演技は女優は、なかなかいないと思います!
この映画でもっとブレイクしてくれることを期待するばかり(笑)
最後に余談ですが、ちょいちょい中川大志さんがちょい役で出てくるのが面白かった(o^^o)
こんな贅沢な使われ方で良いのか⁈
重松清さん原作の『ステップ』。
毎度のことながら、彼の描くヒューマンストーリーは本当に完璧。
一人ひとりの心の悩みや苦しみを丁寧に、繊細に描けるのは彼しかいない。
今回、この映画化された事で、この世界観がより一層現実的になり、家族の存在が尊いものになったように思います。
笑顔を作る「笑顔工場=家族」。
最高の言葉でした(^^)
素敵な映画をありがとうございました。