「客の解釈に依存した浅い造り」ジョン・F・ドノヴァンの死と生 Masuzohさんの映画レビュー(感想・評価)
客の解釈に依存した浅い造り
予告でチラッと見てよくわからないけど
キャストもいいしなあとおもって鑑賞
感想としては
ちょっと浅すぎました
それを客に考えて受け取ってくれという
依存的な感じを
音楽やビジュアルで溶かしてる感じ
一言で言うと悪いけど「だから、なに?」
ドラマ俳優ジョン・F・ドノヴァンが過剰摂取で急死
その真相を知るのは数年間文通していた少年ルパート…
みたいな触れ込みで
最初はサスペンスかミステリーかと思わせますが
見ていくと愛に飢えるジョンとルパートの
共感とそこからくる友情と悲劇といった
感じでした
まずルパート夢中にさせる(またをのドラマ観て興奮してる
シーンがウソくさくてイラッとくる)ジョンですが
テレビドラマの売れっ子主役って感じのようで
ハリウッドスターとまではいかない感じで
なんか中途半端に見えました
だから手紙の返事なんか来ないとアタマから否定する人に
そうか?まだファン大事にする段階の俳優だろと思って
しまった時点で自分はこの映画に入り込めなかったのかも
しれません
ジョンはその文通や同性愛関係の発覚で
立場を失っていきその後死んでしまうのですが
死の真相もなにもそのまんまですよね
そこへ報道や周辺の人からバイアスがかかっている
ところを同性愛などへの風当たりかのように
持っていこうとしますが
こういうLGBTなどの社会問題にすぐもっていくのは
なんか最近の映画の良くないとこな気がします
キーワード的に必ず入れろ的な感じ
先日公開されたhisという映画は
二人がそれぞれを好きだという感情から結果的に
同性愛関係でありそこにまつわる問題をたどっていく
丁寧な描写でしたしそっちのほうがテーマとして
真面目に捉えていると思いました
この作品はなんだかテーマが絞れてない感じ
どんなふうにでにでも見えるようにそうした?
ジョンやルパートの親もちょっとヒステリー
だったり酒癖が悪かったり普通にイカれてる感じで
キャラが読みにくくそれでいてキリッと急に偉そうな
格言的なことを言い出したりするので余計キャラが
わからずただイライラさせられます
この監督イライラさせる演出が好きなんですね
なんかもっと点数下げたい感じもしますが
最近岩井俊二の「ラストレター」という似たような
相当ひどい映画見ちゃったのでアレよりはまあ
まとまってるかなと相対的に思います
話は冒頭から成長したルパートにインタビューで
回想的に進むのですが
特にそうする必要性も感じないです
なんか全体的に客にわかるでしょ?みたいな
描写なんですがわかりません
わかるけどただの不親切なイラッとくる感じ
この監督の作品はもういいかな