「ベテラン対決!けど爪も隠せていないし見誤らない?」グッドライアー 偽りのゲーム よしさんの映画レビュー(感想・評価)
ベテラン対決!けど爪も隠せていないし見誤らない?
能ある鷹は爪を隠す…? "ナチス"モノの定番"(人生)なりすまし"オチ、逆もまた然り。題材的にはヘビーだけど、思ったより深くなかった!キャラクターについて知れば知るほど、彼らのすることが信じられなくなる。舞台はタランティーノの傑作『イングロリアス・バスターズ』が公開された2009年。そこに待っているのは、もう見飽きたよと言いたくなる類の辟易とするネタバラシパート。
近づきすぎると見誤る…?ヘレン・ミレン × イアン・マッケラン = ベテラン二人の競演・演技対決は一見の価値あるかもしれないが、見誤らなかった。更に、日本でも大ヒットを記録した作品も手掛けてきたビル・コンドン監督 × イアン・マッケラン主演と言えば老年のシャーロック・ホームズを描いた良作『Mr.ホームズ』コンビだけど、そうした大いなる才能の総和からすると、正直期待値は超えない。
良い嘘つきというタイトルは納得。報いは必ず受ける、と信じたい。日常を装った中に変な緊張感が作品を覆い支配する、如何にも何か裏のありそうな余白。英国っぽいネチネチした空気感。イアン・マッケランが演じるのは老年の詐欺師。普段は年の割にまだまだキビキビと歩けるのに膝が悪いみたいなフリもお手の物。マグニートーはあったけど、あれも己の正義を貫いているだけだったし、イアン・マッケラン御大がここまで悪に徹しているのは自分の中でどこか新鮮だった。
「冥府の入り口へ」「過ぎた出来事を振り返って何になる?元に戻せない」「過去の有りそうな人だね」傷跡「私は何より不誠実なことが嫌いだ」「あんたがどういう人間か分かってるんだ」「勝手に住み込み、財産をすべて巻き上げる気か?」「自分が分かる?私に孤独を感じさせない唯一の人よ」「全額送金するって懸命な判断かしら?」全額「あなたも"能ある鷹"ね」行くのをやめるよ「予定通りに」キーパッド「共同口座を見てるの。あなたが嘘をつく度にこれを押す」リリー「スティーヴンは優秀な調査員。……スティーヴンは孫じゃない」10万ドル「俺の金をよこせ、ロイ」「無いと言うのは嘘よ」深く想う、思ったより深いわ